接戦続きのセンバツの優勝校はどこに!?NPB、MLB開幕で活躍するルーキーに注目!そして早くもトレードも
『今週の野球みどころランキング』は、3月下旬〜4月上旬に注目度の高まっている野球関連の話題について紹介していきます。
最後には今後の簡単な野球界のスケジュールを添えていますので、重要事項はチェックしてください!
シニア・ボーイズの春季全国大会速報
―――中学硬式野球
リトルシニアの春季全国大会『第20回日本リトルシニア全国選抜野球大会』が3月26日から大阪府・舞洲ベースボールスタジアムを中心に開催されている。
4月1日に行われる決勝戦は、武蔵府中リトルシニアvs京都木津川リトルシニアの組みあわせとなっている。
ボーイズリーグの春季全国大会『第44回日本少年野球春季全国大会』が3月26日〜29日に東京都・大田スタジアムを中心に行われた。決勝戦の組み合わせは8年ぶりの優勝を目指す東海ボーイズと創設6年目で初優勝を狙う糸島ボーイズとなった。
試合は東海ボーイズが序盤に相手投手の四球や失策をきっかけに4得点を奪う。一方、糸島ボーイズも終盤に粘りを見せて、最終7回には1点差に迫り、2死満塁までこぎつける。だが最後は東海ボーイズの2番手・尾野将太投手(新2年)が4番打者を内野フライに抑え、ゲームセット。東海ボーイズが8年ぶり2度目の優勝を手にした。
優勝した東海ボーイズ[撮影:高木遊]
※両大会の模様は『中学野球太郎vol.4』(5月下旬発売予定)で詳しくレポートいたします!
大学野球開幕! 東都大学野球は4月7日に開幕
―――大学野球
3月29日より静岡学生リーグ、三重学生リーグ(ともに東海地区連盟)、京滋大学リーグの各1部リーグが開幕。京滋大学リーグでは京都学園大が京都教育大に7-0(7回コールド)と快勝し5連覇に向け好発進した。
4月5日には神奈川大学リーグ、関甲新学生リーグ、関西学生リーグなどが開幕する。
また、7日には東都大学リーグが開幕。開幕戦は6連覇を目指す亜細亜大と2010年の甲子園春夏連覇左腕・島袋洋奨投手擁する中央大が激突する見逃せない好カードからの幕開けとなる(もう1つの開幕カードは拓殖大vs駒澤大)。
※東都大学野球を語り尽くすイベント『第五回TOHKEN(東都大学リーグ野球観戦研究会)』は4月4日(金)19時〜神宮第三球場(東京・千駄ヶ谷、ナックルボールスタジアム事務所)にて開催。詳細やお申し込みはコチラ⇒https://www.facebook.com/events/136864489815820/
JABA静岡大会が4月2日開幕。京都大会では新設・カナフレックスは公式戦初陣を飾る
―――社会人野球
『第69回JABA東京スポニチ大会』(優勝はJFE東日本)に続き、社会人野球日本選手権対象大会(優勝チームには今秋行われる日本選手権の出場権が与えられる)である『第61回JABA静岡大会』が4月2日〜6日、浜松球場と静岡草薙球場で開催される予定だ。
出場チームは、まず地元の東海地区からヤマハ、JR東海、三菱重工名古屋、王子、東海理化、新日鐵住金東海REX、ジェイプロジェクト、永和商事ウイングの8チーム。そして東北地区からJR東日本東北、北信越地区からバイタルネット、近畿地区から日本新薬、九州地区から三菱重工長崎、関東地区からはスポニチ大会覇者のJFE東日本、昨年の都市対抗覇者のJX-ENEOSと準優勝のJR東日本、鷺宮製作所が出場する。
また、滋賀県に新設された企業チーム・カナフレックスが、創設後初めての公式戦となる『社会人野球京都府春季大会』に出場した。
