「戦国東都」を凝縮した2週間が始まる! 東都終盤戦大展望!
激戦が繰り広げられてきた東都大学野球春季リーグもいよいよ終盤戦に突入している。今回はその優勝争い&入替戦争いを大展望する。
2部は立正大が優勝! 盤石の投手陣
まずは2部リーグ。立正大が17、18日に行われた国士舘大戦に連勝した。最終週に試合を残す2位・東洋大が連勝しても勝率で立正大が上回るため2部優勝となり、1部最下位校との入替戦出場が決定した。
強みは沼田優雅(4年・天理高)、高橋史典(3年・修徳高)、黒木優太(2年・橘学苑高)と3人も完投能力を有する投手を擁している点だ。近年、要所でミスが出てしまっていた野手陣も主将の板倉健人(4年・静岡高)、捕手の須田凌平(4年・千葉黎明高)を中心にまとまり、投手陣を支えた。全12試合中、4失点以上したのはわずか1試合という鉄壁の守備力で 2010年春以来の1部復帰を目指す。
▲勝負強い打撃でリーグトップの11打点(5月18日現在)を挙げ、打線を牽引した立正大・本間諒外野手(4年・関東一高)[写真:高木遊]
1部最下位(入替戦行き)の可能性は3校に
1部リーグでは、優勝が来週の最終週で激突する亜細亜大vs國學院大の勝ち点を挙げたチーム、そして入替戦行きとなる最下位が決まるのが今週(第7週)を戦っている拓殖大vs青山学院大、中央大vs駒澤大のうち拓殖大を除く3チームに絞られた。拓殖大は先週の亜細亜大戦を2勝1敗で勝ち点獲得。1部残留を決めた。
入替戦を何としてでも回避したい争いは勝ち点2の駒澤大が1歩リード。1勝でもすれば5位以上が確定するので、エース・今永昇太(3年・北筑高)が登板する1回戦で決めたいところだ。
一方、5月18日現在、最下位の青山学院大はここまでわずか2勝。岡野祐一郎(2年・聖光学院高)と福本翼(4年・大阪桐蔭高)の粘り強い投球で接戦に持ち込み、今週の拓殖大戦に連勝したいところだ。
また、5位の中央大は、開幕週で亜細亜大に善戦(1勝2敗)、続く第2週の國學院大に連勝と好調なスタートを切ったが、その後は投打ともに奮わず。エース・島袋洋奨(4年・興南高)ら投手陣の調子が上がりきっていない中、今季絶好調の羽山弘起(4年・静岡商高)ら野手陣の強力援護に期待したい。
▲リーグ2位の打率.417(5月18日現在)と、今年は怖さが増した羽山弘起の打棒に期待がかかる[写真:高木遊]
優勝争い 亜細亜大の6連覇か? 2010年秋以来の國學院大か?
1部リーグの優勝争いは最終週の亜細亜大vs國學院大で勝ち点を挙げたチームが優勝と、文字通り「優勝決定戦」となる。
ともに投打が噛み合い、ここまで勝ち星を重ねてきた。
特に1回戦の先発を任されている亜細亜大の右腕・山?康晃(4年・帝京高)、國學院大の左腕・田中大輝(4年・必由館高)が安定した投球を見せ、チームに良い流れを呼び込んでいる。
また、打っては亜細亜大では板山祐太朗(3年・成立学園高)、國學院大では柴田竜拓(3年・岡山理科大付高)と、ともに3年生で中軸を打つ選手が好調だ。
▲攻守にハツラツとしたプレーを見せる國學院大・柴田竜拓[写真:高木遊]
また不安材料としていることは、両チームともに「2番手投手」。亜細亜大は花城直(3年・八重山高)が国指定の難病「黄色靭帯骨化症(おうしょくじんたいこっかしょう)」で第6週からチームを離脱。一方の國學院大も平部隆(4年・千葉商大付高)が第6週でベンチから外れた。投手層の厚さもこのカードのカギとなってきそうだ。
▲「黄色靭帯骨化症」でチームを離脱した花城直のユニフォームとともに戦う亜細亜大[写真:高木遊]
どの試合も各校にとって「絶対に負けられない戦い」。入替戦争い、そして優勝争いと「戦国東都」を凝縮した2週間が始まる。
■ライタープロフィール
高木遊(たかぎ・ゆう)/田中将大世代の1988年生まれ。幼少時よりスポーツ観戦に勤しみ、大学卒業後にライター活動を開始。主に東都大学野球を中心とした首都圏の大学野球を取材。その他のアマチュア野球をはじめ、ラグビーやアイスホッケー、ボクシング、柔道なども取材領域とする。ナックルボールスタジアム主催のイベント「TOHKEN〜東都大学リーグ野球観戦研究会〜」でも活躍。
高木遊の『熱闘通信』随時更新中(http://www.plus-blog.sportsnavi.com/buaka/)。
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