すごい! 泣ける! 暴走! 笑っていいのか……さまざまなエピソード満載の2013年プレイヤーズクイズ〜セ・リーグ野手編〜
9月22日、歓喜の瞬間は突然訪れた。甲子園のデーゲームで阪神が敗れたため、ナイターの巨人vs広島戦の試合開始直後に、巨人の2年連続のリーグ優勝が決定した今季のセ・リーグ。今週の2013プレイヤーズクイズでは、そのセ・リーグの野手にクローズアップして、クイズを出題します。
圧倒的な勝ちっぷりでセ・リーグ優勝を決めた巨人。開幕から1試合の引き分けを挟んで7連勝の好スタートも見事でした。
Q.1:その開幕から活躍したのが助っ人・ロペス。今シーズンから加入した新助っ人の打席に入る時の登場曲は、次のうちどれでしょう?
1.ゴールデンボンバー「女々しくて」
2. 大事MANブラザーズバンド「それが大事」
3.GReeeeN「キセキ」
巨人と対照的に開幕ダッシュに失敗したのがヤクルト。5月に最下位に沈むと、度重なる負傷者の続出によりシーズン最後まで浮上することはありませんでした。しかし、なんといっても今年のヤクルトの誇りは日本プロ野球の本塁打記録を更新したバレンティンでしょう。
Q.2:このバレンティンを応援するためにオランダから来日し、連日のように神宮球場で応援していた、バレンティンのお母さんの名前は?
1.エリザベスさん
2.オルガさん
3.アストリットさん
そのヤクルトと対照的に、粘り強さをみせたのが今シーズンのDeNA。7月には3位に浮上するなど、CS進出まであと一歩と、ファンに希望を持たせました。そして、チームと同じくその活躍に「いよいよ覚醒か?」とファンに希望を持たせる成績を残したのが、入団4年目の梶谷隆幸です。
Q.3:しかし、開幕直後の広島戦でスタメン出場するも、大きなミスを犯します。このプレーが中畑清監督の逆鱗に触れ、2軍に懲罰降格してしまいました。この時のチョンボとは次のうちどれでしょう?
1.4打席連続見逃し三振
2.二塁ベースカバーを怠り、失点を献上
3.何でもないゴロを一塁へ悪送球
健闘したDeNAも最下位は脱出したものの5位に終わってしまいました。同じくCS進出を逃したのが中日。9月末には広島との直接対決に連敗し、12年ぶりとなるBクラスが確定。試合後、ファンのヤジに応戦したり、チーム内のコーチや選手との対立が表面化したりなど、?木守道監督の“暴走老人”っぷりも話題になりました。
Q.4:ここで問題です。その?木監督の横に座り、ベンチ内で「おじいちゃんと孫」といった雰囲気を醸し出していた、中日期待の若手・高橋周平。彼の来シーズンの背番号はどれでしょう?
1.「7」
2.「9」
3.「2」
その中日を退け、16年ぶりにAクラス入りを果たしたのが3位・広島。さらにCSでも阪神に競り勝ち、CSファイナルステージまで駒を進めます。このCSでも活躍したのが入団6年目の松山竜平。規定打席には未達も、今季は123試合に出場し、打率.282、10本塁打、52打点と自身キャリアハイとなる成績を残しました。
Q.5:この松山選手は2007年のドラフトで広島に入団。その入団会見では自身が大学に進学する際、畜産業を営む祖父が飼育していた、ある生き物を売ってまでして学費を捻出してくれたエピソードを披露し、感極まって号泣しました。その祖父が飼育していた家畜は、次のうちどれでしょう?
1.鶏
2.牛
3.豚
その広島をなんとか振り切り、ペナントレースを2位でフィニッシュした阪神。今季は9月以降の失速が響き、何ともいえない「消化不良」なシーズンになってしまいました。
Q.6:しかし、孤軍奮闘したのがセ・リーグNo.1の安打数、178安打を記録したマートン。今季終盤には、球団新となる記録を達成しましたが、その記録は次のうちどれでしょう?
1.出塁の連続試合記録
2.本塁打の連続試合記録
3.猛打賞の連続試合記録
そして最後の問題は、セ・リーグ優勝を果たした巨人の選手で〆ましょう。優勝を決めた試合の前日、9月21日の時点で巨人はマジック1としていました。しかし広島が7-4で勝利し、2位・阪神がヤクルトと延長12回の末、引き分けたために巨人の優勝はおあずけとなってしまいました。
Q.7:ここで問題です。この試合、巨人の主将・阿部慎之助が試合直前になって緊急交代しました。その原因は何でしょう?
