【君はこんなもんじゃない選手名鑑2014】
☆ファン待望の和製大砲がやってきた!
2006年大・社ドラフト3巡目でロッテに入団した神戸拓光。流通経済大時代は1年春に東京新大学リーグで優勝しベストナイン。厳しいマークのなか大学通算14発を放ち、無名だった土浦日大高時代から、その長距離砲としての才能を一気に開花させた。なんといってもその魅力は190センチ100キロの日本人離れした体躯が生み出す、規格外の飛距離。指名直後のロッテファンは「これでロッテ待望の和製大砲がやってきた!」と、色めき立ったものだ。
しかし、ここまで1軍での本塁打はわずか4本。その期待を裏切り続けて今年は崖っぷちのプロ入り8年目のシーズンを迎える。ドラフト直前、当時の『野球小僧10月号』に掲載されているインタビューが興味深い。指導していた流通経済大の太田垣克幸監督(当時)はこう語っている。
「精神的な部分にはまだ物足りなさを感じています。一人っ子という育った環境もあるのでしょう。練習態度や普段の生活を見ていても、まだまだ甘さがある。それが試合での好不調の波にもつながっていて、いいときにはいいけど、悪くなったときには歯止めがききません」
これだ…。精神的な甘さ、そして一人っ子特有のギラギラした闘争心みたいなものがないことが、伸び悩みの原因では…とファンは考えてしまうのだ。
☆プロレスなみの場外乱闘? 野球以外で目立つシーズンが続く…
2010年4月9日の西武戦。自打球で負傷退場した福浦和也の代打として、打席途中で登場した神戸は、なんとロッテファンの待つ右中間に3ランを放った。興奮した神戸は大喜びでベースを一周。終いにはベンチ前で当時、流行っていたインリン・オブ・ジョイトイばりの“M字開脚”をライトスタンドのファンにプレゼント。
まあ、そりゃ相手チームは怒る。次の打席では右スネ付近に、明らかにそれとわかる報復球をお見舞いされた。しかもその球を投じたのが、今シーズンから同僚となる涌井秀章とは…。その投球を巡って両軍ナインがホームベース付近でもみ合いになり、後味の悪い試合となってしまった。試合後の神戸は、相手への屈辱行為などは一切考えず、単純に嬉しかったので、それを表現してしまったとコメント。こうしたところに思慮不足や甘さがあるのでは、と感じてしまう。一連のブログやTwitterでの炎上事件もしかり。本人は返す言葉もないだろう。
☆心機一転! 今季は最後のチャンスと心得よ
厳しいことを言うのは、神戸にはまだまだ期待しているからこそ。今季はブラゼル、福浦らと出場機会を争うことになるだろう。正直、キャンプやオープン戦で相当打ちまくってアピールしないと、開幕一軍すら危うい状況だ。
昨季のチーム内の本塁打王は23本の井口資仁。続いて途中加入のブラゼルの11本、続いて今江敏晃の10本と、2ケタ本塁打を記録した打者は3人しかいない。だからこそ、神戸にはチャンスがあり、ファンもまだまだ見限るわけにはいかないのだ。
今季は最低限でも2ケタ以上の本塁打を放って、ロッテファンを興奮させて欲しい。ただし本塁打を打った後は、興奮せずに落ち着いてベースを一周してくれよな、神戸!