【東京地区・投手編】シーズン前はこんな評価でしたが、2カ月経った後のドラフト候補たちはどう見えますか?
白村 明弘 ハクムラ・アキヒロ
慶應義塾〜慶應義塾大(東京六大学リーグ)
投手/187cm84kg/右投左打
■今春の成長ポイント
3季連続の奮投で体調完全復活の証明を
■コメント
高校時からの腰痛などで実戦復帰が遅れていたが、昨秋は2日連続先発の2日目に、明治大を7回を8連続を含む13奪三振無失点をマーク。復調の手応えを感じさせた。迎えるこの春、そして秋。合わせて3シーズンの奮戦ぶりに注目したい。秋は、間違いなく、学生球界でいちばんいいボールを投げていた。
九里 亜蓮 クリ・アレン
岡山理大付〜亜細亜大(東都大学リーグ)
投手/186cm82kg/右投右打
■今春の成長ポイント
東浜巨(ソフトバンク)卒業でも、昨秋の投球が可能か
■コメント
昨秋は東浜巨との2枚看板として26イニング無失点をマークするなど、東浜同様の安定感が光った。145キロに及ぶ速球とチェンジアップを基本にした投球で、時には果敢に胸元を突く強気の投球。大看板プロ入りで今季はエースに。どうしたって比べられる。凌駕は至難のワザだ。プレッシャーに負けない投球が披露したい。
能間 隆彰 ノウマ・タカアキ
桐蔭学園〜東洋大(東都大学リーグ)
投手/181cm85kg/左投左打
■今春の成長ポイント
<痛み>と付き合いながらエースを全う
■コメント
故障がちな2年半だったが、昨秋から本格投球を開始。投球のほとんどをスライダー、カットボールで攻める異色の左腕。変化点が打者に近いスライダーは三振が奪える変化量だ。タテのスライダーに、右打者のヒザ元をすべりながら襲う横のスライダーは、日常的に捕球している捕手も戸惑うほど。投手陣の軸として1部即復帰を狙う。
杉浦 稔大 スギウラ・トシヒロ
帯広大谷〜國學院大(東都大学リーグ)
投手/188cm82kg/右投右打
■今春の成長ポイント
投げ損じ、勝ち損じの解消
■コメント
スライダー、カーブ、フォークにチェンジアップ、多彩な変化球を速球と同じ腕の振りで投げられ、80%狙った低めゾーンに投げられる。プロなら前田健太(広島)、吉見一起(中日)タイプか。その時の状況を客観的に把握して知らせる、もう一人の自分がいる。昨秋は140キロ後半に達し、2試合連続完封で高い実戦力も証明。
浦野 博司 ウラノ・ヒロシ
浜松工〜愛知学院大〜セガサミー(24歳)
投手/178cm70kg/右投右打
■今春の成長ポイント
バックのミスで失点しない盤石性
■コメント
ここ一番の大勝負、いったんスイッチが入った時の人が変わったような気迫の投球は愛知学院大当時から定評があった。セガサミー入社後も、抜群の実戦力を武器にトーナメントの一発勝負の中で、さらに心身にパワーアップさせた。球速帯140〜146キロの速球に高速スライダーとフォーク。少々神経質な面が<鈍感力>にすり変わると。
吉田 一将 ヨシダ・カズマサ
青森山田〜日本大〜JR東日本(24歳)
投手/191cm90kg/右投左打
■今春の成長ポイント
敏捷、正確な送りバント処理
■コメント
1年目の昨季からエース格としてフル回転の働き。都市対抗、日本選手権はいずれも準V、都市対抗では久慈賞、若獅子賞の名誉あるタイトルを獲得。長身社会人オーバーハンドに腕の角度を上げ、140キロ前半の速球、スライダー、シュート、フォークを両サイド低めに集める安心熱投。緩慢に見える守備ワークは長身のせいもあるのだが。