【ドラフト特集】《オリックス・バファローズ》ドラフト指名結果答え合わせ
プロ野球ドラフト会議が終了して約半月が経過。ドラフト前に発売した『野球太郎No.016 2015ドラフト直前大特集号』では、12球団の「補強ポイント&オススメ選手」を発表。果たして各球団は、それぞれの補強ポイントを補う選手を指名できたのか、今年のドラフトを総評してみた。
今回はオリックスのドラフト答え合わせをしよう。
1.将来的にチームの軸となる投手&野手
開幕前の高評価は、シーズンに入ると一転。ファンの期待を裏切ったオリックス。もっと大きな原因は、金子千尋と糸井嘉男の投打の柱の不振だろう。
将来的に金子と糸井の代わりになるような、チームの軸となる選手を獲得すべきだった今ドラフト。流石に両方とも補強するというわけにはいかなかったが、1位で吉田正尚(青山学院大)を指名。将来的には、糸井クラスの活躍が期待できる資質を秘めた選手だ。
2.右投手
前述した金子も含めて、岸田護や平野佳寿ら、オリックス投手陣の右投手は高齢化。そこで今ドラフトでは、右投手の補強に着手。2位の近藤大亮(パナソニック)をはじめ、指名した投手は全て右腕だった。
3.捕手
今季低迷の理由は、捕手陣の層の薄さも挙げられる。正捕手となった伊藤光は、精神的な脆さも見受けられた。また年齢的にも、山崎勝己に頼りっぱなしという訳にもいかないだろう。
余裕があれば、今年のドラフトでは若月健矢のライバルとなる捕手を指名したかったところ。柘植世那(健大高崎高)など、相応しい人材はいたものの、今年のドラフトでは、育成2位で赤松幸輔(香川オリーブガイナーズ)1人に留まった。
4.右打ちの内野手
右打ちの内野手もオリックスの補強ポイント。特に二遊間が手薄で、安達了一と縞田拓弥は打撃面では心許ない。
結果、今ドラフトでは大城滉二(立教大)を3位指名。大学通算112安打を記録した安打製造機は、好守と脚力にも定評がある。
5.一、三塁を守れる野手
小谷野栄一や中島裕之、トニ・ブランコら、今季1軍で一、三塁を守った選手はケガが多く、年齢的にも大きな上積みは見込めない。
今年のドラフトでは、バックアップ要員を補充したかった。しかし、このポイントに合致する選手の指名はなかった。
《総合評価》B
投手6、捕手0、内野手2、外野手2と、総勢10選手を指名したオリックスのドラフト。投手1、捕手1の育成2選手を含めると、総勢12人も指名した。
1位の吉田は、将来的にはチームの中心選手になる可能性を秘めており、チーム内の世代交代は着々と進んでいる印象を受けた。また指名した投手全員が右投手と、思い切ったドラフト戦略には好感が持てる。
6位の佐藤世那(仙台育英高)、8位の角谷龍太(ジェイプロジェクト)、10位の杉本裕太郎(JR西日本)ら、個性的な選手も指名。FA市場での戦力補強に失敗した経験をふまえ、積極的なドラフト戦略に転じたといえるかもしれない。
文=野球太郎編集部