大会はすべて終了、本格的なシーズンオフへ……今週の野球みどころランキング[11月26日(火)〜12月2日(月)]
『今週の野球みどころランキング』は、11月第4週はじめの時点で注目度の高まっている野球関連の話題について紹介していきます。
最後には今後の簡単な野球界のスケジュールを添えていますので、重要事項はチェックしておいてください!
楽天準決勝敗退、キャンベラが豪州勢初優勝
―――アジアシリーズ2013
欧州チャンピオンも参加した、今年のアジアシリーズは現在も国内リーグがシーズン中ということに加え、将来的なメジャー進出・日本進出を視野に入れている選手が多く、モチベーション充分だったキャンベラ(オーストラリア)が、同国チームが参加した2011年大会以降で初となる優勝を飾った。
義大に勝利、楽天に敗北しB組2位で決勝トーナメントに進出したキャンベラは準決勝でサムスン(韓国/A組1位)と対戦。
延長10回にもつれ込む接戦を9-5で制し決勝に進出すると、決勝では楽天を破り勢いに乗る地元・台湾の統一と対戦。
序盤は劣勢を強いられたが、7回と8回に打線が大爆発。この2回だけで11得点を奪い、14-4で大勝。MVPには優勝を決めた決勝戦でグランドスラムを含む計7打点を1人で稼ぎ出したマーフィーが選ばれた。
B組首位で突破した楽天だったが、準決勝の統一戦では、先発の宮川将が初回にいきなり3失点し、流れを相手に渡すと、打線も統一の先発・フィゲロアの前に沈黙し、1-4で敗戦。アジアシリーズで日本勢が決勝に進出できなかったのは初めて。特に抜擢された若手選手たちには、ほろ苦い国際試合デビューとなった。
楽天はももクロ登場、「じぇじぇ!」な藤浪、涌井は「FA権行使」賭け対決!?
―――ファン感謝デー
23日にはオリックス(17日に開催)、中日(30日に開催)の2球団を除く10球団がファン感謝デーを開催。
まず楽天では、人気アイドルグループ『ももいろクローバーZ』が、田中将大のギネス記録達成(同一シーズン24連勝、昨季からの28連勝とポストシーズンでの2勝を加えた30連勝の3つ)を祝福するためにサプライズで登場。ももクロのファンである田中は登場に顔を緩ませた。
阪神では、ルーキー恒例となっているコスプレで、NHKの朝ドラ「あまちゃん」の海女姿を披露し、ファンを喜ばせた。
なお、あまちゃんのコスプレは巨人で寺内崇幸、ソフトバンクで柳瀬明宏もそれぞれのファン感謝デーで行った。
西武で行われたストラックアウト対決では、涌井秀章の挑戦に、捕手の炭谷銀仁朗が「僕が勝ったらFAは無しで!」とサプライズ挑戦。結果はともに3枚抜きで引き分け。それでも炭谷は「内容的には僕の勝ち。残ってくれるでしょう」と笑った。
またロッテでは、選手やスタッフ、チアガール、ファンら総勢2万150人がAKB48の「恋するフォーチュンクッキー」の振り付けをまねて踊った。これはAKB48公式動画として12月1日にYoutubeにてアップされる予定だ。
ベストナインが発表される
―――NPB
今季のセ・パ両リーグのベストナインが21日発表された。
圧巻は1985年の稲尾和久氏(当時西鉄)、1989年の阿波野秀幸(当時近鉄)以来史上3人目のパ・リーグ投手部門で満票を獲得した田中将大(楽天)。
また初選出はパ・リーグで史上最多タイの7人を占めた。一塁手の浅村栄斗(西武)、二塁手の藤田一也(楽天)、三塁手のマギー(楽天)、遊撃手の鈴木大地(ロッテ)、外野手の長谷川勇也(ソフトバンク)、中田翔(日本ハム)、指名打者のアブレイユ(日本ハム)。
最多選出はセ・リーグ捕手部門の阿部慎之助(巨人)の8回目だった。
大竹、井端、片岡が巨人加入?
―――ストーブリーグ情報
巨人がここに来てストーブリーグで本領を発揮している。
まず、中日・落合博満GMから年俸減額制限をはるかに上回る88%ダウンの提示を拒否し、自由契約となっていた井端弘和の巨人入りが決定的となった。球団は実績に加え、ゴールデングラブ賞7度受賞の守備などを中井大介ら若手に伝えてほしい意図もあるようだ。
FA戦線では大竹寛(広島)が巨人入りを自ら表明した。ソフトバンクらも好条件を提示していたが、在京球団志望ということや原辰徳監督からの熱いラブコールに心を奪われたようだ。
また片岡には、3年契約総額5億円と推定される条件提示とともに、原監督の現役時代の背番号「8」も用意するほどの熱の入れようで、ほぼ巨人移籍に傾いた方向との報道がされている。
また他のFA宣言している選手たちの動向をまとめると、鶴岡慎也(日本ハム)はソフトバンク、涌井秀章(西武)はロッテへの移籍が確実視されている。一方、久保康友(阪神)は移籍か残留か微妙な情勢。獲得を目指しているDeNA・中畑清監督は「(DeNA球団創設史上初の)2桁勝利投手になってくれ」と電話でラブコールを送った。
阪神は韓国球界を代表する抑え右腕・呉昇桓(オ・スンファン/サムスン)の獲得が決定的になった。9年間サムスンに所属し、通算444試合で277セーブ(28勝13敗11ホールド)を挙げ、防御率は1.69。韓国を代表する守護神は、虎の絶対的守護神となれるのか注目していきたいところだ。
沖縄尚学がミラクルV
―――高校野球
日本文理(新潟/北信越)vs沖縄尚学(沖縄/九州)の対戦となった明治神宮大会・高校の部の決勝戦。日本文理打線が序盤から大爆発し、4回表、5回表に飯塚悟史が2打席連続本塁打を放つなど大会新記録となる1試合5本塁打で6回を終え、8−0の大量リード。このまま日本文理の初優勝が決まりかと思われた。
しかし、ここから沖縄尚学が脅威の粘りを見せる。まず7回裏に、この日の先発投手だった山城大智が意地の3ランで沖縄尚学が反撃の狼煙を上げた。その後の8回裏には、相手ミスに加え、久保柊人のタイムリーなどで6点を奪い、大逆転。
そして最後は7回から再びマウンドに上がっていた山城大智がしっかりと締め、沖縄尚学が見事に初優勝を手にした。
亜細亜大が5度目の正直で念願成就、4年生選手が躍動!
