いつでもどこでも守って打つ。ホークスいちのユーティリティープレーヤー・本間満は“準備の男”だった
プロ野球のOBたちに現役時代のエピソードとユニフォームを脱いでからの第2の人生に迫る『プロ野球選手だった男たち 〜あの日々、そして第2の人生〜』。連載第1回(全4回)はダイエー、ソフトバンクで15年間に渡り“陰日向にチームを支えるプレー”を見せたユーティリティープレーヤーの本間満氏が登場。本間氏は王貞治監督(当時)が指揮を執った14年間をともにした唯一の選手としても知られている。
現在、本間氏はリーフラス株式会社に所属。3歳から小学生までのちびっ子球児を指導する野球教室を中心に、野球界の裾野を広げるべく“野球の楽しさ”を伝える日々を過ごしている。取材に訪れたのは2018年1月。BBC(ベースボールコミュニケーション)に特別講師として招かれ、高校入学を間近に控えた中学3年生たちに神宮球場室内練習場で守備の指導を行っていた。練習後の本間氏にまず、現役時代に心がけていたポリシーを聞いた。
本間満氏は1994年のドラフト3位で駒澤大からダイエー(現ソフトバンク)に入団。2009年オフにソフトバンクのユニフォームを脱ぐまでの15年間で767試合に出場し、通算打率.248、12本塁打、135打点、出塁率.297を記録。首位打者争いを演じた2006年にはオールスターゲーム出場も果たしている。
本間氏の現役時代は、井口資仁(現ロッテ監督)、鳥越裕介(現ロッテヘッド兼内野守備走塁コーチ)、川崎宗則、本多雄一ら層の厚い内野守備陣にあって、ベンチスタートの試合も多かった。しかし、誰かの不調時や“ここぞ”という場面で起用され、チームに貢献。“どこでも守る”本間氏の通算守備機会は一塁160試合、二塁239試合、三塁201試合、遊撃166試合、外野4試合を数える。そして代打でも“ここぞの1本”を放ってきた。
言うまでもなく、途中出場で満足のいく結果を出し続けるのは難しい。本間氏は何を心掛けて試合に臨み、モチベーションを保ってきたのだろうか。