日本シリーズが終わってもまだまだ野球は終わらない!今度は侍だ!……今週の野球みどころランキング[11月5日(火)〜11月11日(月)]
『今週の野球みどころランキング』は、11月第1週はじめの時点で注目度の高まっている野球関連の話題について紹介していきます。
最後には今後の簡単な野球界のスケジュールを添えていますので、重要事項はチェックしておいてください!
日本選手権開幕、JX-ENEOSが初戦で散る
―――社会人野球
先月28日から京セラドームで行われている社会人野球の単独チーム日本一を決める『第39回社会人野球日本選手権』でドラフト指名選手たち同士の試合が数多く行われた。
そんな中でも注目が集まった1回戦のカードは、DeNA1位指名右腕・柿田裕太と巨人1位指名捕手・小林誠司のバッテリーを筆頭に計4人がドラフト指名された日本生命と、日本ハム2位指名右腕・浦野博司とオリックス8位指名左腕・大山暁史擁するセガサミーの対戦。試合は浦野が4回3失点で降板すると、大山らも流れを止められず。一方、日本生命はロッテ5位指名の主砲・井上晴哉が1打点、小林が2打点を挙げるなど7得点。投手陣は柿田が中盤まで自責点2と試合を作り、2投手を継投した後、最後はロッテ4位指名右腕・吉原正平が締め、7-3で日本生命が勝利した。
1回戦最大の波乱は前回大会の覇者・JX-ENEOSの完封負け。ヤクルト3位指名右腕でパナソニックのエース・秋吉亮が、8回1/3を投げ10安打を浴びながらも8三振を奪うなど9回途中まで無失点で切り抜けると、最後は田中篤史が締め、味方打線がJX-ENEOSから奪った虎の子の1点を守り抜いた。
また、前回大会準優勝、今夏の都市対抗も準優勝のJR東日本は2回戦で東京ガスに完封負けを喫した。
決勝戦は今週7日(木)18時にプレイボールの予定となっている。
明治神宮大会賭け「最激戦区」関東大会で火花散る
―――大学野球
東京六大学リーグと東都大学リーグを除く、関東5連盟の計10校が明治神宮大会出場権を賭けて争う「横浜市長杯争奪第9回関東地区大学野球選手権」(以下、関東大会)が先月30日から今月2日にかけて横浜スタジアムで行われた。
昨秋の明治神宮大会優勝の桐蔭横浜大、今春の大学選手権優勝の上武大に、全国常連の東海大と創価大、ドラフト指名2投手擁する横浜商科大など精鋭揃いの10校が明治神宮大会出場枠わずか「2」を賭けて戦った。
1日目第3試合の2回戦では、いきなり東海大と創価大が対戦。東海大の先発は花巻東時代に菊地雄星らとともに甲子園で活躍した猿川拓朗(当時は三塁手兼投手)だったが、来秋のドラフト候補捕手である創価大・寺嶋寛大に2ランを浴びるなど3失点。創価大は2番手で登板した石川柊太(ソフトバンク育成1位指名)がこのリードを守り切り3-2で逃げ切り。東海大は3年連続で明治神宮大会出場を逃すこととなった。
準決勝ではその創価大と桐蔭横浜大が対戦。
桐蔭横浜大打線が創価大先発・小松貴志の高めに浮いた球を見逃さず、4回に3点を奪うと、2回戦の白鴎大戦(6-3)と同じく右腕・横山弘樹から左腕・上田拓磨のリレーで準決勝は完封勝利。3-0で勝利し明治神宮大会連覇に挑む権利が与えられた。
準決勝もう1カードは上武大の三木亮(ロッテドラフト3位)が4打数3安打2打点1本塁打の大活躍。投げては今春の大学選手権MVP左腕・横田哲が2試合連続完投。日本体育大に地力の差を見せつけて、6-4と快勝した。
決勝戦は桐蔭横浜大が上武大に2-0で勝ち、 桐蔭横浜大が第1代表で1回戦をシード(関西5連盟第二代表vs北陸・東海3連盟の勝者と2回戦で対戦)、第2代表となった上武大が1回戦で四国・中国3連盟代表と対戦することとなった。