―――大学野球
大学4年生にとっては最後の大会となる明治神宮大会。その4年生たちの活躍が大きく目立った大会となった。
まず観衆を魅了したのが、中部学院大の外野手・上西主起。その圧倒的な強肩そして豪快本塁打を1回戦(対関西学院大)と準々決勝(対桐蔭横浜大)で見せつけた。準々決勝で昨年覇者の勝負強さに最後は屈したが、大きなインパクトを残した。上西は「ここで終わりたくなかった」と目に涙を浮かべながらも、「長打に加え、チャンスで繋ぐ打撃もできるようにしたい」と社会人(日本生命内定)での抱負を述べた。
桐蔭横浜大の小さな大捕手(身長158cm)・氏家(うじえ)彩斗の活躍も目を引いた。同校を昨年、創部7年目にして日本一に導いた司令塔は、準々決勝では逆転の口火を切る二塁打を放ち、守っては今季の絶不調から復活した小野和博を好リード。準決勝では亜細亜大にタイブレークの末、敗れたものの、その健闘と3季連続の全国8強は、創部8年目のチームに大きな歴史を刻んだ。
決勝戦は明治大vs亜細亜大の、東京六大学リーグ優勝校vs東都大学リーグ優勝校のライバル対決となった。
試合は決勝戦らしい引き締まった展開となったが、この大一番で亜細亜大の正捕手であり主将の嶺井博希(DeNA3位指名)が攻守に大活躍。2回に無死一、二塁、4回に無死二、三塁のピンチを招くも、自身の好守備や気迫みなぎるエース・九里亜蓮(広島2位指名)を好リードし無失点で切り抜けると、4回に値千金の本塁打。さらに6回にはダメ押しタイムリーを放ち、見事2-1で勝利。
これまで5季連続で全国大会に出場しながらも優勝できずにいた東都の名門が、見事「5度目の正直」で念願の日本一を達成。7年ぶり4回目の栄冠に輝いた。
■プロフィール
文=高木遊(たかぎ・ゆう)/1988年、東京都出身。幼い頃よりスポーツ観戦に勤しみ、東洋大学社会学部卒業後、スポーツライターとして活動を開始。昨年は東都大学野球春・秋1部全試合を取材。大学野球を中心に、アイスホッケー、ラグビー、ボクシングなども取材領域とする。高木遊の
『熱闘通信』随時更新中(http://www.plus-blog.sportsnavi.com/buaka/)
twitter(@you_the_ballad)
来春のセンバツ高校野球情報
以下()内は選出される高校数
北海道(1)…優勝:駒大苫小牧
東北(2)…優勝:八戸学院光星、準優勝:東陵
関東(4or5)…優勝:白鴎大足利、準優勝:桐生第一、4強:山梨学院大付、佐野日大、8強:霞ヶ浦、習志野、横浜、健大高崎
東京(1or2)…優勝:関東一、準優勝:二松学舎大付
※関東と東京で6校
北信越(2)…優勝:日本文理、準優勝:東海大三
東海(2)…優勝:三重、準優勝:豊川
近畿(6)…優勝:龍谷大平安、準優勝:智辯和歌山、4強:履正社、報徳学園、8強:三田松聖、奈良大付、福知山成美、智辯学園
中国(2or3)…優勝:岩国、準優勝:広島新庄、4強:高川学園、倉敷商
四国(2or3)…優勝:今治西、準優勝:池田、4強:生光学園、明徳義塾
※中国と四国で5校
九州(5)…優勝:沖縄尚学、準優勝:美里工、4強:鎮西、神村学園、8強:早稲田佐賀、創成館、日章学園、波佐見
21世紀枠(3)…各都府県の推薦校が発表されている。12月中旬に北海道、東北、関東(関東・東京)、北信越、東海、近畿、中国、四国、九州から1校ずつ推薦校を選出。来年1月のセンバツ出場校を決定する際に3校を選出。
【その他野球情報】
11月30日 中日のファン感謝デー
12月27日〜29日 12球団ジュニアトーナメント ENEOS CUP 2013@札幌ドーム
〜小学5、6年生による12球団ジュニアチームNo.1決定戦〜