神宮大会V、甲子園夏準Vを遂げた高校屈指の右腕! 佐藤世那(オリックス6位)の活躍のカギは?
本誌『野球太郎 ドラフト直前号』で好評の、プロ注目選手と、彼らを育てた指導者の証言で構成される「ドラフト候補&指導者マンツーマンインタビュー」。今回はオリックスから6位指名を受けた佐藤世那と、仙台育英高校野球部・佐々木順一朗監督の話を紹介しよう。
●佐々木順一朗監督の証言
★最初の印象
だらしないやつなのかな、というのが第一印象ですね。投げなかったので。足をくじいたのでしばらくできないと言うんです。ずいぶん経ってキャッチボールを見た時は、「うわ、凄いアームだな、大丈夫なのかな」と思いましたね。
★2年秋で成長
自分が投げなくてはいけないと思ってから変わりました。責任感が出たんでしょうね。ただ、ホッとするとダメ。昨秋の地区予選で、オレらいいんじゃないかと思ったら負けた。県大会の準決勝で勝って、東北大会を決めた後の決勝も勝ったけど6失点。東北大会も準決勝はよかったけど、決勝はいまひとつ。そこを経て、明治神宮大会はちゃんとやりました。
相手がいいぞ、というウワサがあった時の世那はいつもよかったなと今、思いますね。相手が強いと力が出るタイプ。最初に気合いが入ったのは、東北大会の光星戦。彼らの中で甲子園3季連続準優勝の光星(八戸学院光星)の存在は大きかった。チームを鼓舞したのは光星戦、自信が付いたのは明治神宮大会の天理戦、今夏の早実戦は気持ちが充実していました。相手が早実、そして清宮くんという存在も奮い立たせてくれたのでしょう。
★これから
下半身を鍛え、上下が連動できるように体幹も鍛えて、上半身に無理がかからないダイナミックな投手になってくれば、フォークがもっと生きるし、世那独特のジャイロみたいなボールも生きていくと思いますね。
今言ったことができると、アームだったら村田兆治(元ロッテ)さん。ダイナミックさで言ったら村山実さん(元阪神)みたいな感じですかね。近頃のピッチャーではいないですね。
●佐藤世那の証言
★2人の師
仙台市内の地元の中学に進み、硬式野球をやる選択肢もありましたが、仙台育英の秀光中に進みました。監督の須江航先生はクラスの副担任だった時もあって、野球よりも学校生活を厳しく言ってもらいました。野球以外の部分がいかに大切かを教わりました。
高校では佐々木監督に物事を客観的に見ることやマウンドでの立ち振る舞い、考え方を教わり、成長できたと思います。あっという間の6年間。仙台育英でよかったです。
★負けて成長
昨夏は宮城大会の4回戦で負けました。延長で本塁打を浴びたのですが、フォークに自信がなかったので、フォークを使っていいカウントで直球勝負をし、その1球をスタンドに運ばれました。
ボールへの自信のなさがありましたが、それが今のフォークやスライダーにつながりました。昨秋も地区予選では守備のミスをカバーできずに負けました。佐々木監督から「周りのミスをカバーできないのは、ピッチャーじゃないよ」と言われ、ミスが出た時のピッチングを覚えるきっかけになりました。
★これから
理想とするのは、岩隈久志投手(マリナーズ)や金子千尋投手(オリックス)です。プロの世界は想像もできない世界ですが、毎年、最低ラインの結果を残せる投手になりたいと思っています。
※この記事は『野球太郎No.016 2015ドラフト直前大特集号』の「ドラフト候補&指導者マンツーマン・インタビュー」より、ダイジェストでお届けしております。
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構成=野球太郎編集部