父のDNAを継いで、プロでも4番打者を目指す! 横浜DeNA育成2位指名・山本武白志に迫る
本誌『野球太郎 ドラフト直前大特集号』でお馴染みの、ドラフト候補選手と、彼らを育てた監督の証言で構成される「監督・選手インタビュー」。今回はDeNAから育成2位指名を受けた、山本武白志(九州国際大付)と、指導した楠城徹監督のインタビューを公開しよう。
●楠城徹監督の証言
★最初の印象
山本のことは昨年の就任前に2度球場で見ており、甲子園の試合もテレビでチェックしていました。状態が悪く気になる点もあったので、戻ってきたら修正しなければいけないなと思っていました。
★最初の改造
ヘッドが体から離れやすい構え、スイングをしていたので、甲子園ではなかなか結果が出ないだろうと感じていました。そういう話をしたら、本人も納得してすぐに修正してくれました。意外に器用なのでビックリしましたね。修正能力はセンスなので、そこは素晴らしいと感じました。
★九州大会3連発
春の大会で強いチームとたくさん試合ができました。そのなかで九州大会の3試合連続ホームランなど結果を残したことで、本人の中で方向性が固まったのだと思います。今までやってきたことが間違いではない、これを伸ばしていけばいいんだという確証を得たのではないでしょうか。
★九州大会の怪我
準決勝前の公式練習で小指を骨折してしまったのですが、すべてをプラスに考えて、休ませるところは休ませようと切り替えました。キャッチボールはできたので投球練習もやらせてみたり、走り込みの期間にあててみたり。下半身強化はマイナスにはなりませんからね。夏には間に合うという報告も受けていたので、練習試合を回避しながらゆっくり調整させました。
★甲子園3本塁打
チームが苦しい時に一発が出て試合を決める。それが野球の醍醐味ですよね。もともと内側はさばけるはずなので、外角を左中間なり中堅に強く運べるかが彼の課題だったのです。そういう意味では、甲子園でのホームランは理想的な打撃だったと評価しています。
★これから
彼の父親(山本功児、元巨人ほか)のように、プロで4番打者を目指してほしい。1、2番を打つ選手ではないので、クリーンアップを任されるだけの打棒を磨いてほしいと思います。
●山本武白志の証言
★大舞台の強さ
昨年、記録したホームランはすべて公式戦で記録しました。九州大会や甲子園など、場面的にもいいところで打てていたと思います。やっぱり自分はお客さんがたくさん入っている方が燃えますね。満員のお客さんの前で打った甲子園でのホームランはものすごく気持ちよかったです。
★律義さ
甲子園で負けた後、帰ってから携帯電話の電源を入れたら、溜まりに溜まっていたメッセージが一気に600件ほど入ってきました。ホームランを3本打ったので、1本につき200件ペースですよね(笑)。
甲子園が終わってゆっくりする時間もあったので、すべてのメッセージに対して返事をしました。最後まで応援してくれた
人たちには、やはりお礼を言っておきたかったので。
★これから
小さな頃から父の影響で、身近にプロ野球がある日常を感じながら育ってきました。野球場に応援に来てくれるお客さんやテレビの前の人たちを魅了できる打者になりたいし、人気者にもなりたいです。自分の武器であるバットで、夢や希望を与えられる選手であり続けたいですね。
※この記事は『野球太郎No.016 2015ドラフト直前大特集号』の「ドラフト候補&指導者マンツーマン・インタビュー」より、ダイジェストでお届けしております。
構成=野球太郎編集部