超ハイレベルな神奈川高校野球3つのヒミツ
「神奈川を制する者は全国を制する」とは、高校野球界の“格言”のうちの1つである。
甲子園出場をかけた夏の神奈川大会は「全国一の激戦区」といわれるほどレベルの高い参加校が多く、強豪校といえども甘く見ていると痛い目にあう。今年は186校が参加する神奈川大会。甲子園出場までの道のりは遠くて険しい。
なぜ、神奈川県の高校野球はハイレベルなのか? その要因を探ってみた。
【1・神奈川は野球の聖地】
神奈川の野球の歴史は古い。日本初の日米野球決戦は、今から119年前の1896年に横浜公園で行われた。試合は一高(旧制・現東京大学の前身)が横浜外人チームと対戦して、一高が29−4で勝利。この日本球史に残る圧勝劇が、神奈川野球の起点となった。つまり日本野球にとって、神奈川は聖地とも言える地域なのだ。
【2・プロ入りする選手が多い】
プロ野球選手を数多く輩出する神奈川県。特に横浜高は「プロ野球選手養成学校」と呼んでもよいほどの実績がある。投手では、あの松坂大輔(ソフトバンク)の出身校としても有名で、他にも各球団のエース級の涌井秀章(ロッテ)や成瀬善久(ヤクルト)、野手では多村仁志や荒波翔、筒香嘉智(ともにDeNA)など……。横浜高OBでプロ野球チームが作れるくらい選手層は厚い。
【3・甲子園成績がスゴイ】
甲子園に出場した神奈川代表校の成績がまたスゴい。夏の甲子園でいうと、過去12年間で神奈川県勢がベスト8以上の成績を残した年がなんと5回もある。特に2008年の90回記念大会は2校出場して、慶應義塾(北神奈川)がベスト8、横浜(南神奈川)がベスト4とともに上位に進出し、神奈川のレベルの高さをみせた。また、近年では2010年に、東海大相模が準優勝を飾っている。
ちなみに神奈川の参加校186校に対して、最も少ないのは鳥取の25校。その差はなんと約7.5倍。神奈川では敗れてしまったチームでも、「他の地方大会に出場していたら、甲子園に行けたのでは?」と想像させる実力校はある。しかし、そんな厳しい環境に負けず、むしろそれを励みにして戦い抜く神奈川球児たちの“誇り”や“プライド”こそが、神奈川県勢のレベルの高さの秘密ではないだろうか。
注目の神奈川大会決勝戦は、7月28日に予定されている。今年も神奈川県勢は甲子園で暴れてくれるだろうか。いずれにせよ、どの学校が出場しても「神奈川代表校」は注目されること間違いなしだろう。