2014春・東都大学リーグ順位予想と注目選手紹介!『第5回TOHKEN〜東都大学リーグ野球観戦研究会』ダイジェスト
プロ野球や高校野球と比べると、なかなか大きく取り上げらない大学野球。しかし、毎年即戦力選手を輩出するレベルの高さに加え、選手を近くで見られる、という魅力があります。そんな大学野球をもっと知ってもらおう、またドラフト候補選手の最新情報を伝えていこう、と新コーナーが始まりました。
これを担当するのは、東洋大や亜細亜大などが所属する東都大学リーグを研究する『野球太郎』主催のイベント「TOHKEN〜東都大学リーグ野球観戦研究会」に出演しているライターの山田沙希子さんと高木遊さんです。
第2回となる今回はさる4月4日に行われた『第5回TOHKEN〜東都大学リーグ野球観戦研究会』の模様の一部をお伝えいたします。
◎レギュラー出演者
菊地選手(『野球部あるある』著者・『野球太郎』副編集長)
山田沙希子(東都大学野球命!の女性ライター)
高木遊(東都ウォッチャー・ライター)
◎ゲスト
児玉貴文[元駒澤大]
日和山薫[元青山学院大](ともに現東京メッツ)
毎回恒例となっている高木・山田両氏による東都大学リーグの春季リーグの順位予想からイベントは始まった。
優勝予想は、高木氏が國學院大、山田氏が駒澤大を挙げた。
國學院大はエースの杉浦稔大(ヤクルト)と、その杉浦を支えるような存在だった柿田竜吾(JR東海)が卒業したが、打力は去年以上にあるとのこと。オープン戦の試合内容もよく、総合力で見れば今年のほうが上であるようだ。
昨秋は最下位に終わった駒澤大の優勝予想は意外だったが、山田氏の分析によると、最下位で入替戦を戦うことになってしまったことが、結果的にその経験、勝ったことが精神面の大きな成長につながったようだ。それに加えて、今永昇太はそう簡単に打たれない投球をするだろうし、打撃面ではプロ注目の江越大賀、主将の福山亮と中心になる選手が、性格的にもしっかりしているとのこと。この2チームの戦いぶりに注目したい。
戦後史上初の6連覇を目指す亜細亜大は両氏ともに2位と予想。正捕手だった嶺井博希(DeNA)、さらに中村篤人(NTT西日本)と中村毅(Honda鈴鹿)と打線を支えていた選手たちが卒業した穴は大きいが、それでもプロ注目のエース・山?康晃を中心に“なんだかんだで最後に勝つのでは?”と感じさせる強さや試合運びで2位に入りそうとのこと。東都を見続けている両氏の意見を聞いていると、やはり亜細亜大は強そうだ。
3位以下の予想順位は以下の通り。
東都大学リーグで一番怖いのは入替戦。1部2部の実力差がわずかで、入れ替わりも頻繁に起こっている。それだけに、現在5連覇中の亜細亜大でさえ、「(最下位回避ラインとなる)勝ち点2が今季の目標です」と話すことが、毎シーズン前の監督・選手たちの口癖になっている。
そんな王者でさえも恐怖を抱く東都大学野球2部リーグの優勝予想は、両氏ともに東洋大と予想。
「打ち勝つ力がある。特に笹川晃平は期待大。昨年の1年生の時から活躍していても“僕は1部で活躍するためにここに来た”と話すなど意識が高い選手です」(山田氏)
「選手個々の素材が“2部リーグ”ではないです。今年入った飯田晴海(常総学院卒)、原澤健人(前橋工卒)、古田塁(天理卒)の1年生3人は即戦力で、4年生の阿部良亮(浦和学院)も新フォームで良くなっています」(高木氏)
▲東洋大・笹川晃平[写真:高木遊]
そろそろ東洋大の1部復帰も近そうだ。1人の観客としては、両氏が1部で6位予想した青山学院大と東洋大の入替戦が楽しみになってきた。
また高木氏は、日本大のエース・戸根千明のギラギラとした武闘派なピッチングや打撃指導に定評のある斎藤正直新監督が就任した専修大を“不気味な存在”と考えている。ぜひ注目してほしい。今年は神宮第二球場を使わず、各大学のグラウンドで試合を行う2部の試合も楽しみだ。
続いて両氏推薦の注目選手紹介。
山田氏は中央大の弱点だったショートで活躍する羽山弘起(中央大)を挙げた。安定した守備だけではなく、声で引っ張る姿も印象的で、昨秋はバッティングも開花。見るべきポイントが多い選手であるようだ。
▲中央大・羽山弘起[写真:高木遊]
また、高木氏はこれまで公式戦登板が無い平部隆投手(国学院大)を紹介。しかし、大穴でドラフト指名の可能性さえもある存在であるようだ。……すると甲子園とは異なり、最後列で観覧していたラガーさんが話題にカットイン。
「あー、千葉商大付にいた時、秋の関東大会で観たよ。あと1歩でセンバツだったんだけどねえ」
脅威の記憶力で出演者陣と観覧者を驚かせた。
その他には「土日開催、各校グラウンドによるホーム&ビジター制」に移行された東都2部はどうなってしまうのか!? という懸念や、2部球場周辺のグルメスポット&見どころスポットなどを両氏が紹介。
後半は、クラブチーム・東京メッツからお越しいただいた児玉貴文さん(元駒澤大/武田久[日本ハム]と同期)、日和山薫さん(元青山学院大/福島由登[Honda]と同期)に、自身の東都での経験談(推薦組と一般組の関係、厳しい上下関係、名物監督の挙動、東都ならではの処世術など)やクラブチームの現状などをお話いただいた。
(残念ながら、ここでは詳細を書くことができないので、次回はぜひイベントにお越しください!)
観覧者はもちろん、私たち出演陣も、ゲスト2人のお話に、時間を忘れるくらい。そして、その熱気はゲスト2人も参加した延長戦(懇親会)まで続いていった。
今回の開催告知が遅れたことをお詫び申し上げます。
次回は、早めの告知をして、さらなる内容の充実を図るとともに、今回同様“東都を語る”ゲストをお呼びしますので、ぜひ『第6回TOHKEN〜東都大学リーグ野球観戦研究会』を楽しみにお待ちいただければと思います!
次回以降は山田沙希子さんと高木遊さんが隔週で担当し、東都大学リーグを中心に気になった「あの選手」、「あの監督」、「あの出来事」などを紹介していきます。
どうぞお楽しみに!