みなさん、初めまして。ライターの高橋安幸と申します。
僕のライターとしての仕事は野球が中心で、なかでも、昔のプロ野球選手にインタビューすることを軸にしています。これまでに50人近い方々に会いに行って、今も雑誌に記事を書いています。
昔の、というくくりは漠然としすぎなので少し詳しく説明しますと、いちばん大昔は今から78年前の1934年、日本にプロ野球が誕生したときに選手だった方。
逆に新しいところでは、巨人が1965年から日本シリーズ9連覇、いわゆるV9を成し遂げた時代に活躍された方が多い。なかには平成元年頃まで現役だった方もいますが、全盛期はやはり昭和の時代。
いずれにしましても、1965年生まれの僕にとっては、現役時代のプレーを知らない方たちばかりです。観ていたとしても子どもですから、記憶はおぼろげ。
現役時代を知らなくても、野球好きの自分としては、会いに行って話を聞かずにいられない−−。なぜかといったら、それぞれの方が輝かしい記録を作って、野球界に功績を残しているのはもとより、さまざまな「伝説」があるからです。
たとえば、ボールが止まって見えた、誰も見たことがない魔球を投げた、ショートの頭を超えた打球がそのままスタンドに入った、その打球は160メートル以上飛んだ−−等々。
「伝説」は本で読んだり、テレビで見たり、あるいは人づてに聞いて、いつの間にか頭にすり込まれているものもあります。その「伝説」に興味を持って、その野球人について詳しく知りたくなるわけですが、ならば、実際に会いに行って話を聞こうと。
そこで、雑誌に書いた記事をまとめて単行本にしたときには、そのまま直球で「伝説のプロ野球選手に会いに行く」というタイトルにしました。単行本は第二弾まで出ていまして、今年の11月後半には<増補改訂版>となって、文庫が刊行される予定です。