金本知憲監督(阪神)の決断に揺れたドラフト。大山悠輔(白鴎大)1位指名の意図、そして運命……
「第1巡選択希望選手、阪神、大山悠輔、内野手、白鴎大学」
その瞬間、会場はどよめいた。
このどよめきは、ドラフトを見ていた多くの人たちの思いを象徴するものだった。
「佐々木千隼(桜美林大)ではないのか?」「どうして投手豊作年に野手?」「外れ1位か、あわよくば2位でもいけたはず」……。
翌日のメディアにも、大山悠輔(白鴎大)のサプライズ指名を疑問視するフレーズが並んだ。
確かにドラフト前日までは、佐々木の1位指名でいくはずだった。しかし前日の深夜、金本知憲監督は、大山のビデオをホテルで見て1位指名を決断、当日の昼にスカウト、球団社長、オーナーを説得し了解を得たという。
なぜ金本監督は一夜にして大山にして惚れこんだのだろうか?