中日1位 鈴木博志・ケガを越え社会人で覚醒した最速156キロの剛腕
2017年プロ野球ドラフト会議で、総勢82名の選手が指名された。
2018年からのプロでの活躍に期待したい。
週刊野球太郎では、ドラフト会議の直前にインタビューした指名選手18名を特集!
プロで活躍するために戦ってきたドラフト候補と、彼らの「真価」を最も熟知している監督さんを取材した貴重な「証言」をお届けします。
今回の指名選手
中日 ドラフト1位
鈴木博志(すずき・ひろし)
181センチ95キロ/右投右打。1997(平成9)年3月22日生まれ、静岡県掛川市出身。大浜中ではエースとして活躍。磐田東高に入学後、1年秋に最速143キロをマークするも、その後は故障に苦しむ。3年夏は背番号17で3回戦敗退。ヤマハ入社後に球速がアップし、2年目から公式戦に登板。今年は最速156キロを記録した。ドラフト上位候補に名前が挙がる剛腕投手だ。
美甘将弘監督の証言
★最初の印象
高校1年の時に、同じチームの齋藤誠哉(ソフトバンク)と一緒にウチの練習に参加してくれました。投げ方、ボールの強さなど、優れた能力を持っているなと率直に感じました。そこから鈴木が気になっていたのですが、よくなったと思ったら故障の繰り返しで、
3年の時も状態が上がってきていませんでした。
★衝撃のデビュー
入社が決まった時点で、ヒジの疲労骨折はわかっていました。そこで、まず1年目は体幹を含めた基本的なトレーニングで体を作り、その中でリハビリをやっていこうというプランを立てました。イメージとしては3年目に都市対抗予選で投げてくれればと。それが1年目の8月のオープン戦で起用したら、いきなり140キロ台中盤のすごいボールを投げて。潜在能力があることはわかっていましたが、正直ここまでとは考えていませんでした。ケガの功名かもしれませんが、じっくりと体作りをやったことが、パフォーマンス
に影響を与えたのだと思います。でも結局、そこから故障があって満足に冬の練習ができないまま、2年目に入ってしまいました。
★痺れる場面を経験
2年目は、まず全力で投げられるように短いイニングで使いました。印象に残っているのは昨年の都市対抗予選です。西濃運輸との第4代表決定戦の9回、3対1と勝っている場面で思い切っていかせました。1点を失いましたが、あそこで逃げ切ってくれたことで、社会人選手として一つ成長したのではないでしょうか。
★これから
今年になって徐々にゲームの中で自分の持っている力を出せるようになってきました。ただ、見失ってほしくないのは速いボールを投げられるからといって試合に勝てるわけではありません。もっともっとバッターとの駆け引き、クイックなど、勝てるピッチャーになるための経験値を高めることが必要でしょう。誰からも信頼されるピッチャーになり、長く活躍してもらいたいです。