大物ルーキーの活躍に、メジャーリーガーの加入で活気漲るキャンプに！

2014/2/11

『今週の野球みどころランキング』は、2月前半に注目度の高まっている野球関連の話題について紹介していきます。
　最後には今後の簡単な野球界のスケジュールを添えていますので、重要事項はチェックしておいてください！

―――社会人野球

　社会人野球シーズンの幕開けを告げるJABA東京スポニチ大会（3月11日から4日間）の組み合わせが以下のように発表された。

Aブロック…東京ガス、JFE東日本、Honda鈴鹿、大阪ガス
Bブロック…NTT東日本、日本通運、日立製作所、日本新薬
Cブロック…セガサミー、東芝、新日鐵住金かずさマジック、三菱自動車岡崎
Dブロック…明治安田生命、JX-ENEOS、日本製紙石巻、JR九州

　予選リーグは11日から3日間、大田スタジアム、横浜スタジアム、岩槻川通公園野球場の3会場で行なわれ、14日に準決勝・決勝を大田スタジアムで行う予定。

　昨秋、侍ジャパンに選出された高木伴投手（NTT東日本）ら今秋のドラフト注目選手や、昨夏の甲子園で瀬戸内高のエースとして活躍した山岡泰輔投手（東京ガス）ら注目新人の「社会人デビュー」が予想されている。

　また、「ミスター・ロッテ」初芝清監督（セガサミー）の“監督デビュー戦”でもあるなど、例年に増して注目度の高い大会となりそうだ。

　なお、今大会の優勝チームには秋に開催される日本選手権の出場権が与えられる。

―――大学野球

　全日本大学野球連盟の「冬季特別トレーニング」が6日と7日に、ジャイアンツ球場の室内練習場で行われ、42校114人が参加した。

　コーチ陣は元巨人の篠塚和典、鹿取義隆両氏ら5人。中でも鹿取コーチは、明治大の後輩・山?福也投手の素質を高く評価し、「プロでもすぐに勝てる」と太鼓判を押した。


　この「冬季特別トレーニング」は今年で4回目を迎え、西日本では2月12日に阪神タイガース新室内練習場で行なわれる予定となっている。

　東京六大学リーグ・慶應義塾大は2月1日に全体練習を開始したが、昨年12月に助監督から監督に昇格し就任したばかりの竹内秀夫監督がすい臓疾患により入院。チームは異例の“指揮官不在”でのスタートとなった。竹内監督は今月中旬にも手術を受け、復帰を目指している。

　東都大学リーグ・専修大は斎藤正直新監督の就任を発表。
　専修大は一昨年秋に入替戦で1部に昇格しながらも、昨春にわずか1季で降格。再起を期した秋季も5位に沈んでいた。

　斎藤監督は秋田高から専修大を経て、1983年から川崎製鉄千葉（現JFE東日本）でプレーし、1994年から監督に就任。監督退任後の1998年からは日本野球連盟競技力向上委員などを務めていた。

―――MLB

　田中将大（ヤンキース）が渡米するため、8日に仙台で行っていた自主トレを切り上げた。「行ってみないとわからないので、特に気持ちの高ぶりは無いです」と話した田中は、その後、まい夫人とスタッフと共に新幹線で東京に移動。だがここで大雪の影響で、車両に不具合が出るなど新幹線は大宮駅でストップ。その後上越新幹線に乗り換えるも、大宮〜東京間の約30分をデッキで立ったままという異例の移動となった。

　さらに翌日は、都内から成田空港まで約8時間半もかかるなど45年ぶりの大雪に振り回される日本生活の最後だったが、挑戦の時はもう間もなく始まろうとしている。

　一方、昨年までヤンキースでプレーしていた“Aロッド”ことアレックス・ロドリゲス内野手（所属はヤンキースのまま）が現地時間7日、MLB（大リーグ機構）に処分の破棄を求めていた訴訟を取り下げた。これにより今季全試合の出場停止が決定。また、MLB選手会に「選手の権利を守る義務を怠った」として起こしていた訴訟も取り下げた。

　薬物規定違反で、昨年8月にMLBから211試合の出場停止処分を科されていたAロッドは、異議を申し立て昨年の残り試合に出場。MLB側と徹底抗戦する構えも見せていたが、この取り下げにより全面降伏となった。

―――NPB

　キャンプがスタートして、まもなく2週間。やはり話題となることが多いのは、ルーキーと新外国人の選手たち。

　楽天の松井裕樹はブルペン入りし早くも首脳陣・評論家の評価を高めている。また佐藤義則投手コーチから「3つの修正ポイント」も指摘された。

「真っすぐ立ったときに左のかかとが捕手の方に向いている」
「右肩の開きが早い」
「体が反ってしまっている」

　の3点。ダルビッシュ有（レンジャーズ）など多くの好投手を育てた名伯楽の手でどのような進化を遂げるのか楽しみだ。

　下位指名選手ではロッテの井上晴哉が規格外のパワーで猛アピール中。その風貌が女子プロレスラーのアジャ・コングに似ていることから通称「アジャ」と呼ばれる巨漢新人は、入寮時から「寮のベッドに体が収まりきらない」など話題をさらってきたが、キャンプではそのパワーを披露。

