あるときは今江敏晃、あるときは後藤光尊。しかしその正体は楽天・聖澤諒。貪欲なものまね力で成績回復
「優れた芸術家は模倣し、偉大な芸術家は盗む」
アップルの共同創業者・スティーブ・ジョブズも引用した、天才・ピカソの名言である。
一流技術の応酬になるプロ野球とて同様だ。西武では山川穂高が中村剛也を、ヤクルトでは廣岡大志が山田哲人の打撃フォームを参考にするように、今季の楽天にもこの名言にならった男がいた。
その男は聖澤諒。周囲にアンテナを張り巡らし、よいと感じたものは積極的にトライ。その姿勢をつらぬいた聖澤諒は、限られた出場機会のなか、低迷していた成績のV字回復に成功した。
2015年は.264、昨季は.252に終わった打率を今季は.294に上げた。5月初めには「隠れ首位打者」に立つ活躍も見せている。