▲明治神宮大会行きがかかる大一番で先制打とダメ押し本塁打を放った上武大・三木[五十嵐秋音撮影]
秋季大会が各地で大詰め
―――高校野球
来春のセンバツ出場に向け、参考資料となる秋季大会が各地で大詰めを迎えた。
関東大会は白鴎大足利(栃木2位)が1回戦からすべて3点差以内の接戦を制し、決勝に進む。決勝戦でも桐生第一(群馬2位)を破り、見事に初優勝。準優勝の桐生第一、4強入りを果たした山梨学院大付(山梨1位)、佐野日大(栃木1位)がセンバツ出場をほぼ確実なものにした。南関東勢は不振が続いたが、準々決勝の白鴎大足利戦で2点差で敗れた習志野(千葉1位)や同じく準々決勝で2点差の惜敗をした横浜(神奈川1位)が5校目の枠で東京の準優勝校とセンバツ出場を争うことになる。
近畿大会のベスト4は龍谷大平安(京都1位)、履正社(大阪1位)、智辯和歌山(和歌山1位)、報徳学園(兵庫1位)。この4校と準々決勝で敗れた2校がセンバツに選ばれる可能性が高い。スコアと地域性を考えると智辯学園(奈良1位)が選ばれる可能性が高く、コールドで敗れた奈良大付は厳しいか。残る福知山成美(京都2位)、三田松聖(兵庫2位)は同じ府県から2校目となる。どちらが選出されるか予想は難しいだろう。
準決勝2試合はともに点の取り合いとなり、龍谷大平安と智辯和歌山が勝ち上がった。決勝は龍谷大平安が6-4で智弁和歌山に勝利し、11年ぶり5回目の優勝を飾った。
中国大会の決勝は岩国(山口1位)vs広島新庄(広島1位)の好投手を擁する高校同士の対戦となった。8回に広島新庄が追いつくも、その裏に岩国が勝ち越し、そのまま4-3で勝利。岩国は43年ぶり2回目の優勝となった。センバツにはこの2校はほぼ当確といえる。もう1枠を四国の4強進出した高校と争う。
九州大会では開催地となった沖縄県勢が躍動。決勝戦で沖縄尚学(沖縄2位)が県大会決勝で敗れた美里工を4−3で破り2年連続2回目の優勝。
センバツ出場枠にはこの沖縄勢2校に加え4強入りの鎮西(熊本2位)と神村学園(鹿児島1位)が当確といえるだろう。
秋季地区大会最後を飾る東京都大会は10日に決勝戦が行われる予定。
上原・田澤擁するレッドソックスが歓喜の世界一
―――MLB
世界一に王手をかけ、迎えたワールドシリーズ第6戦。
シェーン・ビクトリーノが4打点を稼ぐ大活躍などで6-1のリードを奪うと、上原浩治が9回に登板。簡単に2死を取り、最後の打者を空振り三振に斬って取ると、上原の周りに歓喜の輪ができあがった。
世界一。ついに上原と田澤、そしてレッドソックスにかかわるすべての人の献身がついに報われた瞬間となった。
第3戦を「守備妨害」でサヨナラ負け(※上原は登板していたものの敗戦投手にはならず)となったレッドソックスだったが、翌日に上原がそのお返しとばかりにけん制球で走者を刺し試合を終わらせた。第5戦はデービッド・オルティスが3打点を挙げ、エースのジョン・レスターが8回途中まで4安打1失点に抑えるなど投打の柱が活躍し、最後は上原が締めた。そして第6戦・地元ボストンでの歓喜に至った。
田澤純一もワールドシリーズ全6試合に登板し、合計打者9人に対し四死球と被安打ともにわずか1と、流れがどちらに転ぶかわからない試合中盤をきっちりと締めた。
2日にはボストン市街をパレード。4月にボストン・マラソン爆破事件が起こり多くの死傷者を出した。悲しみに暮れる街に勇気を与え、これ以上ない最高の形でシーズンを終えた。
マー君で負けマー君で勝った! 楽天初の日本一!
