【2015夏の高校野球】《兵庫観戦ガイド》有望選手と大会展望&勢力ピラミッド

2015/6/29

7月11日〜29日（明石トーカロ球場ほか）

巧打者と強打者が居並ぶ強豪校の打撃陣
県ナンバーワン右腕・松本の投球術必見

●本格派右腕など好投手目白押し

　県下ナンバーワン右腕の呼び声高い松本侑也（三田松聖）は、最速145キロのストレートが武器で、スライダー、カーブのキレも抜群。ピンチで三振を取れる投球術はポテンシャルの高さをうかがわせる。入学後体重は10キロ以上、球速は15キロアップしたが、制球力を磨けばさらに安定感は増すだろう。松本の後に控える小西丞も好素材。140キロに届くストレートは伸びしろを感じさせる。

　松本と同じ184センチの好右腕・古都成輝（須磨学園）もプロスカウトから熱い視線が注がれている。140キロ前後のストレートで内角を突き、クレバーな投球も光る。2年からエースを担い、マウンド経験も豊富だ。エースで4番を担う潮?彰成（津名）も成長著しい右腕の一人。粗削りな部分はあるが、重たいストレートが武器でマウンド度胸は満点。中軸を担う打撃センスの高さも感じる。

　ここにきて一気に名を広めたのは藤本翔大（西脇）。最速137キロの左腕は、カーブ、スライダー、チェンジアップを駆使し、持ち前のテンポのよさでピンチに粘り強さを発揮した。春先に体調を崩し背番号は2ケタだったが、夏はエースとしての期待が大きい。

　塩田大河（神戸国際大付）は、スリークオーター気味のフォームからキレのあるスライダー、カーブを投げ、ピンチで三振を奪える。2年生ながら存在感を示したのは東郷太亮（神戸国際大付）。140キロのキレのあるストレートが武器で、県大会準決勝の関西学院戦では延長10回を完封。前戦の報徳学園戦も6回2死まで無安打ピッチングを披露した。50メートル5秒9など身体能力が高く、来年も目が離せない。同じ2年生左腕で1年秋に名門のエース番号を背負った主島大虎（報徳学園）は、威力のあるストレートだけでなく抜群の制球力が目を引く。

☆★☆ 打者編 ☆★☆

●左右に潜在力高い打者がずらり

　巧打者がずらりと並ぶ中で旧チームから唯一レギュラーの竹村陸（神戸国際大付）は、ミート力に加え勝負強さもある。竹村の前を打つ植村真也はしぶとさがあり、バットコントロールもいい。右の強打者で注目は成田尚輝（三田西陵）。がっちりした体格から長打を量産。今春の県大会では特大アーチを放ち、実力の片鱗を見せた。

　前原大地（関西学院）は鋭いスイングから広角に打てる強打者で、パワーは高校生離れしている。同校の投打の要・谷川悠希は捕手経験があり、強肩強打のパワーヒッター。速いスイングスピードと広角打法で今春県4強に貢献した。

　小柄ながらセンスが光る押部智樹（育英）は、6秒1の俊足とヒットゾーンをうまく生かした打撃で安打を稼ぐ。積極性を買われ名門の1番打者としてチームを牽引、首脳陣からの信頼も厚い。同じ1番打者で旧チームのときから勝負強さが光っていた端岡陸（報徳学園）は、走攻守三拍子が揃い、下級生時からリーダー役としても一目置く存在だ。

　逢坂泰介（須磨翔風）は、持ち前のパンチ力で鋭い打球を連発。肩が強く、守備範囲も広い。体も強く、将来性の高さを感じさせる。原征哉（津名）はチャンスに強く、チームの中軸を担う。

☆★☆ 大会展望 ☆★☆

●連覇狙う神戸国際大付が一歩リード

　夏の甲子園連続切符を狙う神戸国際大付がややリードに見えるが、どのチームを見ても突出した実力があるわけではなく大混戦模様。そんな中、今春も公立校の躍進が目を引いた。県4強まで登りつめた須磨翔風、昨秋3位で今春も王者・神戸国際大付を苦しめた津名、幾多の激戦を制してきた姫路東、そして安定的な力を発揮した社。そこに今春強打ぶりを見せつけた関西学院、ここ5年夏の聖地から遠ざかっている報徳学園といった私学勢がどう意地を見せるかにも注目だ。