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高校野球がいよいよ佳境へ、甲子園への切符を手にするのはどこだ?社会人、プロも目を離せない戦いが続く!

 『今週の野球みどころランキング』は、7月第4週に注目度の高まっている野球関連の話題について紹介していきます。
 今後の簡単な野球界のスケジュールは最後にまとめていますので、重要事項はチェックしてください!

ハーレム・ベースボールウィークで日本は準優勝
―――大学野球

 オランダで開幕した国際大会『第27回ハーレム・ベースボールウィーク』は日本、台湾、アメリカ、オランダの4カ国が出場した。大学日本代表は予選リーグで吉田侑樹(東海大仰星高→東海大3年)を筆頭に、田中正義(創価高→創価大2年)、浜田智博(宮崎工高→九州産業大4年)らの先発、そして抑えの山?康晃(帝京高→亜細亜大4年)と投手陣が好調。予選リーグを4勝2敗の2位で終える。

 迎えた準決勝は、予選リーグの対戦成績が1勝1敗だったオランダと対戦。試合は1−1のまま延長タイブレークに持ち込まれたが、最後は佐藤拓也(浦和学院高→立教大2年)のサヨナラタイムリーでケリをつけ、日本が決勝に駒を進めた。

 決勝戦はアメリカと対戦したが、初回に先制され、終始アメリカペースで試合が進んでいった。日本は8回に代打・山足達也(大阪桐蔭高→立命館大3年)のタイムリー二塁打で追いあげていくが、それまで。6−3でアメリカが勝利し、日本は準優勝に終わった。

マー君故障者リスト入り。球宴にはダルビッシュ&上原が出場。ジーターは最後の勇姿
―――MLB

 ここまで新人ながら、ヤンキースの投手陣を引っ張る12勝を挙げていた田中将大が8日、インディアンズ戦に先発し、6回2/3を投げて自己ワーストとなる10安打5失点で、4敗目を喫した。そして翌9日、右ヒジ内側則副じん帯の部分断裂が判明し、早くとも回復までに6週間の経過が必要とされ、無念の離脱となってしまった。そして、オールスターゲームの出場も見送られた。

 85回目の開催となったオールスターゲームは、ミネソタ州ミネアポリスのターゲット・フィールドで行われた。

 まず、14日のホームラン競争から華麗な競演が始まった。本塁打以外をアウトとし、7アウトになるまでの本塁打数を競うホームラン競争は、ア・リーグを勝ち上がったキューバ出身のヨエニス・セスペデス(アスレチックス)と、ナ・リーグを勝ち上がったトッド・フレイジャー(レッズ)の2人が決勝戦へと駒を進めた。1本に終わったフレージャーに対し、9本を放ったセスペデスが優勝。1998、1999年のケン・グリフィーjr.(当時マリナーズ)以来となる連覇を達成した。

 15日のオールスターゲームは、ア・リーグが5-3で勝利。MVPには、勝ち越しの二塁打を放ったマイク・トラウト(エンゼルス)が獲得し、史上2番目の若さとなる22歳での受賞となった。これでア・リーグが今季のワールドシリーズの開幕権を獲得した。

 日本人選手はア・リーグの2投手が出場した。ダルビッシュ有(レンジャーズ)が、約90キロの超スローカーブを投げ込むなどし、1回を三者凡退に抑えた。

 上原浩治(レッドソックス)は6回2死三塁の場面で登板し、打者1人を4球で空振り三振に仕留め、仕事を果たした。

 また、今季限りでの引退を明言しているデレク・ジーター(ヤンキース)は、14度目の出場となる現役最後のオールスターゲームを2打数2安打で終え、観衆から3分以上も鳴り止まない大歓声を送られた。

※日時はすべてアメリカ現地時間です

都市対抗開幕!瀬戸内高出身・山岡の都市対抗デビュー詳細(コメント付き)など
―――社会人野球

 18日、社会人野球最高峰の大会である『第85回都市対抗野球大会』(29日まで/東京ドーム)が開幕した。

 開幕戦は東京ガス(東京都)が七十七銀行(仙台市)を6−1で破り快勝。濱田政宣(東洋大→東京ガス)が大会第1号本塁打を放ったり、好捕を魅せたり、攻守に躍動した。投げては岩佐海斗(成立学園高→東京ガス)から宮谷陽介(筑波大→東京ガス)と繋ぎ、最終回は高卒新人の山岡泰輔(瀬戸内高→東京ガス)が3人で締めた。

