プロ野球年俸対決! 大減俸・杉内俊哉(巨人)vs.大増俸・柳田悠岐(ソフトバンク)
ストーブリーグの目玉といえば契約更改。大活躍で年俸大幅アップを勝ち取る選手もいれば、不調やケガで大減俸を余儀なくされる選手もいる。今回、そんな明暗がくっきり分かれた契約更改格差を紹介しよう。
※以下、文中の金額はすべて推定
【大減俸】杉内俊哉(巨人)5億円→5000万円(90%減)
4年契約の最終年となった2015年シーズン、巨人移籍後自己最低となる6勝6敗、防御率3.95に終わった杉内。7月には早くも股関節痛で戦線離脱。シーズン終了まで1軍登板なしで10月には手術を敢行。復帰は早くて来夏になる予定だ。
その杉内の2015年の年俸ランキングは全プロ野球選手中2位の5億円。しかし、この冬の契約更改では自ら大減俸を申し入れ、減俸制限40%を大きく超える90%オフの5000万円+出来高で更改した。4億5000万円の減額は史上最大だ。
杉内といえばソフトバンク時代の2010年、17勝6敗、防御率3.55の成績を残し、5000万円増の3億5000万円を提示されたもののそれを保留。「携帯電話会社と同じですよ。新規加入の人には優しくて既存の人はそのまま」と痛烈に親会社を皮肉った過去がある。
今回も「新聞販売店と同じですよ。新規の人には洗剤とかトイレットペーパーをいっぱいくれて…」などと言いたかったかも知れないが、自身の成績やチーム成績、ケガも重なったためか、意外にもしんみりした姿勢だった。
35歳で迎える来シーズン。夏場からフル稼働し、失った年俸を取り戻したいところだ。
【大増俸】柳田悠岐(ソフトバンク)9000万円→2億7000万円(200%増)
一方、大増俸になったのは柳田悠岐。今シーズンは打率.363、34本塁打、99打点、32盗塁でトリプルスリーを達成。首位打者、最高出塁率のタイトルに加えて、MVP、ベストナイン、ゴールデングラブ賞も獲得した。
チームも日本一に輝いたため、御祝儀査定も入り、なんと3倍増の2億7000万円の契約をゲット。1億円プレーヤーを飛び越え、いきなり2億円プレーヤーへの仲間入りを果たした。
ちなみに柳田のルーキーイヤーの2011年は、杉内のソフトバンク最終年と重なる。当時の年俸は柳田が1200万円、杉内が3億5000万円。柳田にとってはルーキー当時のチームの顔を年俸で追い抜いた形だ。
来季は“盛者必衰”を象徴するシーズンとなるのか、それとも杉内が復活し巻き返すのか。2人の活躍に注目したい。
文=落合初春(おちあい・もとはる)