2014ドラフト候補大学生ランキング〜意外な好選手に注目だ!
2013年のドラフト会議を終え、早くも2014年ドラフト会議を見据える話もちらほら出てくる頃でしょうか。新チームの高校野球ならまだしも、4年生がいる大学野球では早すぎる……とためらってはいけません。今から輝いている選手をチェックしても早すぎることはありません!
野球太郎主催のイベント「TOHKEN」や東都大学リーグの選手を中心にアマチュア野球全般を追いかけるライター高木遊さん独自の目線による注目の2014年ドラフト候補大学生を紹介していただきました!
佃勇典投手
(広島商高→拓殖大)
進藤拓也投手
(西仙北高→横浜商科大)
まずは佃勇典。
拓殖大の創部史上初の1部昇格となった秋季リーグで防御率4位となる1.67と安定した投球を見せ、チームのAクラス入り(3位)に大きく貢献。
安定感のあるフォームで、強く腕を振り切って球を前で放つことができるため、ストレート、変化球ともに制球良く球威のある球を低めに決めることができる。
同じ東都大学リーグの好投手たちと比べ、先発完投なら山?康晃(帝京高→亜細亜大)、速球なら薮田和樹(岡山理大付高→亜細亜大)、左腕でMAX150キロという希少性なら島袋洋奨(興南高→中央大)にそれぞれ軍配が上がると思うが、「短いイニングを確実に0点で抑える」という意味では佃が1番だ。
続いて推したいのが進藤拓也。
1年先輩に阪神ドラフト1位の岩貞祐太、楽天ドラフト5位の西宮悠介のダブル左腕エースがいたため登板機会は少なかったものの、184センチの恵まれた体格から150キロに達するストレートをどんどん投げ込むことができる右腕だ。
高3夏には、無名校の西仙北高で40イニング連続無失点を記録するなど、チームを創部史上初の秋田県大会4強に押し上げた実績もある。まだ投げる日によって調子の波が激しいが、登板機会が増えるだろう来年に、心身ともに成長を遂げることを期待したい。
中村奨吾内野手
(天理高→早稲田大)
近年、年を経るにつれ価値が上がっている「右打ちの野手」。その機運に乗り、右打ちの大学生野手筆頭格とも言えるのが、中村奨吾だ。早稲田大で2年春からレギュラーを獲得すると、2年秋にはベストナインを獲得。3年春には打率.349、出塁率も.451と他を圧倒する成績を残し、大学日本代表に選出。
日米大学野球では本業のセカンドではなくセンターも務めた。外野でも広い守備範囲を見せ、その高い能力を遺憾なく発揮。
打っても最終戦でダメ押しの本塁打を放つなど打率.438、長打率は.938という素晴らしい働きでチームを優勝に導いた。その好調を維持するかのように今秋も2度目となるベストナインを二塁手部門で獲得している。
江越大賀外野手
(長崎・海星高→駒澤大)
▲山本晃子撮影
「右の外野手」として評価が高いのは、駒澤大で今春から4番を打つ江越大賀だ。
その大きな特徴は広角に打てる長打。今秋、杉浦稔大(國學院大→ヤクルト1位)から右翼席へ流し打った本塁打は、今にもスカウト陣のため息が聞こえるかのような美しいものだった。実際、それを見た元スカウトは「プロでも現時点でレギュラーを穫れるレベルだよ」と舌を巻いた。
またその俊足とそれを生かした広い守備範囲、強肩も大きな魅力である。言葉は悪いが「打撃がダメでも潰しが利く」選手と言って良いほどだ。
懸念は際立った成績を残したシーズンが1度も無いことだ。1年春からレギュラーを獲得しているが、3割を記録したシーズンは1度もなく、ベストナインを初受賞した今秋も打率は.279。これは大学入学後の自身最高打率ではあったものの、チームは最下位に沈んだ。チームの浮沈を背負う4番打者としては、チームの成績にも直結する働きをしたいところだ。
また、大学日本代表でも4番を打てる素質はあるだけに、代走・守備固め要員に終わった今夏の日米大学野球の悔しさも晴らしてほしい。
上記で挙げた選手以外にも、東京六大学リーグを代表する投手である、左腕の山?福也(日大三高→明治大)、石田健大(広島工高→法政大)、高校時代から実績を積み重ねる有原航平(広陵高→早稲田大)ら才能豊かな投手たちも当然ドラフト上位候補で、エースとして迎える来季の成績がそのまま評価の高騰に繋がることだろう。
また捕手不作と言われる来秋ドラフトで、上位候補に躍り出る可能性がある寺嶋寛大(興誠高→創価大)、地方リーグに目を向けてみても、今春の選手権で素晴らしい活躍をした外崎修汰(弘前実高→富士大)、今週末の16日に開幕する明治神宮大会に出場する野間峻祥(村野工高→中部学院大)、金子丈(大阪学院大高→大阪商業大)らにも注目していきたい。
明治神宮大会には本文で名前が挙がった中では、山?康晃、薮田和樹が所属する亜細亜大、山?福也の明治大も出場する。彼らを中心に大学3年生選手にも注目してほしい。
■プロフィール
文=高木遊(たかぎ・ゆう)/1988年、東京都出身。幼い頃よりスポーツ観戦に勤しみ、東洋大学社会学部卒業後、スポーツライターとして活動を開始。昨年は東都大学野球春・秋1部全試合を取材。大学野球を中心に、アイスホッケー、ラグビー、ボクシングなども取材領域とする。高木遊の
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