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地方大会選手速報レポート【中国】〜藤井 皓哉(おかやま山陽)、櫻井 涼(広島商)

藤井 皓哉 ふじい・こうや


おかやま山陽 3年
投手・右投左打・182センチ81キロ

藤井皓哉の重厚な存在感

 初戦で創部3年目の就実に敗れたものの、藤井皓哉の「重厚な存在感」は観客を魅了しまくった。182センチ81キロという堂々たる体躯にも関わらず、まるでマウンド上で踊っているかのようだった。

 まず、初回に3者連続三振でマスカットスタジアムの観客をどよめかせると、2回にいきなり見せ場がやってきた。先頭の4番打者に右越え三塁打を打たれ、直後の5番打者には頭部への死球を与えてしまい、一時プレーが中断された。無死1、3塁。おかやま山陽にとって嫌なムードが漂っていた。しかし、それを物ともしないのが、この投手の図太さだ。6番にファールで粘られ、8球を費やして中飛に打ち取ると、そこから圧巻の連続三振。特に8番への見逃し三振を決めたストレートは146キロを計測し、次の試合をベンチ横で待機していた創志学園の選手らさえも圧倒されたほどの、伸びと威力、そしてマウンド上での躍動感がすさまじかった。

 6、7回に高めに浮いた球を痛打され、まさかの初戦敗退に終わったが、スタンドに集結した各球団のスカウトには、プロタイプの仕様が十分に伝わったはず。それほど、藤井皓哉には「重厚な存在感」があった。

櫻井 涼 さくらい・りょう

広島商 2年
遊撃手・右投右打・167センチ70キロ

数字以上にプレーが際立つ名門のショート

 以前、広島商の竹田徹司(現日本大)の通算本塁打について檜山忠監督に尋ねたことがある。返事は「数えたことがないのでわかりません」。竹田本人も同じだった。昨今、投手なら最速、野手なら通算本塁打などが、注目選手の指標にもなっているが、そんなことを気にさせないのが、1年夏から名門「HIROSHO」のスタメンを張る櫻井涼である。とにかくプレーが光る。

 庄原実戦では、安打こそなかったものの、なんともいえないオーラを発していた。まさに「シャープ」といえるスイングの軌道は、広角に打てるミートセンスの証であるし、守りでも正確なスローイングに、瞬時の状況判断。すべてにおいて先を見越したプレーが伝わってくるし、落ち着いている。念のために数字的なことを聞いてみた。

 50メートル走6秒4、遠投87メートル。

 それは、ずば抜けた数字でもないし、全国的にもゴロゴロいる数字かもしれない。

 しかし、数字以上にプレーが際立つのが櫻井涼だ。目を凝らせば、凝らすほど、よさがにじみ出てくるタイプ。こういう選手こそ、強いプレーヤーになれる。本気でそう思った。


末永 海人 すえなが・かいと
創志学園 3年
投手・右投右打・187センチ77キロ
◎芳泉戦の常時140キロ台に自らも手応えあり。あとは開き気味の調整のみ。

高橋 将宗 たかはし・まさのり
庄原実 3年
投手・右投右打・178センチ78キロ
◎リズミカルな投球で赤丸急上昇。安西戦で143キロをマーク。

田中 佑太 たなか・ゆうた
石見智翠館 3年
遊撃手・右投右打・180センチ77キロ
◎昨夏、甲子園を経験した逸材内野手。飯南戦で流れを引き寄せる圧巻弾。

池田 成輝 いけだ・せいき
開星 3年
外野手・右投右打・180センチ85キロ
◎立正大淞南戦で攻守に躍動。冷静判断のレーザービームと左越え本塁打。


■ライタープロフィール
アストロ/1973年生まれ、徳島県出身。熊本を根城とし、九州全域はもとより中国地区まで渡り歩き有望選手を探す。大学時代は軟式野球部の監督兼選手として全国準V。

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