未だ咲かぬとも、これから花開くことを期待する、アマチュア野球界の『こんなもんじゃない選手名鑑』
潜在能力の高さは誰もが認めながら、その力を発揮できていない逸材がプロだけではなく、アマチュア野球界にも数多く存在している。そんな、君たちはこんなもんじゃない! 今年こそ活躍して、プロ野球の道へ進んでほしい選手たちをまとめました。
2013年1月29日発売の『野球太郎 N0.003』からの転載となります。発売から約4カ月。高校、大学、社会人とそれぞれの公式戦が行われ、中にはすでに「俺はあんなもんじゃなかったんだ!」と活躍している選手もいれば、まだまだ伸び悩む選手も……。
飛び立つ前には助走が必要であるように、きっと羽ばたくだろう選手たちを長い目で見守って行きましょう。
【アマチュアの逸材だって、こんなもんじゃない!】
相澤大輔 Daisuke Aizawa
東北高校3年
175センチ78キロ/左投左打/投手
<能力値チャート>
球速 3
速球のキレ 4
コントロール 2
変化球のキレ 3
精神力 3
ドラフト注目度 2
将来こんな選手に……吉川光夫(日本ハム)
■中学時代
三振量産、勝気なマウンドさばきが魅力の東北No.1投手。全国大会も出場。
■高校進学後
相次ぐケガに苦しみ、昨秋県大会に高校初のベンチ入り&公式戦初登板。制球が乱れて本来の姿ではなかったが、時折「ズバン!」と響く素晴らしいボールは高い潜在能力をうかがわせた。強靭な上半身を生かして左右バランスよく下半身を鍛え抜き、心身の準備ができれば、今夏こそ持ち前の勝負勘を発揮できるはず!
浦嶌颯 SotaUrashima
菰野高校3年
183センチ87キロ/右投右打/投手
<能力値チャート>
球速 5
速球のキレ 3
コントロール 2
変化球のキレ 3
精神力 2
ドラフト注目度 4
将来こんな選手に……西勇輝(オリックス)
■中学時代
熱心な顧問に誘われ「同学年で経験者は3人」という地元中学の野球部へ。校庭が狭く、新聞紙を丸めたボールで練習したことも。大会での実績はないが剛球が評判に。
■高校進学後
衝撃デビューの1年春は遠慮がちに見えたが、最速151キロを計測した1年秋は堂々たる姿に。しかし、右肩痛などでオーラは再び消失気味。雄大な体躯、搭載エンジン、腕や肩周りの柔軟性は逸品なだけに、今年は健やかなれば。
中山悠輝 YukiNakayama
PL学園高校3年
184センチ77キロ/右投右打/遊撃手
<能力値チャート>
長打力 3
アベレージ 3
走力 3
肩力 3
守備力 3
ドラフト注目度 3
将来こんな選手に……今岡誠(元阪神ほか)
■中学時代
山口県岩国市のボーイズで活躍。父が藤原弘介前監督(現佐久長聖監督)と知り合いの縁からPL学園へ。
■高校進学後
広角に打ち分けるライナーが持ち味。前野幹博と1年夏から出場も、細かな故障も続きもどかしい姿が続く。チーム事情から昨年は投手も務めたが今年は4番遊撃で勝負。最終年で一気に株を挙げた山田哲人(ヤクルト)や浅村栄斗(西武)のような爆発を見たい。先々は二塁のイメージも。
岩重章仁 AkihitoIwashige
延岡学園高校3年
180センチ80キロ/右投右打/外野手
<能力値チャート>
長打力 4
アベレージ 4
走力 3
肩力 3
守備力 2
ドラフト注目度 3
将来こんな選手に……小久保裕紀(元ソフトバンクほか)
■中学時代
Kボールの宮崎選抜チームで4番を務めるなど県内屈指の強打者として注目される。
■高校進学後
一昨年春の九州大会で高校入学して間もない岩重が右へ左へ2打席連続弾を放ち、衝撃デビューを飾った。その後、徹底マークに苦しんだ時期もあり、昨秋も九州大会目前で宮崎日大高の甲斐翼の前に涙をのんだが、広角に打てる猛打球は健在だ。そして2年前とは比べ物にならない風格が出てきた。本当の開花は近い。
岩崎優 SuguruIwasaki
清水東高→国士舘大4年
184センチ77キロ/左投左打/投手
<能力値チャート>
球速 3
速球のキレ 5
コントロール 3
変化球のキレ 2
精神力 3
ドラフト注目度 3
将来こんな選手に……筒井和也(阪神)
■高校時代
全国的には無名も球離れのいい左腕として静岡県内で注目されていた。
■大学進学後
神宮第二で最初に見たときは戦慄した。リリースの瞬間が見えず、捕手のミットにカミソリのような切れ味で収まる。6回から登板して2回4奪三振、流れを颯爽と変えてマウンドを降りた。リリーフ適性を感じるが、安心してストライクが取れる変化球を身につければ先発でも十分いけるはず。3部との入替戦を戦っている場合じゃない!