東京ガス・山岡の試合後コメント
「(9回に登板し三者凡退に抑え、ストレートも自己最速の149キロも出たが)東京ドームは今までで1番投げやすいマウンドでした。雰囲気もそうですが、僕は硬いマウンドの方が投げやすいですね。思いきって投げることができましたし、抑えをやらせてもらって、先発とはまた違う良い経験をさせてもらっています」[写真・高木遊]

 また第3試合には、3連覇を狙うJX-ENEOSが登場。JR東海と対戦し、7回まで1−4の3点ビハインド。しかし、8回、ともに途中出場の新人、石川良平(國學院大→JX-ENEOS)と山崎珠嗣(横浜商科大→JX-ENEOS)らの安打で反撃の口火を切り1点を返すと、3番・井領雅貴(桐蔭学園高→JX-ENEOS)が左中間へ逆転3ラン。王者の底力を見せ、初戦を突破した。


▲値千金の逆転3ランを放ったJX-ENEOSの井領[写真・山本晃子]

 2年連続で決勝に進んでいるJR東日本は、関谷亮太(明治大→JR東日本)と片山純一(亜細亜大→JR東日本)のリレーで、室蘭シャークスを2安打に抑え、2−0で快勝した。

 その一方で、12年連続出場の日本生命や、元ロッテの初芝清監督が率いるセガサミーが初戦敗退となった。

オリックス今世紀初の首位ターン、侍ジャパン、球宴、ロッテがデスパイネ獲得! など
―――NPB

 プロ野球のペナントレースは16日に前半戦を終え、オリックスが実に1997年以来となる首位ターンを決めた。特にエースの金子千尋は16日の楽天戦で、7回を自責点ゼロに抑え、自身7連勝となる9勝目を挙げた。

 また17日に「侍ジャパン」の一部メンバーが発表された。金子千尋、前田健太(広島)、嶋基宏(楽天)、坂本勇人(巨人)、中田翔(日本ハム)、糸井嘉男(オリックス)がまず選ばれ、この6名を中心とした代表メンバーで、『日米野球2014』(11月12日〜20日)をMLB選抜相手に戦うこととなる。

 同じく17日、『フレッシュオールスターゲーム2014』が長崎県営野球場(ビッグNスタジアム)で行われ、セ・パの新人巨漢大砲3人が豪快な本塁打で魅了した。

 イースタンリーグ選抜の井上晴哉(ロッテ)が初回に2ランを放つと、同点の8回には勝ち越しとなるソロ本塁打を放ち、見事にMVPを獲得した。

 これに井上を「兄貴」と慕う山川穂高(西武)も発奮したのか、3回に放った2ランを含む2安打3打点の活躍で、優秀選手賞を獲得した。また、ウエスタンリーグ選抜の高卒新人・奥浪鏡(オリックス)も、3回に1軍での先発経験もある浦野博司(日本ハム)から2ランを放ち、優秀選手賞を獲得。

 井上、山川、奥浪の総体重は316kgにもなる。この巨漢トリオが表彰台を独占した。

 『マツダオールスターゲーム2014』は18日に西武ドーム、19日に甲子園球場で行われた。

 第1戦は、12球団最多の8人が出場した広島勢が大活躍。試合前のホームラン競争も制したエルドレッドが1本塁打を含む3安打4打点の大活躍でMVPを獲得した。ほかにも、先発を務めた前田健太は3回を無失点に抑え、自身オールスターゲーム3連勝。さらに初出場の菊池涼介が1打点、同じく初出場の一岡竜司は1/3回を無安打と、広島勢の躍動でセ・リーグがパ・リーグを7−0で破った。

 第2戦でまず魅せたのは、パ・リーグ先発投手の日本ハム・大谷翔平。オールスター史上最速とともに日本球界最速タイとなる162キロを記録し、甲子園の大観衆を湧かせた。

 この試合でMVPを獲得したのは柳田悠岐(ソフトバンク)。バックスクリーン横に飛び込む本塁打を含む4安打に加え、ホームで走者を刺す強肩を見せるなど、攻守両面で大活躍した。柳田などの活躍により、パ・リーグが12得点を奪い、12−6と快勝した。

 対戦結果は1勝1敗となったが、総得失点差で上回ったセ・リーグがドラフトのウエーバー順優先権を獲得した。

 そして、ペナントレース後半戦の新たな楽しみとなりそうなのが、ロッテへの加入が発表された現役キューバ代表のアルフレド・デスパイネだ。24日に来日することが決まり、翌25日に1軍に合流し、現在のコンディションを見極めるようだ。早ければ29日に、ホーム・QVCマリンフィールドで行われる日本ハム戦でデビューするとの見通しも出ている。

