バレンティンの処遇も気になるが、1月の最大の話題は破格の契約を結んだ田中将大!
『今週の野球みどころランキング』は、1月に注目度の高まっている野球関連の話題について紹介していきます。
今年も何卒よろしくお願いいたします。
大学生ドラフト候補が「勝負の年」に向け始動
―――大学野球
今年もドラフト候補たちの“練習始め”に多くのスカウトが集結した。中でも好選手が全国から集う東京六大学と東都大学の両リーグの大学に大きな注目が集まった。
早稲田大ではドラフト候補の主将・中村奨吾がチームの優勝とともに「リーグ通算100安打」を目標に掲げ、同じくドラフト候補のエース・有原航平らとともに5日に始動した。
彼らのライバルとなる両左腕、明治大・山?福也が6日、法政大・石田健大も7日に始動。
東都大学リーグの注目は「甲子園春夏連覇左腕」の中央大・島袋洋奨。ここ2年は突如コントロールを乱すなど不安定な投球が続いているが、左腕から繰り出されるMAX150キロのストレートを中心とした投球は、他校の脅威で、これまでの3年間でイニング数を上回る奪三振数を記録している。
野手での注目は駒澤大の江越大賀。走攻守三拍子揃った右打ちの外野手で、昨秋のリーグ戦で國學院大・杉浦稔大(現ヤクルト)から、見事な流し打ちでライトにスタンドインさせるなど、これまでリーグ通算9本塁打。俊足を生かした積極的な走塁と守備も光る、華のある選手だ。8日に始動し、「打率3割と打点2ケタ」と今春リーグ戦の目標を掲げた。
また両リーグ以外にも好素材はまだまだいる。
中でも注目したいのは京都大(関西学生リーグ)の田中英祐と、横浜商科大(神奈川大学リーグ)の進藤拓也の両右腕。
京都大の田中は、昨秋のリーグ戦では、対立命館大1回戦で、なんと延長21回237球13安打15奪三振の快投を演じた。この他の登板でも好投を続け、未勝利ながらベストナインを獲得。もしドラフト指名されれば京都大史上初となるが、「まずは春のリーグ戦。開幕節で勝ち点を取る」と目の前の目標に集中する。
横浜商科大の進藤は、最速150キロのストレートが武器。昨年まではプロ入りを果たしたWエース・岩貞祐太(現阪神)と西宮悠介(現楽天)の影に隠れていたが、佐々木正雄監督は「本当に良い球を投げる」と太鼓判を押している。秘めたる才能が開花する日も近いか。
▲これまで登板機会の少なかった横浜商科大・進藤拓也だが、今年はエースとして期待されており、露出度アップで一気にドラフト上位候補へ駆け上がりたい。[高木遊撮影]
また、九州屈指の強豪校、九州共立大・仲里清監督が今春をもって退任すると9日に発表。ドラフト1位指名右腕・大瀬良大地(広島)や新垣渚(ソフトバンク)らを育て、1999年の明治神宮大会優勝に導いた名将は有終の美を飾ることはできるのか。今春の九州共立大の戦いにも注目だ。
センバツ出場校発表! 帰って来る「やまびこ打線」に、初出場の都立校など
―――高校野球
春の訪れを告げる第86回選抜高校野球大会(以下、センバツ)の全出場校32校が24日発表された。
中でも注目が大きかったのは中国・四国代表で選出された池田高(徳島)。「やまびこ打線」と呼ばれた強打線で、1982年夏に甲子園初制覇、さらに翌春もセンバツを制し、史上4校目の夏春連覇を達成するなど、一時代を築いた。
近年は甲子園から遠ざかっていたが、昨秋に四国大会準優勝を果たし、1992年夏以来、センバツとしては27年ぶり8回目の出場を決めた。
また21世紀枠では、小山台高が選出され、東京都立の高校として初となるセンバツ出場を決めた。狭いグラウンドや通信制との兼ね合いで、練習時間が長く取れないなど制約が多い中で文武両道を実践。昨秋には堀越高や早稲田実業など強豪私立校を破り8強進出。都立校の出場はこれまで夏に東西合わせて4度あるが、未勝利。「都立校として初勝利を目指す」と福島正信監督は意気込んだ。
毎年、議論が白熱される関東・東京6校目、中国・四国の5校目だが、関東では昨夏のメンバーが多く残る横浜高(神奈川)が総合力を評価され選出。また同様の理由で昨夏の出場経験があり、好投手・岸潤一郎を擁する明徳義塾高(高知)が 中国・四国の5校目に滑り込んだ。
また補欠校の選出では近年問題視されている「ラフプレー」が挙げられ、東北大会準決勝の対八戸学院光星高(青森)で本塁突入の走者が捕手にタックルを見舞い、脳しんとうで負傷退場させてしまった花巻東高(岩手)が補欠校に選出されず。また同様なプレーを行ったとされる高川学園高(山口)も四国・中国枠の5校目の当落線上かと思われたが、補欠校2位となった。
今年のセンバツは3月14日に組み合わせ抽選会が行われ、21日に熱戦の火ぶたが切られる。
キャンプの1・2軍振り分けが発表。ルーキーイヤーのスタートダッシュを切るのは誰か!?
