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【2015夏の高校野球】《神奈川観戦ガイド》有望選手と大会展望&勢力ピラミッド

7月11日〜28日(横浜スタジアムほか)

吉田&小笠原擁す東海大相模が連覇狙う
ライバル校が強力打撃陣で立ち向かう!

☆★☆ 投手編 ☆★☆


●東海大相模は二枚看板が盤石


 昨夏甲子園を経験した東海大相模の吉田凌と小笠原慎之介。常時140キロを超す左右の両輪が、今年の神奈川県をリードする。

 吉田の代名詞はタテのスライダーだが、昨秋以降研究されて、各チームとも手を出さなくなってきた。そこで吉田は鋭いカーブを習得。「カーブを見せれば、相手もスライダーを振ってくるようになる」と、春の県大会で新しいスタイルに手応えを感じていた。コースギリギリを狙い過ぎなければ、楽に勝ち試合を作れるだろう。

 小笠原は左で140キロが出て、なおかつ制球力があるのが強み。ピンチにも動じることなく懐を攻め、ボールを小さく動かして、打者を打ち取る。スタミナ強化が課題ではあるが、リリーフでの安定感は図抜けている。

 田村海人(桐蔭学園)はこの春、横浜を11回途中まで1失点に抑えて株を上げた。これまでは可動域が広いため安定感を欠いていたが、コンスタントにキレのある球を投げられるようになってきた。同じく春に評価を高めたのが山口直也(横浜隼人)。体のバネを生かした投球だけでなく、打撃、走塁にも躍動感がある。外野守備でのイージーミスをなくしたい。

 188センチの上背と最速148キロで注目を集めた望月惇史(横浜創学館)は、前評判ほどの投球ができずに春を終えた。フィールディングも含めた修正を図り、最後の夏に挑む。

 2年生では高田孝一(平塚学園)と中川颯(桐光学園)が実績十分。高田は昨秋優勝の原動力で、OBの熊谷拓也(法政大)に似た大型右腕。カーブを上手に織り交ぜ、堂々とした投球を見せる。中川は渡辺俊介(元ロッテ)を手本に、アンダーハンドの技を磨いてきた。地面スレスレからシンカーに強弱をつけて、打者を翻弄する。

 1年の春から投げている津留崎大成(慶應義塾)はダーツのような投球フォームに改造して、制球力を取り戻した。仲島大雅(法政二)は強気の勝負を好む速球派。齊藤航汰(相洋)は三振が取れるサウスポー。上向幸平(鎌倉学園)は相手の読みを外す投球術に秀でている。


▲吉田凌(東海大相模)


☆★☆ 打者編 ☆★☆

●小柄でも振れる選手が面白い


 野手でも東海大相模勢が目立つ。昨夏にも本塁打を量産した杉崎成輝、豊田寛の3、4番の破壊力は神奈川県随一。杉崎は小さくても振りが鋭く、打球は力強い。豊田はボールを叩き潰すようなスイングで、左右に長打を飛ばす。

 右のパワーヒッターなら大堀純一(横浜隼人)も神奈川県では抜きん出た存在。投球の軌道に対して垂直にバットを入れて、外の球をレフトスタンドへ叩き込む。

 恩地偉仁、大工原壱成(ともに桐光学園)はセンスがいい左打者。外の球を逆方向打つだけでなく、ヒザ元の変化にも対応できる。

 小さくて足が速ければ左打ちという昨今の風潮にあえて逆らう大川弘太郎(慶應義塾)は、スカウトの間でも評判になっている。50メートル5秒8で走る小柄な右の外野手は運動能力抜群。バットを振れる力もあり、1番に定着した。

 その他では下地滉太(日大藤沢)と東凛太郎(平塚学園)、2人の強肩捕手の評価が高い。


▲大川弘太郎(慶應義塾)


☆★☆ 大会展望 ☆★☆

●夏連覇狙う東海大相模が本命


 夏の経験者が多く残る東海大相模が、今年も本命になる。吉田、小笠原の投手力に上位打線の破壊力は他校を寄せ付けない。対抗馬は久しぶりに打てる打線を作ってきた桐光学園か。慶應義塾はエース津留崎が安定すれば、打線も力はある。平塚学園はエース高田をどれだけ援護できるか。センターラインの守りが整備できれば、横浜隼人にもチャンスあり。ノーシードの横浜は1年生を入れて大幅にチームを作り変えてくる可能性がある。2年生エース・藤平尚真の復調に期待。

地区勢力ピラミッド

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