▲2013WBCに出場したデスパイネ

 また巨人は、キューバリーグでプレーしていた20歳のエクトル・メンドーサの獲得を発表。年俸は推定500万円で背番号は「94」。190センチの大型右腕で2009年の『16U世界選手権』で最優秀投手を獲得している。さらにキューバ野球連盟と巨人との間で4月に締結された友好協定に基づき、メンドーサとともに投手コーチも1人、来日するという。

 20日にソフトバンクの新垣渚、山中浩史とヤクルトの川島慶三、日高亮の2対2のトレードが発表された。即戦力投手がほしいヤクルトと、松田宣浩のケガで内野手がほしいソフトバンクの意向が一致した。

 21日には、西武がロッテや阪神で活躍し、現在はBCリーグの信濃グランセローズでプレーする小林宏之を獲得することを発表した。

埼玉、宮城で次々に名門が敗退。沖縄尚学が甲子園一番乗りなど
―――高校野球

 各地で激戦が繰り広げられている、夏の風物詩『第96回全国高校野球選手権大会』。

 埼玉大会では、名門校が次々に敗れる「波乱」が起こっている。

 まず9日の開会式直後の開幕戦で、昨秋県大会優勝の花咲徳栄高が創部6年目の山村国際高に1−2で敗れ、初戦敗退。さらに、15日に行われた3回戦では、春季大会優勝により、Aシードに入った浦和学院高が県川口高に1−4で敗れた。昨春センバツ優勝投手・小島和哉が5回4失点で降板すると、打線も2年生左腕・中島史也の前に1得点に終わった。同じくAシードの聖望学園高は立教新座高に1-8の8回コールド負け。また、その立教新座高は、続く4回戦で本庄東高に1−2でサヨナラ負けと、優勝争いは混沌としている。

 また、宮城大会でも、これまで県の高校野球をリードしていた仙台育英高と東北高がともに準決勝へ進めないという2002年以来12年ぶりの事態となっている。今春のセンバツに出場した東陵高も初戦で敗退をしており、宮城大会の4強はすべて仙台市以外の公立校となった。

 沖縄大会では「甲子園出場一番乗り」をかけた決勝戦が行われ、沖縄尚学高が6−1、糸満高に逆転勝ちし、4季連続となる甲子園出場を決めた。

 前述の宮城大会は夏の大会では4度決勝で敗退している利府高と48年ぶりの決勝進出となった佐沼高の対戦となり、利府高が3−2で勝利し、夏は初めての甲子園出場。また、山梨大会では、9回に4点を奪い大逆転した東海大甲府高が9−8で日本航空高を破り、2年ぶり12回目の甲子園出場を決めた。

 千葉大会では拓大紅陵高が4回戦で柏日体高に0-4で敗退。これで同校を甲子園に9回導き、1992年夏には全国準優勝に導いた名将・小枝守監督の最後の夏が終わった。

 NHK甲子園中継の解説者として知られ、中学硬式クラブの名門・枚方ボーイズを指導していた鍛治舍巧氏を新監督に迎えた秀岳館(熊本)は3回戦で東海大星翔高に延長11回の末、1−0で敗れた。

 東東京大会ではドラフト候補右腕・鈴木優を擁する都雪谷が躍進。シードで3回戦からの登場となったが、初戦の城北高戦や次戦の東京実高戦で苦戦を強いられる。だが、ここをなんとか勝ち上がると、20日の5回戦・日大豊山高戦。3回裏に猛打が爆発し、一挙11得点を奪うと、そのまま5回コールド勝ちで駒を進めた。24日に予定されている準々決勝でセンバツに出場した関東一高と対戦する。

▲すでに志望進路を「プロ一本」と明言している都雪谷の鈴木。同校を2003年夏以来の甲子園出場に導けるか[写真・高木遊]


■プロフィール
文=高木遊(たかぎ・ゆう)/1988年、東京都出身。幼い頃よりスポーツ観戦に勤しみ、東洋大学社会学部卒業後、スポーツライターとして活動を開始。昨年は東都大学野球春・秋1部全試合を取材。大学野球を中心に、アイスホッケー、ラグビー、ボクシングなども取材領域とする。高木遊の『熱闘通信』随時更新中(http://www.plus-blog.sportsnavi.com/buaka/)twitter(@you_the_ballad)


【プロ・アマ野球スケジュール】

夏の高校野球日程

7月26、27日の週末にかけて、地方大会の佳境を迎える。
各地区の情報はこちらから!

夏の甲子園は8月9日開幕。

社会人野球日程

第85回都市対抗野球大会@東京ドームが29日まで行われている。

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