―――プロ野球
2月1日のキャンプインを前に、各球団がキャンプメンバーの1・2軍振り分けを発表。ここでは1軍帯同となった注目のルーキーたちを紹介する。
「注目」という面でいの一番に名前が挙がるのはもちろん、楽天ドラフト1位の松井裕樹。楽天のルーキーでは唯一の1軍スタートとなり、同部屋には昨年のパ・リーグ新人王・則本昂大と、その期待の高さがうかがえる。
一方、昨年セ・リーグ最下位に沈んだヤクルトは高卒新人の児山祐斗を除く全選手が開幕1軍スタートとなった。例年多くの新人選手が1軍スタートとなる同球団の、今年の注目はドラフト1位の杉浦稔大。早くも2月22日に行われるオープン戦初戦、対楽天での起用が検討されている。
高卒の野手で大抜擢の1軍スタートとなったのが、東邦高からドラフト5位でDeNAに入団した関根大気。同球団の高卒新人野手でキャンプ1軍スタートとなるのは2000年の田中一徳以来14年ぶりとなる。
▲関根大気(東邦高在籍時)
一方で災難に見舞われたのは、阪神のルーキー2人、ドラフト1位の岩貞祐太が16日に発熱でダウンすると、20日にはドラフト3位の陽川尚将が内科的疾患のため、西宮市内の病院に入院。21日に退院したが、しばらくは運動制限をかけた別メニューとなる模様だ。
岩貞は1軍の沖縄キャンプ帯同が内定していたが、2軍の安芸キャンプからのスタートに。だが練習に完全復帰となった24日には「体力面も気にならなかった」と話し、巻き返しを誓った。
またキャンプインを目前に残念なニュースも。
西武の2年目・相内誠が、未成年でありながらの飲酒および喫煙が発覚。ドラフト指名直後の2012年12月にも道路交通法違反(車の無免許運転と速度超過)の疑いで千葉県警に摘発され、入団が凍結された過去があるだけに球団も大きく問題視。22日に「6カ月間の対外試合出場禁止、外出規制」処分が言い渡された。キャンプに関しては2軍の春野キャンプに参加する予定で、実戦復帰可能となる7月下旬までに一つ一つ信頼を取り戻すしかないだろう。
バレンティンがアメリカで逮捕。最悪の事態は回避か
―――プロ野球
1月14日、日本のプロ野球ファンに衝撃を与えるニュースが飛び込んだ。
バレンティン、妻への監禁・暴行容疑で逮捕――。
誰もが目を疑う情報が飛び込んだ発端は、現地時間12日。アメリカ・フロリダ州マイアミ近郊の夫人宅へ離婚協議中だったウラディミール・バレンティンが訪問。しかし、中に入れてもらえなかったため、侵入。その後、現行犯で逮捕された。
昨年、シーズン通算60本塁打を放ち、日本新記録を樹立した大砲が引き起こしたドタバタ劇に、ヤクルト球団も迅速に対応。奥村編成部国際担当を緊急渡米させるなど、事態の把握に努めた。
16日に保釈金5万ドル(約525万円)を支払い保釈されたバレンティンは会見を行い、自身の無罪を主張するとともに、日本のファンに謝罪。「出直しのチャンスをください」と頭を下げた。
27日現在の状況では、渡航許可がおり2月1日のキャンプインにはなんとか間に合う模様。離婚協議で帰国し5月に6試合ほど欠場する見込みはあるものの、「入国できず長期離脱」という最悪の事態は免れたようだ。
田中将大、名門・ヤンキースと超大型契約で合意
―――MLB
新ポスティングシステムでメジャー移籍を目指していた楽天の田中将大が、7年総額1億5500万ドル(約161億円2000万円)の契約でヤンキースと合意に達したと、22日にアメリカの複数メディアが伝えた。なんとこの総額の年俸はメジャーリーグの投手で史上5番目の高額契約。ワールドシリーズ27回制覇の超名門・ヤンキースの高い期待がうかがえる。
23日に記者会見を行った田中は「入団から7年間楽天イーグルスにお世話になりましたし、温かく見守ってくれたファンの皆さまにお礼を申し上げたい」と感謝の言葉を述べ、ヤンキースを選んだ理由について「最大限の評価をしてもらった」と話した。
新たな背番号は「19」となる模様で、「自分らしく、楽天イーグルスでしてきたピッチングを向こうのマウンドでもできれば。世界一になりたい」意気込みを力強く語った。
背番号「19」は通算236勝を挙げたホワイティ・フォードもデビューイヤーにつけた出世番号。アメリカでも一気にスターダムへ駆け上がることができるか。今から開幕が楽しみである。
■プロフィール