―――NPB
日本一まであと1イニングとなった楽天のマウンドに「まさかの男」がマウンドに上がった。前日の第6戦で160球を投げ敗戦投手となった田中将大の志願の登板だった。
第5戦の延長戦におよぶ激闘を制し、迎えた第6戦で先発のマウンドには30連勝中のエース・田中。しかし5回に、巨人のロペスに同点の2ランを浴びた。さらには6回の内野ゴロの間にも走者の生還を許すなど、まさかの4失点でチームも2−4で敗戦。ついに連勝が止まったのだった。
そして迎えた運命の第7戦。楽天の先発・美馬学は5回2/3を無失点に抑える好投した第3戦に続き、この日も6回を1安打に抑える好投。打線も牧田明久のソロ本塁打などで3得点。7回からはシリーズ途中から中継ぎに配置転換された則本昂大が2回無失点に抑えた。
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そして、9回のマウンドに上がった田中。2安打こそ浴びたもののスプリット中心の配球で見事に最後の打者を空振り三振に斬って取ると、今季一番と言ってもよいガッツポーズと雄叫びで見事胴上げ投手に。楽天が創設9年目にして、ついに初の日本一獲得となった。
なお、MVPには2試合に登板し、無失点かつ2勝を挙げた美馬が選ばれた。
田中は近日中にもポスティング制度を利用したメジャー移籍の意向が承認される模様となっており、日本の野球ファンに「伝説」を残し、アメリカへ飛び立つこととなりそうだ。
■プロフィール
文=高木遊(たかぎ・ゆう)/1988年、東京都出身。幼い頃よりスポーツ観戦に勤しみ、東洋大学社会学部卒業後、スポーツライターとして活動を開始。昨年は東都大学野球春・秋1部全試合を取材。大学野球を中心に、アイスホッケー、ラグビー、ボクシングなども取材領域とする。高木遊の
『熱闘通信』随時更新中(http://www.plus-blog.sportsnavi.com/buaka/)
twitter(@you_the_ballad)
女子野球関連
11月9〜10日:「ティアラカップ」女王決定戦
フローラ(ティアラカップ2位)vsアストライア(ティアラカップ1位)
※1位通貨のアストライアには1勝のアドバンテージが付き、先に2勝したチームがティアラカップ女王になります。
第1戦:11月9日(土)12時試合開始@県営大宮球場
第2戦:11月10日(日)12時試合開始@市営大宮球場
※県営大宮球場と市営大宮球場をお間違えなく、ご来場ください。
※詳しくは
女子プロ野球公式HPをご覧ください。
アマチュア野球スケジュール
☆高校野球☆
・来春のセンバツに向けた秋季大会!
北海道大会…優勝:駒大苫小牧
東北大会…優勝:八戸学院光星
関東大会…優勝:白鴎大足利
東京大会
開催中〜11月10日@神宮第二球場
北信越大会…優勝:日本文理
東海大会…優勝:三重
近畿大会…優勝:龍谷大平安
中国大会…優勝:岩国
四国大会…優勝:今治西
九州大会…優勝:沖縄尚学
★大学野球★
秋季リーグ戦は熱戦の真っ最中!
★明治神宮大会出場校(11月16日〜)
北海道地区代表:道都大
東北地区代表:八戸学院大
関東地区代表:桐蔭横浜大、上武大
北陸・東海地区代表:中部学院大
関西地区代表決定戦
開催中〜5日@南港中央野球場
中国・四国地区代表決定戦
11月5日@東広島アクアスタジアム
九州地区代表決定戦
11月7、8日@ヤフオク!ドーム
※関東地区と関西地区は2校出場。この他に、東京六大学リーグ(明治大)と東都大学リーグ(亜細亜大)の優勝校がそれぞれ出場する。
◎社会人野球◎
開催中〜11月7日まで
第39回 社会人野球日本選手権
@大阪ドーム
【プロ野球情報】
11月8〜10日 台湾代表vs日本代表(小久保ジャパン初陣!)
11月10日 第1回合同トライアウト@静岡草薙球場
11月15日〜 アジアシリーズ@台湾
11月22日 第2回合同トライアウト@ナゴヤ球場
11月中旬以降より各チームのファンフェスタ・ファン感謝デーが開催される予定