【ドラフト特集】《福岡ソフトバンクホークス》補強ポイントとドラフト指名予想
【この記事の読みどころ】
・現有戦力は豊富。今年も先を見すえた素材を
・少々心もとない左投げのリリーフタイプは必須
・3軍制を敷いているソフトバンクでじっくりと育ててみたい選手の指名に期待
☆急を要する大きな穴はなし
昨年の1位指名は、盛岡大付高・松本裕樹。競合かともいわれたが、松本がケガしていたこともあり単独指名となった。ソフトバンクには急を要する補強ポイントがなく、育成環境が整っていることからできた指名ともいえる。その状況は今年も同じで、即戦力よりも素材型重視のドラフトになる。
U-18日本代表にも選ばれた大分商高・森下暢仁は、高校生屈指の右腕。笠谷俊介の1年後輩でもあるが、進学が濃厚で4年後のプロ入りを目指す。
戦力的に大きな穴は見当たらないが、左のリリーフが少々心もとない。森福允彦が調子を落とし、飯田優也が経験を積んだものの、層を厚くしておきたい。JR九州・福敬登は、飄々とした左腕。力感のあるフォームではないが、ピッチングに落ち着きがある。
鷺宮製作所・野川拓斗は小さな体を目一杯使い140キロ前後の速球をテンポよく投げ込む。鼻っ柱の強いピッチングも魅力だ。ほかには変則的左腕の西部ガス・今村幸志郎も候補だ。
☆将来性のある捕手と三塁手
捕手は昨年、2位で栗原陵矢、育成枠で堀内汰門を指名。また、斐紹が力をつけていることもあり、わざわざ獲りにいく必要はないが、
初芝橋本高・黒瀬健太が残っていたら指名したい。がっしりとした体格ながら、打撃は柔らかい。器用な面もあり、打撃を生かし、松田宣浩のあとの三塁手として鍛えるのもいいだろう。
東京ガス・地引雄貴は、強肩捕手だが力強いスイングを評価する声が多い。外野か三塁で打撃に専念させるのもいいだろう。松田に何かあったときのバックアップに最適だ。
☆右の外野手と左のスラッガー
外野の構成を見ると、主力に左打者が多い。打線のバランスを考えると右打ちの外野手を獲得しておきたい。関東一高・オコエ瑠偉を獲得できれば文句なしで、右翼に柳田、中堅にオコエという布陣は想像するだけでも心が躍るが、上位で指名しないと厳しい。
打者のタイプでは、左打ちのスラッガータイプが柳田悠岐しかいない。れいめい高・火ノ浦明正は、リストが強く、球を引きつけて打てる。ホームランバッターではないが、東海大菅生高でエースだった勝俣翔貴は、バッティングなら今年の高校生でトップクラス。今夏のU-18で外野手として出場し、ホームランを打ったことは記憶に新しい。3軍制を敷いているソフトバンクで、じっくりと育ててみたい選手だ。
☆補強ポイント&オススメ選手
将来性重視の指名の象徴だったが……
森下 暢仁
(投手/大分商高/右右)
心もとない左のリリーフの即戦力
福 敬登
(投手/JR九州/左左)
捕手の補強兼将来の中軸候補
黒瀬 健太
(捕手/初芝橋本高/右右)
強打を生かしてコンバートも視野に
地引 雄貴
(内野手・外野手/東京ガス/右右)
強打線を受け継ぐスラッガー候補
火ノ浦 明正
(外野手/れいめい高/右左)
カッコ内は左から、ポジション/経歴/投打
※この文面は『野球太郎No.016 2015ドラフト直前大特集号』より、抜粋しております。詳しくご覧になりたい方は、是非とも本誌をお買い求めください。