【東京地区・野手編】シーズン前はこんな評価でしたが、2カ月経った後のドラフト候補たちはどう見えますか?
岡 大海 オカ・ヒロミ
倉敷商〜明治大(東京六大学リーグ)
投手・一塁手/185cm82kg/右投右打
■今春の成長ポイント
本格派右腕としてもの成長ぷり
■コメント
昨秋は4番・一塁手として.353をマーク。大型でもバットを短めに握って構え、ムードは中距離打者。実際、速い打球でシングルならいつでもOKのシュアさと、ふところの深さを感じる。但し、甘く入れば放り込む潜在能力は十分。昨秋、14イニング足らずに終わった<投>も、アベレージ140キロ前半のパワーを秘める。
木下 拓哉 キノシタ・タクヤ
高知〜法政大(東京六大学リーグ)
捕手/182cm86kg/右投右打
■今春の成長ポイント
昨秋優勝で得た教訓を今春のリードに生かす
■コメント
勝てる捕手を志向しリーグ優勝を勝ち取った昨秋。学習したことは多かったはず。エース・三嶋一輝(DeNA)が投げやすいように気を遣った守備ワークに見えた。スローイングは学生球界でもトップ3に入るだろう。遊撃手のベースカバーが間に合わない場面も。回転がいいからスピンが効いて、マウンドの向こうでふわっと浮上する。
河合 完治 カワイ・カンジ
中京大中京〜法政大(東京六大学リーグ)
二塁手/175cm75kg/右投左打
■今春の成長ポイント
1年間、いつも元気に試合に出場すること
■コメント
昨春は右足親指骨折、秋は開幕直前に左足付け根の肉離れ。1年間で7試合の出場に終わっただけに、今季はまず<無事>であること。いつも試合に出ていなくてはいけない存在なのだから。二塁手がこんなに上手いとは思わなかった。これまでの三塁手とは逆の体の切り返しも鮮やかに、併殺プレーなど、<本職>顔負けの見事さだ。
吉田 裕太 ヨシダ・ユウタ
日大三〜立正大(東都大学リーグ)
捕手/182cm84kg/右投右打
■今春の成長ポイント
1年時からのメンバーとして1部復帰を
■コメント
日大三高当時は甲子園で活躍し、進学後も2年時からレギュラーを掴み、学生全日本候補の常連にも名を連ねる。なのに、そんな選手が2部のBクラスでいいのか。そういう<持っているヤツ>が低迷のチームを引き上げなくて誰が浮上させる。野球センスは光るが、打撃も守備も可もなし、不可もなし。●●なら吉田。特徴がほしい。
嶺井 博希 ミネイ・ヒロキ
沖縄尚学〜亜細亜大(東都大学リーグ)
捕手/175cm75kg/右投両打
■今春の成長ポイント
頼れる主軸卒業後の投手陣のリード
■コメント
投手が気持ちよく腕を振れることを最優先に考え、そのじゃまをしないように、気分を損ねないように、そしてこの選手だけの超・コンパクトなスローイングによる盗塁刺で強力サポート。正確な捕球、返球のリズムも含めて、守備ワークは学生球界1、2。<柱>がいなくなった直後にありがちな、微妙な空気をどう引っ張っていくのか。
春田 一馬 ハルタ・カズマ
瓊浦〜國學院大(東都大学リーグ)
二塁手/178cm80kg/右投左打
■今春の成長ポイント
長打力アップで怖れられる打者に
■コメント
3番を託された昨季は3割に乗せる健闘だったが、ガツンといける怖さは感じられなかった。この選手のバネと瞬発力で長打がないわけがない。併殺時の2通りのアクションの連動性、スローイングのメリハリ。すっかり二塁手らしくなった。非常に深いポジショニングにも、内野のキーパーソンとしての自信と自負が感じられる。
高橋 弘樹 タカハシ・ヒロキ
拓大紅陵〜拓殖大(東都大学リーグ)
三塁手/183cm85kg/右投右打
■今春の成長ポイント
<タコ>解消を! コンスタントな打を
■コメント
均整抜群の体躯で、豪快に振りまわすのではなく、合理的にコンパクトなスイングで広角に痛打を飛ばすタイプ。左翼線を猛ライナーで、変化球を巧みに捉えてフェンスまで運ぶ。ベースランニングにも体の持て余し感なく、活発なアクションで投手へのアプローチも積極的。気持ちを思いきり前面に押し出してプレーする元気者だ。
田中 広輔 タナカ・コウスケ
東海大相模〜東海大〜JR東日本(24歳)
遊撃手/171cm80kg/右投左打
■今春の成長ポイント
2年続けて好調を維持してプロへ
■コメント
昨季の都市対抗から日本選手権にかけての活躍は出色。とりわけ、リードオフマンとしての出塁率、ポイントゲッターとしての勝負強さ、いきなりの長打で相手投手の立ち上がりを粉砕する破壊力、打撃面での貢献はめざましかった。抜群の俊足ではないがスキを突こうとする意欲も一級品。相手に最も嫌われている選手ではないか。
石岡 諒太 イシオカ・リョウタ
神戸国際大付〜JR東日本(21歳)
右翼手/187cm84kg/左投左打
■今春の成長ポイント
気持ち出過ぎの打ち損じは減ったか
■コメント
タイプでいえば、カズ山本こと山本和範(元近鉄ほか)。何が飛び出すかわからないプレースタイルは魅力いっぱいだ。右翼席への弾丸弾もあれば、変化球を左方向へ運び、痛烈なピッチャー返しでタイムリーを奪う。若手だが脆さがなく、三振しても次の打席を楽しみにさせる。躍動感あふれる走塁にも華があって、人気者になれる資質十分。