昨季トリプルスリーの山田哲人と柳田悠岐。今季は対照的な成績を残す2人の活躍予想は?
昨年、トリプルスリーを達成した山田哲人(ヤクルト)、柳田悠岐(ソフトバンク)のふたり。当然ながら、今年もチームの主軸として、さらなる活躍が期待されるわけだが、ここまでの両選手の成績は、くっきりと明暗が分かれている。
☆今季の両選手の成績とリーグ内の順位
(5月10日終了時)
【山田哲人】
打率 .353(2位)
本塁打 12本(1位)
盗塁 9個(1位)
【柳田悠岐】
打率 .269(18位)
本塁打 4本(9位)
盗塁 5個(9位)
見てのとおり、山田が開幕からハイレベルな数字を残しているのに対して、柳田は、ここまでは「普通の選手」だ。なお、このままのペースで143試合のレギュラーシーズンを終えたとしたら、最終的にはどうなるのか? それがこちら。
【山田哲人】
打率 .353
本塁打 46.4本
盗塁 34.8個
【柳田悠岐】
打率 .269
本塁打 17.3本
盗塁 21.7個
山田は2年連続トリプルスリー達成、しかも3部門とも昨年を上回る見事なフィニッシュ。一方の柳田は、まさかの残念な結果に……。もちろん、まだ100試合以上残っているので、山田がスランプに陥る可能性もあるし、柳田がこのまま終わるとも思えない。
事実、開幕当初の柳田は、四球ばかりで勝負を避けられ、なかなかバットを振らせてもらえずリズムに乗れなかった。しかし、5月に入り、10日までの8試合で、打率.367、2本塁打、2盗塁と、調子を上げてきている。
ちなみに、5月11日以降の残り試合を、ここまでの5月の成績並みのペースで成績を残すとすると、柳田の最終的な成績は以下のようになる。
☆柳田が5月1〜10日のペースで残り試合を消化したら……
打率 .345
本塁打 31.5本
盗塁 32.5個
昨年は、3〜4月が打率2割台と低調なスタートから、最終的にはしっかりと数字をまとめた山田。それに対して、シーズン当初から好調で、7月に数字がガクッと落ち、8〜9月にV字回復させた柳田。それが今季のここまでの両者は、昨季とまったく逆の流れとなっている。
果たして、歴史的トリプルスリーコンビにはどんな未来が待ち受けているのか。今季の新たな目標として、山田はゴールデングラブ賞、柳田は40本塁打40盗塁を掲げていた。その行方も含め、シーズン終了まで目が離せない両者である。
文=藤山剣(ふじやま・けん)