今月8日に開幕した第95回全国高校野球選手権大会。
今年は乱れている。ホームランが乱れ飛んでいるのだ。大会第3日には1日に計4本塁打が飛び出すなど、大会第4日の11日まで合計15試合でなんと19本もの本塁打が乱れ飛んでいる。大会記録は2006年の第88回大会の60本。現在のペースで本塁打が量産されると、全48試合終了時には約70本を超える計算になり、今までの記録を大幅に上回ることになるのだ。
さらに、止まるところを知らない今大会の本塁打量産は、多くのメモリアルアーチも生み出している。8月9日の第1試合・聖光学院vs愛工大名電で代打本塁打を放った酒谷遼選手(聖光学院)の一発は、戦後に行われた夏の甲子園通算1300号のメモリアルアーチ。翌10日の第1試合・星稜vs鳴門で松本高徳選手(鳴門)が放った本塁打は夏の甲子園通算1400号、北村拓己(星稜)の一発は春夏通算で「金属バット1700号」となった。
▲酒谷遼(聖光学院)
本塁打量産といえば、記憶に新しいのはNPBの“飛ぶボール”問題。加藤良三コミッショナーの進退問題にも話は発展したが、今夏の甲子園大会でも本塁打が量産されている現象をみると「ひょっとして高校野球でも…」といった疑念もわいてくる。そこで今回の高校野球ジャーナルでは今夏の甲子園本塁打量産問題を取り上げ、その要因とされるボールと金属バット、そして浜風にクローズアップしてみた。今夏の本塁打量産の秘密とは…。