キャンプ終盤! この時期だからこそ、応援したいベテラン勢〜パ・リーグ編〜
21日にはオープン戦が開幕したプロ野球キャンプ。楽天、西武、ロッテはすでにキャンプを打ち上げており、他チームとも仕上げ段階に入ってきている。
この時期、ようやくスポーツ紙などに登場するのが、各球団のベテラン選手たち。マイペースでの調整を任されている彼らは、キャンプ終盤になってジワジワとその存在感を発揮しはじめる。今回はそんなベテラン選手たちを、ランキング形式で紹介しよう。
松中信彦
――福岡ソフトバンクホークス
オープン戦が開幕した21日の朝、松中信彦の名前が久しぶりに各スポーツ紙を賑わせた。とはいえ、9年ぶりの日本球界復帰で注目を集める松坂大輔のフリー打撃の登板相手として登場。かつては「平成の名勝負」と謳われた2人の対峙を懐かしく感じるパ・リーグファンも多いはずだ。
今季でプロ19年目、42歳になる松中の近況は苦しい。昨季は33試合に出場して3安打しか打てず、打率は.111と、現役唯一の三冠王にしては寂しすぎる成績だった。
フリー打撃対決では、松坂の引き立て役になってしまった松中。シーズン中には、松坂に勝利をプレゼントするような一撃を見せて、そのプライドを復権してほしい。
西口文也
――埼玉西武ライオンズ
復権といえば、2年連続「0勝」に終わった西武のベテラン・西口文也も応援したい選手だ。
プロ20年目の昨季は、リリーフでわずか8試合登板して0勝0敗、防御率4.91に終わった西口。念願の200勝までは「残り18勝」のまま、足踏み状態が続いている。
キャンプ初日に、エースの岸孝之が背中を痛めた西武投手陣。強力な打撃陣と比べると、投手力の弱さは明らかで、西口のようなベテランの力が、間違いなく必要になるだろう。
谷佳知
――オリックス・バファローズ
200勝達成を目指す西口と同じく、名球会入りをかけて今季に臨むのが、2000安打まで残り77本に迫っている谷佳知だ。
今キャンプはベテランらしく、B組(2軍・宮古島)からスタート。昨季は8年ぶりに古巣オリックスに復帰した谷は、わずか出場9試合で2安打に終わった。昨季はキャンプで左足甲を痛めてしまった谷。今キャンプではケガに充分注意して、もうひと花咲かせてほしい。
中嶋聡
――北海道日本ハムファイターズ
ベテランといえば、忘れてならないのが日本ハムの中嶋聡だ。今季も捕手兼任バッテリーコーチという肩書きの通り、現役選手として試合に出場するはず。1987年に阪急ブレーブス(現オリックス)に入団。1年目から1軍出場を果たしており、現在、野手では最長の実働28年。今季出場すれば、実働29年で日本記録に並ぶ。
今キャンプでもブルペンで増井浩俊の球を受けるなど、いつ試合に出場しても平気なように、準備を整えている中嶋。今季50歳になる山本昌(中日)に次いで、2番目に高齢の46歳になる中嶋にも要注目だ。
松井稼頭央
――東北楽天ゴールデンイーグルス
ベテランながら、新たな挑戦に臨む選手もいる。今年で40歳になる松井稼頭央は今季から正式に外野手として登録。キャンプでは連日、外野守備の練習に汗を流している。
昨季は日米通算2500安打を達成し、日本通算2000安打に残り80安打と迫っている松井。過去には、遊撃手として4度もゴールデングラブ賞を受賞した名手の新たな挑戦を応援したい。
古谷拓哉
――千葉ロッテマリーンズ
最後は意外なベテランを紹介しよう。今季プロ10年目、34歳になる古谷拓哉は、実はロッテ投手陣の中で最年長投手なのだ。
球界随一の天体マニアとして知られる古谷。昨オフには自宅で天体ショーを楽しんだり、星空を見に小笠原諸島に3泊したり、という逸話をもある。これが野球の結果に結びつくのかはわからないが、ベテラン左腕として、キラリと輝く活躍に期待したい。
再起をかける者、新たな挑戦に臨む者、そして天体ショーを楽しむ者、様々なベテラン選手たちを、今シーズンも応援しないわけにはいなかいだろう。
(文=編集部)