文=高木遊(たかぎ・ゆう)/1988年、東京都出身。幼い頃よりスポーツ観戦に勤しみ、東洋大学社会学部卒業後、スポーツライターとして活動を開始。昨年は東都大学野球春・秋1部全試合を取材。大学野球を中心に、アイスホッケー、ラグビー、ボクシングなども取材領域とする。高木遊の
『熱闘通信』随時更新中(http://www.plus-blog.sportsnavi.com/buaka/)
twitter(@you_the_ballad)
センバツ高校野球情報
北海道(1)…駒大苫小牧
東北(2)…八戸学院光星、東陵
関東(5)…白鴎大足利、桐生第一、山梨学院大付、佐野日大、横浜
東京(1)…関東一
北信越(2)…日本文理、東海大三
東海(2)…三重、豊川
近畿(6)…龍谷大平安、智辯和歌山、履正社、報徳学園、福知山成美、智辯学園
中国(2)…岩国、広島新庄
四国(3)…今治西、池田、明徳義塾
九州(5)…沖縄尚学、美里工、鎮西、神村学園、創成館
21世紀枠(3)…都小山台(東京)、海南(和歌山)、大島(鹿児島)
プロ野球キャンプ地情報
東北楽天ゴールデンイーグルス
1軍:2月1日〜13日
休日予定=7日
主な練習場:久米島野球場
2軍:2月1日〜3月2日
休日予定=7日(13日以降は未定)
主な練習場:仲里球場
埼玉西武ライオンズ
A班:2月1日〜21日
休日予定=5日、10日、14日、19日
主な練習場:宮崎県南郷中央公園
B班:2月1日〜20日
休日予定=5日、10日、15日
主な練習場:高知県立春野総合運動公園
千葉ロッテマリーンズ
1軍:2月1日〜19日(14日まで2軍と合同)
休日予定=5日、10日、15日
主な練習場:石垣市中央運動公園野球場
2軍:≪第2次キャンプ≫2月16日〜28日
休日予定=19日、24日
主な練習場:鹿児島県薩摩川内市総合運動公園
福岡ソフトバンクホークス
1軍、2軍合同:2月1日〜27日
休日予定=5日、10、14、19日、24日
練習場:宮崎市生目の杜運動公園
オリックス・バファローズ
A 組:2月 1日〜21日
主な練習場:宮古島市民球場
B 組:2月 1日〜3月 3日(休日予定日はA組、B組ともに未定)
主な練習場:宮古島・下地球場(2月22日から宮古島市民球場)
北海道日本ハムファイターズ
1軍:2月1日〜3月1日
休日予定=5日、10日、14日、19日、24、28日
主な練習場:名護市営球場
2軍:2月1日〜21日 ※2月14日のみ名護市営球場
休日予定=5日、10日、17日
主な練習場:くにがみ球場
読売ジャイアンツ
1軍:≪第1次宮崎キャンプ≫2月1日〜14日
休日予定=5日、10日
主な練習場:宮崎県総合運動公園
≪第2次沖縄キャンプ≫2月15日〜27日
休日予定=19日、24日
主な練習場:奥武山公園・沖縄セルラースタジアム那覇
2軍:2月1日〜28日
休日予定=5日、10日、14日、19日、24日
主な練習場:宮崎県総合運動公園
阪神タイガース
1軍:2月 1日〜26日
休日予定=6日、12日、17日、21日
主な練習場:宜野座村営野球場
2軍:2月 1日〜26日
休日予定=7日、12日、18日、25日
主な練習場:安芸市営球場
広島東洋カープ
1軍:≪第1次宮崎キャンプ≫2月1日〜19日
休日予定=5日、10日、14日
主な練習場:日南市天福球場
≪第2次沖縄キャンプ≫2月21日〜3月3日
休日予定=20日、27日
主な練習場:沖縄市野球場(コザしんきんスタジアム)
2軍:2月1日〜27日
休日予定=6日、12日、18日、22日
主な練習場:東光寺球場(日南総合運動公園野球場)
中日ドラゴンズ
1軍、2軍:2月1日〜27日
休日予定=4日、10日、17日、24日
主な練習場
1軍:北谷公園野球場
2軍:平和の森球場
横浜DeNAベイスターズ
1軍:2月1日〜28日
休日予定=6日、12日、18日、24日
主な練習場:宜野湾市立野球場
2軍:≪第1次横須賀キャンプ≫2月1日〜6日
練習場:横浜DeNAベイスターズ 総合練習場
≪第2次沖縄キャンプ≫2月8日〜28日
休日予定=14日、21日
主な練習場:嘉手納町営野球場
東京ヤクルトスワローズ
1軍:2月1日〜21日
休日予定=5日、10日、14日、20日
主な練習場:浦添市民球場
2軍:2月1日〜27日
休日予定=6日、12日、18日、22日
主な練習場:西都原運動公園野球場