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プロ野球2013・「目立たなかった記録」ランキング〜野手編〜

 ヤクルトのバレンティンがシーズン本塁打記録を更新する60本のアーチを描いた2013年。2000本安打もラミレス、中村紀洋(ともにDeNA)、谷繁元信(中日)、井口資仁(ロッテ)の4人が達成(※井口は日米通算)するなど、野手に関する記録が次々に生まれ、スポーツ紙やニュース番組をおおいに賑わせてくれた。

 その一方で、あまり話題にのぼらなかった記録、もしくは、記録達成した当日は注目されたもののシーズンが終わってみたらすっかり忘れてしまった記録…という残念なものも結構ある。そんな「目立たなかった記録」の中でも、「リーグ新記録」や「史上初」という偉業の数々をピックアップ。皆さん、いま一度、記録とそれを打ち立てた選手たちに拍手を!


史上1位タイとなる25年連続本塁打
――谷繁元信(中日)


 4月7日の対巨人戦で内海から本塁打を放ち、野村克也(南海、ロッテ、西武)の持つ連続シーズン本塁打の最長記録(25年)に並んだ。プレイングマネジャーとして迎える来シーズン、プロ野球新記録を狙うことになる。ちなみに、野村はプロ1年目、2年目に本塁打がなく、初年度からの25年連続はプロ野球史上初。

プロ野球新記録の1イニング7二塁打
――東北楽天ゴールデンイーグルス

 8月4日の対日本ハム戦で記録。5回の攻撃で、銀次&ジョーンズ&マギー&枡田慎太郎&嶋基宏&岡島豪郎&藤田一也の7選手が二塁打をつるべ打ち。なお、4連続二塁打(銀次から枡田まで)はパ・リーグタイ記録、楽天の1試合11二塁打と両チーム1試合13二塁打は日本プロ野球タイ記録と、二塁打記録のオンパレードの試合だった。

パ・リーグ新記録のシーズン62犠打
――今宮健太(ソフトバンク)

 従来のパ・リーグ記録は田中賢介(日本ハム)の58犠打だったが、9月25日の試合でシーズン59個目の犠打を決め、記録更新。最終的に「62」まで記録を伸ばした。明豊高時代、高校通算62本塁打を放った男が、まさか同じ「62」の犠打で歴史に名を刻むことになるとは! なお、プロ野球記録は今年引退した宮本慎也(ヤクルト)の「67」。

野手では史上最長の実働27年
――中嶋聡(日本ハム)

 9月28日、北海道日本ハムファイターズの選手兼コーチ・中嶋聡が対オリックス戦で今季初出場し、野村克也が持っていた「実働26年」を抜き、野手では日本プロ野球史上最長となる実働27年を達成した。なお、投手も含めた最長実働記録は工藤公康(元西武ほか)の「29年」。今年、実働「27年目」だった山本昌(中日)は、50歳となる2年後までプレーを続ければ、この「29年」に並ぶことになる。

連続守備機会無失策のリーグ新記録
――聖澤諒(楽天)

 5月25日の対広島戦で中飛を捕球し、2010年9月22日から続く連続守備機会無失策を「659」とし、小関竜也(元西武ほか)が持っていたパ・リーグ記録を更新した。にもかかわらず、聖澤は今年もゴールデングラブ賞を受賞できず! なお、プロ野球記録は阿部慎之助(巨人)の「1,709」守備機会。


 日本のプロ野球界に限らず、海の向こうにも目を向けると、イチロー(ヤンキース)の「4000試合出場」や、同じくヤンキースのソリアーノ(元広島)が実は日本が起点となり日米通算2000本安打(MLB:通算2045本、NPB:通算2本!)を達成と、まだまだ「目立たなかった記録」は数多い。記録とはすなわち、日本野球の歴史でもあり、貴重な財産だ。来季は、今年以上に細かい記録にも注目してシーズンを追いかけてみてはいかがだろうか。


■ライター・プロフィール
オグマナオト/1977年生まれ、福島県出身。広告会社勤務の後、フリーライターに転身。「エキレビ!」では野球関連本やスポーツ漫画の書評などスポーツネタを中心に執筆中。また「幻冬舎WEBマガジン」で実況アナウンサーへのインタビュー企画を連載するなど、各種媒体にもインタビュー記事を寄稿している。ツイッター/@oguman1977

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