読売ジャイアンツは、チーム所属の福田聡志投手が自チームの試合を含むプロ野球、高校野球、メジャーリーグなどの試合で、野球賭博を行っていたと発表。球界に大きな波紋を投げかけている。目下最大の注目点は、実際に賭博にかかわっていた球界関係者が、福田投手以外にいたかどうか、という点になってくるだろう。
このニュースを受け、各メディアでは過去に日本プロ野球を危機に陥れた「黒い霧事件」について紹介することが多い。1969年から71年にかけ、金銭の授受を伴う八百長に関与したとして球界関係者20名を処分、うち6名を球界永久追放へと追いやった悪夢。ここまで問題が大きく広がらないことを願いつつ、真相はハッキリとさせなければならない。
「野球と賭博」の問題を考える際、「黒い霧事件」以外にもうひとつ、我々は過去から学ぶ必要がある。1919年にアメリカ・メジャーリーグで起きた「ブラックソックス事件」だ。本稿ではその内容をダイジェストで振り返ってみたい。