1回戦でクラブチームの京都城陽ファイアーバーズに9-2の7回コールドで記念すべき初勝利を飾った。続く2回戦では昨年の都市対抗にも出場した強豪・ニチダイに、健闘したものの5-7で敗れ、初の公式戦を終えた。なお同大会は日本新薬が優勝した。
カナフレックス初代主将を任された北條貴之(大学時代)。拓殖大時代に主将として創部初の1部昇格に導いた。[撮影:松井智子]
ダルビッシュは開幕回避決定、田中将大は調整万全、松坂は開幕メジャー掴めず
―――MLB
MLBでは自身初となる開幕投手に当確していたダルビッシュ有だが、レンジャーズ首脳陣は開幕戦の対フィリーズ戦の登板回避を発表した。理由は“首の張り”とのこと。寝違えによる首の痛みが引かないようだ。精密検査を受けることになっており、故障者リスト入りも示唆している。
ヤンキースの田中将大は3月28日のマーリンズ戦にオープン戦最終登板。4回から2番手で登板し、6回を投げ3安打無失点10奪三振で勝利投手となった。また、この試合で先発した黒田博樹も3回3安打無失点4奪三振と好投。
田中は4月4日のブルージェイズ戦、黒田は2日のアストロズ戦に先発する予定が内定している。
メッツの松坂大輔はオープン戦最終登板となるブルージェイズ戦で5回を投げ5安打無失点8奪三振と好投。だが、首脳陣は同じく先発5番手を争っていた24歳右腕のヘンリー・メヒアのメジャー昇格を発表、松坂大輔投手にマイナー行きを通告した。
これで松坂ら“メジャーキャンプ招待選手”となっていた日本人選手6人全員(建山義紀[ヤンキース]、大家友和[ブルージェイズ、自由契約]、川?宗則[ブルージェイズ]、和田毅[カブス]、田中賢介内[レンジャーズ])がメジャーで開幕を迎えることはできなくなった。
※時間はすべてアメリカ現地時間
センバツは延長戦、再試合、ドラフト候補選手対決などを経て、いよいよクライマックス
―――高校野球
“1回戦屈指の好カード”と称されていた大会4日目の智辯和歌山高vs明徳義塾高の対決は、予想に違わぬ試合展開となった。
相手のミスでともに1点を奪った両校だったが、その後は得点を奪えず膠着状態に。ついには延長戦に突入し、12回には1点を互いが取り合う攻防もあった中、延長最終回15回に。15回裏に明徳義塾高が一死満塁のチャンスを作ると、最後は智辯和歌山高・東妻勇輔が暴投。明徳義塾高がサヨナラ勝ちを決めた。
まさかの幕切れとはなったが、歴代最多の甲子園通算63勝の高島仁監督(智辯和歌山高)と歴代5位の甲子園通算42勝の馬淵史郎監督の対決は見応え十分だった。また戦前から注目された明徳義塾高のエース・岸潤一郎は、15回を完投。こちらも“好投手”の期待に違わぬ粘りの投球だった。
大会は2回戦へ進み、ベスト8を懸け、さらなる激闘が繰り広げられた。まずは何といっても、3月29日に行われた桐生第一高vs広島新庄高の2回戦。
延長戦では両者勝ち越しのチャンスを作りながらも桐生第一高・山田知輝と広島新庄高・山岡就也を中心に守備陣がよく守り、延長15回引き分け再試合となった。
その再試合は翌30日の15時から行われ、桐生第一高・山田が完封。打線も広島新庄高・山岡から4点を奪い快勝。準々決勝に駒を進めた。
“ドラフト候補”対決で注目を浴びたのは、 28日の2回戦で相まみえた佐野日大高・田嶋大樹vs智辯学園高・岡本和真。試合は延長10回の熱戦の末、5−4で佐野日大高がサヨナラ勝ち。田嶋は10回157球を投げ抜き、8安打4失点9奪三振の内容。一方、1回戦で2本塁打を放った岡本は、田嶋の前に4打数1安打2三振に終わった。
