君はこんなもんじゃない・セ・リーグ選手名鑑
アマチュア時代の活躍をみると、まだまだできるはず、殻を破ってほしい、チームを・歴史を変える名選手になれる可能性も…と『野球太郎』ライター・編集部が期待、そして、伸び悩みをともに苦しむ気持ちをキーボードに乗せる!
ペナントレースは抜け目のない補強をした巨人が優位そうだが、それ以外はこちらも混戦になる可能性大! 特に2013年下位に沈んだチームほど伸び悩む選手は多く、彼らが開花するとなると、非常に楽しみな戦いになりそうだ。巨人は巨人で厚い選手層を若手選手が突き破れるか、という観点で興味深いチーム内での争いが繰り広げられるだろう。
「キミコン」セ・リーグ編は全部で16選手!
大田泰示(巨人)24歳・6年目
2013年の成績
1軍 21試合 打率.161 0本塁打2打点1盗塁
2軍 67試合 打率.272 13本塁打43打点7盗塁
開花するまで「こんなもんじゃない」と言い続ける。巨人2軍の育成を統括する大森剛氏(育成部ディレクター)は著書『若い力を伸ばす 読売巨人軍の補強と育成力』でこう書く。「あれだけの能力を持った選手をちゃんと育てられなかったら、巨人にとって、それは恥だ」(編集部・菊地選手)
中井大介(巨人)25歳・7年目
2013年の成績
1軍 48試合 打率.324 4本塁打17打点2盗塁
2軍 41試合 打率.338 3本塁打22打点3盗塁
花は開きかけてはいるが、ここからが本当の勝負。ポジションは固定でなくとも、130試合出場、2割8分5厘、15本塁打が現在の合格ライン。(ライター・服部健太郎)
藤村大介(巨人)25歳・7年目
2013年の成績
1軍 40試合 打率.191 0本塁打1打点4盗塁
2軍 78試合 打率.279 1本塁打30打点12盗塁
元盗塁王がファームで11回も刺されているようでは…。(ライター・久保弘毅)
歳内宏明(阪神)21歳・3年目
2013年の成績
1軍 5試合0勝0敗 8回 防御率5.63
2軍 12試合2勝3敗 44.1回 防御率4.87
阪神特有のこじんまりまとまった右投手になってしまうのか。(ライター・久保弘毅)
岩見優輝(広島)27歳・4年目
2013年の成績
1軍 3試合0勝0敗 3.1回 防御率0.00
2軍 29試合1勝3敗 47回 防御率3.26
プロらしい再現性はないけども、うまくはまればやれると思うのだが…。(ライター・久保弘毅)
岩本貴裕(広島)28歳・6年目
2013年の成績
1軍 82試合 打率.255 5本塁打24打点0盗塁
2軍 36試合 打率.307 3本塁打22打点0盗塁
2008年ドラフト1位も来季はもう6年目。ここまで瞬間的な活躍はあるものの、やはりレギュラー獲りを目指してほしい。(ライター・鈴木雷人)
伊藤準規(中日)23歳・6年目
2013年の成績
1軍 登板なし
2軍 2試合1勝0敗 8.1回 防御率4.32
技術的課題もあるが、シーズン終盤にポッと出てきて勝てる「才能」が長続きできれば…。18番が剥奪され、投手として今年が勝負の年になるだろう。ケガに打ち勝て!(編集部・西山)
堂上直倫(中日)26歳・8年目
2013年の成績
1軍 74試合 打率.171 1本塁打12打点1盗塁
2軍 32試合 打率.272 1本塁打8打点0盗塁
思えば「背番号1」を背負わされてしまったところに「キミコン」の運命が待っていたのかもしれない。高木守道から藤王康晴、近藤真一、種田仁、福留孝介、そして堂上直倫と受け継がれてきた「背番号1」。周囲の大きな期待に十分に応えきれたのは福留くらいだ。高校時代がピークだったと言わせないよう、何が何でも飛躍を期待したい。(ライター・ゆきやす)
高橋周平(中日)20歳・3年目
2013年の成績
1軍 66試合 打率.249 5本塁打27打点0盗塁
2軍 52試合 打率.280 0本塁打24打点0盗塁
1年目の73打数11安打2本塁打から、昨季は212打数49安打5本塁打と着実なステップアップは感じる。だが、高校時代のふてぶてしいまでの堂々とした打席でのたたずまいが、まだまだ感じられない。背番号も「31」から「9」に変わり、今季はチームの顔になるほどの活躍に期待。(編集部・持木)
加賀美希昇(DeNA)26歳・4年目
2013年の成績
1軍 8試合1勝4敗 31.1回 防御率6.03
2軍 9試合3勝2敗1S 50回 防御率4.50
2008年の大学2年秋、水曜日まで及んだ早稲田大vs法政大4回戦。あの試合、延長13回の涙と力投は六大学の歴史上に残したい。いいストレートと変化球を持っているのだから自信を持って!(編集部・西山)
眞下貴之(DeNA)23歳・5年目
2013年の成績
1軍 登板なし
2軍 13試合3勝1敗 55.1回 防御率3.09
プロ2年目の春季キャンプ、ブルペンで最も重量感のあるストレートと、真っ逆さまに落ちるカーブを投げていた姿が忘れられない。フォームをあれこれイジられたようだが、自分が最も快適に振れる腕の振りを貫いてほしい。(編集部・菊地選手)
筒香嘉智(DeNA)23歳・5年目
2013年の成績
1軍 23試合 打率.216 1本塁打3打点1盗塁
2軍 77試合 打率.272 7本塁打45打点1盗塁
どこでどう間違ったんだろう? こんなはずじゃなかったのに。(ライター・久保弘毅)
松本啓二朗(DeNA)28歳・6年目
2013年の成績
1軍 72試合 打率.247 4本塁打14打点0盗塁
2軍 31試合 打率.269 1本塁打8打点4盗塁
「肩が弱い」と某外国人と再契約しなかったフロント陣の頭にはきっと松本の強肩があったのだろう…と思いたい。大学出のドラ1がこんな成績で終わるわけがない。(編集部・西山)
武内晋一(ヤクルト)31歳・9年目
2013年の成績
1軍 76試合 打率.185 3本塁打19打点1盗塁
2軍 13試合 打率.357 2本塁打14打点0盗塁
強打者らしさ漂う立ち姿と数字とのミスマッチがなんとも言えない。雰囲気イケメンならぬ雰囲気スラッガー。(ライター・久保弘毅)
雄平(ヤクルト)30歳・12年目
2013年の成績
1軍 13試合 打率.297 2本塁打3打点0盗塁
2軍 出場なし
野手転向後4年目の昨季はいい感じでレギュラー獲得へ走りだした、というところで4月17日に右ヒザ前十字じん帯を断裂。今年こそ高い能力を結果で示したい。30歳、チャンスを与えられるのも少なくなってきた。(編集部・西山)
松井淳(ヤクルト)27歳・5年目
2013年の成績
1軍 11試合 打率.233 0本塁打0打点0盗塁
2軍 32試合 打率.258 0本塁打8打点2盗塁
2012年交流戦で牧田和久(西武)からプロ初本塁打。楽天戦では田中将大から本塁打を放ち、同年は46試合150打席で5弾。飛躍が期待された2013年は6月、2軍で死球を受けて左手首骨折。その影響で打撃不振に終わったものの、猛烈なスイングスピードから生まれる高速弾道を見ると、このままでいるはずがないと思える。打席での姿に、どこか昭和の香りが漂うのも魅力。(ライター・高橋安幸)