無欲。
西口のプロ生活を一言で表すと、この言葉がしっくりくる。
どんな好成績を挙げても渋ることなく契約更改を済ませ、メジャーリーグ移籍について聞かれれば「食事が口に合わない」と突っぱねるなど、俺流エピソードには事欠かない。
特に契約更改に至っては、「西口さんがその額でハンコを押してしまうと、意見を言いにくくなる」と、若手選手から苦言を呈されたほどだ。
埼玉西武ライオンズ一筋21年で、積み上げた182個の白星は、西口が無欲だったからこそ挙げられたものと思える。ただ、そんな西口にも欲を垣間見せた瞬間があった。それを彼のプロ生活とともに振り返ってみたい。