　7日には打撃投手を務めた2008年のドラフト1位左腕・木村優太から9打数8安打、本塁打を1本を含む長打性の当たりを連発。また居残り特打では、200スイングでなんと68本の柵越えを記録。伊東勤監督も「あれは外国人だな」と驚きを隠せず、クリーンアップでの起用も示唆した。

―――NPB

　外国人選手では今年も楽天に大物が加入。7日に来日したケビン・ユーキリスは8日にチームの沖縄・久米島キャンプに合流。メジャー通算150本塁打、2007年にはレッドソックスの世界一にも貢献したユーキリスに対し、球団もVIP待遇でお出迎え。

　チームの規則でひげをたくわえることは厳禁だが、球団史上初めて許可された。一方でユーキリスは「ヒットを打たなければ剃るよ」と謙虚さも持ち合わせ、昨年のマギー（現マーリンズ）並みもしくはそれ以上の活躍をどうしても期待してしまう。

　オリックスではユニエスキー・ベタンコートが、キャンプ直前の1月29日に獲得が発表され加入。メジャー通算1156試合で80本塁打、457打点、打率.261を残した遊撃を守る右の強打者で、昨年はブルワーズで137試合に出場した現役バリバリのメジャーリーガーだ。近年、成績が降下してきているのは気がかりだが、森脇浩司監督は「（ソフトバンクから移籍の）ペーニャとの4番争い」もしくは「遊撃手として起用し超攻撃型の打線構築」などの青写真を描いており、その期待の高さから背番号も「1」に決定した。

―――NPB

　巨人、ヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏が2月1日〜13日の約2週間で巨人の「臨時コーチ」に就任。多くのメディアとファンの注目を一身に集めた。初日から1万6500人のファンが詰めかけ、242人もの報道陣が集まるなど初日からヒートアップ。

　松井臨時コーチの人気は変わらぬようで、松井臨時コーチもサインに快く応じるなど観客も大満足。

　コーチとしても初日から、背番号「55」の後継者だった（今年から背番号「44」）大田泰示や、松井臨時コーチと同じく右投左打で将来の主軸候補でもある辻東倫の2人などを熱心に指導。

　また4日には、昨年13勝を挙げた菅野智之のブルペンでの投球で打席に入り、投球を見つめ、その気持ちに応えるかのように菅野も内角を攻め、松井さんをのけぞらせた。「打撃投手」としても精力的に動き、キャンプインから4連投、422球のフル回転を見せている。

　9日には阿部慎之助を相手にフリー打撃を敢行。4スイング目に両翼100メートルのサンマリンスタジアムのライト席にたたき込み勢いに乗ると、計22スイング中5本のスタンドイン。ファンからは「まだやれるぞ！」などの歓声が送られた。

　このように巨人キャンプが、松井臨時コーチの話題で事欠かなかった一方で、この余波を受けたのが同じ宮崎市内でキャンプをしているソフトバンク。キャンプ初日となった1日の観衆は約1万2000人。前年の第1土曜日の1万8500人と比べ大幅に減ってしまった。例年12球団一の観客数を誇るソフトバンクのキャンプだが、さすがに「ゴジラ」の前では分が悪かったようだ。


■プロフィール
文＝高木遊（たかぎ・ゆう）／1988年、東京都出身。幼い頃よりスポーツ観戦に勤しみ、東洋大学社会学部卒業後、スポーツライターとして活動を開始。昨年は東都大学野球春・秋1部全試合を取材。大学野球を中心に、アイスホッケー、ラグビー、ボクシングなども取材領域とする。高木遊の『熱闘通信』随時更新中（http://www.plus-blog.sportsnavi.com/buaka/）twitter（@you_the_ballad）




北海道（1）…駒大苫小牧
東北（2）…八戸学院光星、東陵

関東（5）…白鴎大足利、桐生第一、山梨学院大付、佐野日大、横浜
東京（1）…関東一

北信越（2）…日本文理、東海大三
東海（2）…三重、豊川
近畿（6）…龍谷大平安、智辯和歌山、履正社、報徳学園、福知山成美、智辯学園

中国（2）…岩国、広島新庄
四国（3）…今治西、池田、明徳義塾

九州（5）…沖縄尚学、美里工、鎮西、神村学園、創成館
21世紀枠（3）…都小山台（東京）、海南（和歌山）、大島（鹿児島）

【春のプロ・アマ野球スケジュール】

2月16日〜3月23日　オープン戦
3月10日〜4日間　JABA東京スポニチ大会
※この大会を皮切りに各地方で社会人野球の大会が開催される
※JABA＝Japan Amatetur Baseball Association

3月14日　選抜高校野球組み合わせ抽選会
3月15日　イースタン・リーグ開幕

3月21日　センバツ高校野球開幕・ウエスタンリーグ開幕
3月22日　MLB開幕（オーストラリアで開幕、アメリカ本土では3月30日から試合を行う）

3月24日　セリーグ6球団合同「ファンミーティング」@東京ビッグサイト
3月28日　セ・パ両リーグ開幕戦

3月下旬〜　春季高校野球県大会
4月上旬〜　春季大学野球リーグ戦開幕