河合完治 KanjiKawai
中京大中京高→法政大4年
175センチ75キロ/右投左打/二塁手
<能力値チャート>
長打力 4
アベレージ 4
走力 3
肩力 4
守備力 4
ドラフト注目度 4
将来こんな選手に……立浪和義(元中日)
■高校時代
堂林翔太(広島)とクリーンアップを組み、3年夏は全国制覇。甲子園で打率.552、2本塁打と大暴れした。
■大学進学後
間違いなくドラフト上位の器なだけに、故障さえなければ…というスカウトの嘆きが聞こえてくる。昨秋は日本人学生とは思えない飛球を高々と打ち上げ、明治大のレフトとセンターが相次いで目測を誤ったほど。「強打の二塁手」は意外とプロでも枯渇状態。最終学年は甲子園のように暴れまわれ!
陽川尚将 NaomasaYokawa
金光大阪高→東京農業大4年
178センチ79キロ/右投右打/三塁手
<能力値チャート>
長打力 4
アベレージ 4
走力 3
肩力 4
守備力 3
ドラフト注目度 3
将来こんな選手に……新井貴浩(阪神)
■高校時代
育成ドラフト3位指名を受けるも、進学を決意。
■大学進学後
力強い打撃で1年時から出場機会を得た。データの少ない1年目こそインパクト十分の成績を残したが、それ以降はどこか凄みが薄らいでいる。「チャンスで陽川なら安心」という期待感も弱くなった感は否めない。打率は残しているのだが物足りなく、まとまってしまっている印象が強い。下級生時に見せてくれた威圧感、活躍ぶりを再び見せてほしい。
山?雄飛 YuhiYamasaki
芝浦工大高→中央大→東京ガス/25歳・3年目
180センチ85キロ/右投右打/投手
<能力値チャート>
球速 4
速球のキレ 3
コントロール 4
変化球のキレ 3
精神力 4
ドラフト注目度 4
将来こんな選手に……久保田智之(阪神)
■大学時代
中央大では澤村拓一(巨人)と二枚看板。4年時にケガさえなければ、上位指名間違いなしの逸材だった。
■社会人入り後
1年目から主戦で投げているのだが、見るたびにフォームがおかしくなっている印象。左足が突っ張って、体重が前に乗ってこないのを、上体の力で無理やりまとめているように見える。フォームの美しさ、将来性では、同期の石川歩の方がスカウトの評価は高いと聞く。今一度、方向性の軌道修正を。
上杉芳貴 YoshikiUesugi
豊田西高→中京大→トヨタ自動車/25歳・3年目
179センチ75キロ/右投右打/投手
<能力値チャート>
球速 4
速球のキレ 4
コントロール 4
変化球のキレ 4
精神力 3
ドラフト注目度 4
将来こんな選手に……川上憲伸(中日)
■大学時代
中京大では1年春から4勝を挙げるなど快投。慎重なフォームから鋭く腕を振り、回転数・球威◎のストレートに打者は差し込まれた。
■社会人入り後
昨年の都市対抗2次予選・第2代表決定戦では140キロ台後半連発の完璧な投球をしながら、9回表にエラーで同点にされると、ツキが逃げたかそれ以降今ひとつで、本戦初マウンドで満塁被弾。故障にも泣いた。1年間満足にさえ過ごせば、ドラフト上位は確実なのだが。
アラン・ファニョニ AllanFanhoni
羽黒高→NTT東日本/22歳・4年目
196センチ100キロ/右投左打/一塁手
<能力値チャート>
長打力 5
アベレージ 2
走力 3
肩力 4
守備力 3
ドラフト注目度 2
将来こんな選手に……ディンゴ(元中日)
■高校時代
ブラジル人留学生は高3夏に4番を打ち、ケタ外れの長打力を披露していた。
■社会人入り後
たまに試合に出てきても、社会人の好投手にいいようにあしらわれる。実用性ではベテランの平野宏の足許にも及ばない。それでも雰囲気は超一流。打席での立ち姿を見ているだけで、満たされた気分になる。得難いキャラクターではあるが、その雰囲気に見合うだけの技術がつけば、とてつもない大砲になりそうな予感が漂う。