【「野球芸人」アンガールズ・田中卓志さんインタビュー】
《2013年のカープといえば……デニムデー》
どーもー。スマホ芸人になりたてのアンガールズ・田中卓志です。この「週刊野球太郎」はスマホ専用サイトと聞きました。ガラケーからスマホに切り替えてすぐのこの時期にすごい巡り合わせです。まあでも、全然使いこなせてないんですけど。
昨年は、僕的には何も変化のない1年でしたが、周りはいいことだらけでした。相方の山根(良顕)が結婚して、我が広島カープが15年ぶりのAクラス入り。サッカーでもサンフレッチェ広島が大逆転優勝しました。でも、僕にはいいことが起きる気配もなかったなぁ。
『アメトーーク』の「広島カープ芸人」に出させてもらってから、すっかりカープファンと認知してもらえるようになりました。でも、去年1年間での試合観戦は、仕事ではゲスト解説みたいな役割で2、3試合ありましたが、プライベートでは1回しか行けませんでした。その1回が、8月末にあった「デニムユニフォームデー」。張り切ってデニムユニを買ったんですけど、球場を見渡しても1割くらいのお客さんしか着ていなくって、着るのどうしようかなぁ……と。今後も着る機会はなさそうなんですけど。
最近、色んな球団が「限定ユニフォーム」や「復刻ユニフォーム」の企画をやっていますけど、ちょっと乱立しすぎじゃないですか。だから、デニムユニは独創性があって良かったと思ったんですけど、あんまり評判は良くなかったですよね。個人的には、ホントにジーパンでやってるような感じがとても面白かったんですけど。チャレンジング精神がカープらしいじゃないですか。
《前田智徳選手の引退》
2013年のカープといえば、前田智徳選手の引退がありました。前田さんは僕の中で完璧な選手だったし、全球団からカリスマ的な扱いを受けるなんていうのは、今のカープでは前田さんくらい。そういう選手がカープにいるのが誇らしかったんですよね。「前田! 前田!」って他チームから言ってもらえるの、嬉しいじゃないですか。
代打でもまだまだいけたと思うので、もっとやって欲しかったんですけどね。前田さんが代打で出た時の球場の異様なほどの熱気。得点が入ったシーンよりも、「代打、前田」っていうアナウンスが一番ドカーンと盛り上がるんですよ。「前田が試合を決めてくれる」という期待、アドレナリン。実際、決めてくれることが多いんですよ。ライトにキューンと伸びる打球が、常にカープファンの頭の中にイメージとしてあると思います。
あと、打った後に走る際、「ちょちょっ、一塁気をつけて!」ってなっちゃうのもファン心理のひとつです。アキレス腱断裂という、あれほどの大ケガをして2000本安打を達成した前田さん。ケガをしてなければ……というタラレバをつい考えてしまうんですよ。野球界にはそういうのが結構ありますけど、前田さんは特に考えてしまう選手ですよね。
でも、あのケガが無ければカープから出て行ったのかもなぁ、とかも考えますし、やっぱりいろんな運命があって、カープで24年間やってくれたっていうのが誇らしいです。ひとつの球団で、ましてやカープで24年なんて、今ならFAもあるしなかなか現実味がないですから。
《今後の前田さんに期待したいこと》
前田さん、日本シリーズで解説者デビューをしてましたね。他球団のファンから「前田さんってすげー喋るんだね」って言われるんですよ。でも、カープファンにとっては、前田さんがよく喋るのは当たり前。お正月に、広島ローカルのゴルフ番組でメッチャ喋ってますから。そしてよくボケるし。ファン感謝デーでも凄くおちゃらけてますよ。その辺の一面が解説で出てきて「前田さん、解説もいいね」となってくれると、また誇らしいですね。
本当は達川さんみたいに、広島弁だったらもっと喋れると思うんですよ。自分も上京したての頃に経験がありますけど、一度標準語に直す、という作業が結構時間がかかるんです。それが慣れて来た頃に、前田さんの良さが出てくると思います。前田さんがどんな視点で野球を見ているのかも含めて、今年は前田さんの解説に期待したいと思います。