また27年ぶりの出場で注目を集めた古豪・池田高は2回戦で豊川高と対戦。豊川高のエース・田中空良(たなか・そら)の前に5安打1得点に抑え込まれ、1−4で敗退。27年ぶりの春は2回戦敗退で終わったが、次は22年ぶりの夏の甲子園出場を狙う。
大会は4月1日に準決勝、2日に決勝戦が予定されている。(※当初準々決勝翌日に設定されていた「休養日」は撤廃となった)
ヤクルトの新人・西浦が鮮烈デビュー
―――NPB
3月28日、待ちに待ったセ・パ両リーグのペナントレースが開幕した。
まず鮮烈にデビューを果たしたのは、ヤクルトの新人・西浦直亨。法政大からドラフト2位で入団し、見事に開幕スタメンを掴んだ西浦は、第1打席に法政大の1年先輩であるDeNA・三嶋一輝投の初球を叩くと打球はそのままレフトスタンドへ。いきなり3ランデビューとなった。
開幕戦で「初打席初球本塁打」は、新人以外も含めプロ野球史上初めて。開幕戦で新人が初打席本塁打するのはセでは初、パでは1950(昭和25)年に毎日の戸倉勝城が記録している。
また新人では亜細亜大からドラフト2位で広島に入団した九里亜蓮が、29日の中日戦で先発し6回5安打1失点で初勝利。新人投手の白星一番乗りとなった。
パ・リーグで好調なスタートを切ったのは楽天とソフトバンク。
2年連続の開幕投手を務めた楽天・則本昂大が、開幕戦となった西武戦で自身プロ初となる完投勝利でチームに勢いをもたらすと、2戦目には塩見貴洋が631日ぶりの白星、そして3戦目は打線が13安打7得点を挙げ開幕3連勝。エース・田中将大のメジャー移籍で不安も囁かれたが好調な滑り出しとなった。
ソフトバンクはロッテ相手に、11-5、5-2、3−2と開幕3連勝。3戦目には岡島秀樹が日本では8年ぶりとなる白星を挙げた。これでソフトバンクはオープン戦も含めると、「16連勝」となった。
開幕直後の3月31日に早くも交換トレードが発表された。交換トレードとなったのは日本ハム・今浪隆博と、ヤクルト・増渕竜義。川島慶三のケガなどで内野手が手薄になっているヤクルトと、右投手の中継ぎ不足が懸念される日本ハムの思惑が一致し、合意に至ったようだ。
増渕は自身のTwitterで「ヤクルトの球団関係者、裏方さん、先輩、後輩と本当に良い人ばかりで僕はヤクルトにいれて本当に良かったと思いました。写真や寄書きまで先輩や後輩に頂いて僕は幸せ者だなと思いました。昔からヤクルトが好きですがチームが変わっても僕は、ずっとヤクルトが大好きです」と感謝の気持ちを述べた。
■プロフィール
文=高木遊(たかぎ・ゆう)/1988年、東京都出身。幼い頃よりスポーツ観戦に勤しみ、東洋大学社会学部卒業後、スポーツライターとして活動を開始。昨年は東都大学野球春・秋1部全試合を取材。大学野球を中心に、アイスホッケー、ラグビー、ボクシングなども取材領域とする。高木遊の
『熱闘通信』随時更新中(http://www.plus-blog.sportsnavi.com/buaka/)
twitter(@you_the_ballad)
【春のプロ・アマ野球スケジュール】
4月2日 センバツ・決勝戦
一部開幕〜 春季高校野球県大会
一部開幕〜 春季大学野球リーグ戦開幕
※関西圏の大学リーグは4月5日
関東圏の大学リーグは4月7日〜12日の週の開幕が多い(例外あり)
4月2日〜5日間 JABA静岡大会
4月4日〜5日間 JABA四国大会
5月20日〜6月22日 セ・パ交流戦
6月10日〜6日間 全日本大学野球選手権
7月18日〜12日間 都市対抗野球