お騒がせ? 大活躍の予感? キャンプこそ“助っ人”選手に要注目!! パ・リーグ編
チームによっては、既に紅白戦や練習試合を行っているプロ野球キャンプ。『週刊野球太郎』では今週も、キャンプで練習に励む「がんばる選手を応援する週刊キャンプレポート」をお送りしよう。
キャンプのこの時期こそ、注目が集まるのが各球団の新外国人選手たちだ。一体、どの程度の実力なのか、シーズンを通して活躍できるのか……など、様々な論評に晒されながら、異国の地で必死に結果を出そうとがんばっている。今回はそんな応援したくなる“助っ人”選手たちを、ランキング形式で紹介しよう。
ジェレミー・ハーミッダ
――北海道日本ハムファイターズ
各球団ともキャンプは第2クールを迎え、紅白戦などの実戦形式の練習が多くなってきた。2月8日、日本ハム紅白戦で文字通り“挨拶代わり”の1発を放ったのが、ハーミッダだ。
2年目右腕・高梨裕稔のフォークを捉えた打球は、一直線にライト後方の防球ネットへ。文句なしの本塁打を放ったハーミッダは、今季来日した外国人選手のなかでも、実績度はピカイチ。メジャーでは2002年にドラフト1巡指名で、マーリンズに入団。メジャー通算8年間で65本塁打を記録しており、2007年からは3年連続2ケタ本塁打を放つなど、実力は十分にある。
11日の阪神との練習試合では、スコアボード表記がハーミッグと、「ダ」と「グ」を間違えて表示されたハプニングも。今季は大活躍して、その名前を日本中の野球ファンに知らしめてほしいところだ。
郭俊麟(カク・シュンリン)
――埼玉西武ライオンズ
このキャンプで「予想以上」の高評価を得たのが、郭俊麟(カク・シュンリン)だ。フリー打撃に初登板した際は、抜群の安定感を披露。見守った田辺徳雄監督も「郭だけに格(カク)が違う」とあまり面白くないダジャレを披露。指揮官の舌を滑らかにするほど、郭の投球は見事だった。
実はこの郭、出身地の台湾ではプロ経験がない。昨年11月、母国で開催された21Uワールドカップでは、台湾代表のエースとして優勝に貢献。最速153キロのストレートと、スライダーやブレーキの利いたカーブなどの多彩な変化球とのコンビネーションがウリだ。
2月2日に23歳になったばかりで、プロ経験が無いため、球団が資格申請し実行委員会で承認されれば、新人王の資格が認められる郭。第3クール以降も紅白戦に登板予定で、今後の投球もチェックしたい。
チェン・グァンユウ
――千葉ロッテマリーンズ
ダジャレといえば、「全然(チェンチェン)、大丈夫です!」と、名前に絡んだ変なダジャレを教え込まれたのが、昨季DeNAから戦力外となり、トライアウトを経てロッテに入団したチェン・グァンユウだ。
前述した郭俊麟に教わったというチェンジアップを駆使して、シート打撃で好投。伊東勤監督から第1クール最終日には「MVP」に挙げられたチェン。ヤクルトに移籍した成瀬善久の代役となる開幕ローテ入りを目標に掲げており、戦力外通告を受けた左腕は文字通りの下克上を目論んでいる。今季のパ・リーグは、台湾出身選手の“助っ人”が旋風を巻き起こすかもしれない。
ギャビー・サンチェス
――東北楽天ゴールデンイーグルス
楽天から紹介したいのが、新助っ人のサンチェスだ。メジャーではマーリンズやパイレーツで活躍した内野手で、2011年にはオールスターゲームにも出場している。
マーリンズに在籍していた2010年、大乱闘をやらかしたことで有名なサンチェス。対ナショナルズ戦で、打者は後にDeNAに在籍することになるナイジャー・モーガン。マーリンズの投手が投じた報復球に激怒したモーガンが、マウンドめがけて走り出すやいなや、自軍の投手を守ろうと、そのモーガンに強烈なラリアットをお見舞いしたのが、サンチェスである。
トニ・ブランコ
――オリックス・バファローズ
昨季はDeNAで活躍していた長距離砲・ブランコ。オリックスに移籍した今季、キャンプ初日から変わった練習方法を取り入れている。球団用具担当が使用する、重さ4.5キロのT字型ハンマーをバット代わりにティー打撃を行っているのだ。
昨年10月からは故郷・ドミニカ共和国で「ハンマートレ」を開始したブランコ。地面に埋めたタイヤを叩くことから始め、しだいにボールを打つようになったという。ちなみにこのハンマーは、グラウンドに鉄製の杭を打つ際に使用するものだ。
昨季はやや期待外れの成績に終わったブランコ。今季の巻き返しに期待したい。
松坂大輔
――福岡ソフトバンクホークス
最後はズバリ、日本球界に9年ぶりに復帰した松坂を挙げたい。もちろん外国人というわけではない。しかし、9年間も日本を“留守”にしていたわけで、本人も周囲も、ある意味「新助っ人」として迎える今シーズンとなるだろう。
松坂にとっては、対戦する選手もほとんどが初対戦となる打者ばかり。相手チームも日本復帰を果たした松坂が、過去の日本在籍の投球から、どのように変化しているのか不明点は多い。
松坂のように、今季から加わった新“助っ人”たちが、自らの手の内をどこまで見せるのか、試合形式が増える今後のキャンプに注目したい。
(文=編集部)