7月9日〜30日(北九州市民球場ほか)
抜け目ない打線を組む西日本短大付が◎
ノーヒットノーランエースはどう挑む?
●甲乙つけがたい両雄
県下ナンバーワン投手は濱地真澄(福大大濠)か、梅野雄吾(九産大九産)か。タイプが違うゆえに意見は二分している。
濱地はチームの「勝ち」にこだわる。ノーヒットノーランを達成した春季大会準々決勝・門司学園戦は象徴的だった。手元でのびる体感140キロ台のストレート(数字は130キロ台前半)で詰まらせる辛抱の投球から、チームが勝ち越すとギアをあげ、相手打線を沈黙させた。
梅野は舞台装置が整うほど、「気持ち」で投げる。昨秋、濱地との直接対決にて、ノーヒットノーランを演じた。またスカウトが見守る気温10度の初練習試合の初球に146キロ、最速151キロとアドレナリン全開。154キロを計測した今、頑強な体躯をスパークさせ、155キロを目指す。
県立進学校エース・益田武尚(嘉穂)が、「第3の男」に名乗りをあげた。柔らかいヒジ使いからノビのある145キロを投げる。福岡には、県立進学校からプロ入りを輩出する土壌があり、木谷良平(小倉/現ヤクルト)、竹下真吾(八幡/現ヤクルト)、今永昇太(北筑/現DeNA)らに続いてほしい。
春の公式戦未登板で出遅れた「元・第3の男」は岩田諒大(自由ケ丘)。タテのカーブとストレートのコンビネーションがいい。夏の復活なるか? 藤本海斗(九州国際大付)、青山凌太朗(福岡工大城東)も140キロ超をマークし、速球派右腕が豊作である。春先に開花した若松悠平(祐誠)は、兄・駿太(中日)ゆずりのバランスよいフォームで伸びしろを感じる。
変則左腕・岩田将貴(九産大九州)は春季九州大会で復活した。球速は追わず、緩急や球の出し入れで勝負するタイプ。左腕では、ズドンとくる浜名公貴(東福岡)とスピンのきいた坂元翔太(福工大城東)も面白い。