1.忘れ物をした
2.帯状疱疹を発症した
3.腰痛を発症した
■答え合わせ
Q.1の答え:1.ゴールデンボンバー「女々しくて」
交流戦の期間中、札幌でたまたまこの曲を聴いて、いっぺんに気に入ったそうだ。ちなみにロペス本人は、曲名も歌詞も全くわからないという…。この曲のおかげか、1年目ながら121試合に出場して打率.303、18本塁打、55打点の好成績をマーク。ロペスが本塁打を放った試合は15勝2敗1分と、不敗神話も作った。
Q.2の答え:3.アストリットさん
バレンティンが55号のタイ記録を放った当日は、日本に向かう飛行機のなかで「なんで私が来日するまで待たなかったの?」と息子を叱ったり、小さい頃から「頭の形がココナツに似ている」との理由でバレンティンを「ココ」の愛称で呼んだりなど、なかなかインパクトあるお母さんだった。
そんな母親もバレンティンにとっては「最愛の母」。見事、お母さんの目の前で56、57号を連発して新記録を達成した。
ちなみに「1.エリザベス」はラミレス(前DeNA)の、「2.オルガ」はペタジーニ(元ヤクルトほか)のそれぞれ奥さんの名前である。
Q.3の答え:2.二塁ベースカバーを怠り、失点を献上
この試合はセカンドとして出場していた梶谷。3回表、2死満塁で広島の打者・大竹寛がショートゴロを打った際に、二塁へのベースカバーに入らず(忘れたのか、他のプレーが頭にあったのかは不明)、2点を献上してしまった。
しかし、このミスにもめげず、1軍への復帰も早かった。一時、骨折により離脱するも、そこからは大活躍をみせ、特に8月は打率.398、8本塁打、22打点。月間31得点は王貞治氏(元巨人)の従来の記録と並ぶものだった(同月に巨人・村田修一が月間32得点の新記録を達成)。10月には日本代表に抜擢されるなど、来季以降のブレイクが期待される選手に成長した。
Q.4の答え:2.「9」
一桁の背番号を与えられたのはチームとしても期待をかけている証拠だろう。?木監督は今季終盤、我慢強く高橋を起用していた印象がある。来シーズン、大きく飛躍する土台はできたはず。?木監督が72歳で高橋は19歳と、その年の差はなんと53歳。退任した?木監督のためにも、レギュラー奪取を目指してほしい。
Q.5の答え:2.牛
鹿屋中央高(鹿児島)では無名の存在も、九州国際大に進学後の4年間で首位打者2回、打点王3回、本塁打王1回のタイトルを獲得。まさに大学進学していなければプロ入りはなかっただろう。
「おじいちゃんが牛を売ったお金で学費を出してくれた…」と入団会見でコメントした後、こらえきれずに号泣した松山。試合後のヒーローインタビューの決めセリフ「鹿児島のじいちゃん、ばあちゃん、俺やったよ!」を、来シーズンは何度も聞きたいものだ。
Q.6の答え:3.猛打賞連続試合記録
9月18日の広島戦から安打が4→3→3→3で、1試合3安打以上の猛打賞を4試合連続でマークした。プロ野球記録は2003年、当時ダイエーに所属していた井口資仁(ロッテ)らの5試合連続。しかし、マートンは23日のヤクルト戦では1安打に終わり、残念ながらその記録には及ばなかった。
Q.7の答え:2.帯状疱疹を発症した
帯状疱疹(たいじょうほうしん)とは皮膚に帯状の水ぶくれができ、神経痛のような激しい痛みが伴う症状。原因は幼少時に罹った水ぼうそうのウイルスで、疲れなどで免疫力が低下するとこのウイルスが暴れ出し、痛みを発症させるという。
こうした直前のハプニングにも負けず、見事にセ・リーグ制覇を飾った巨人軍。2年連続44度目のリーグ制覇(1リーグ時代含む)を成し遂げた原辰徳監督は、巨人の監督での優勝回数は長嶋茂雄(現巨人軍終身名誉監督)を抜いて6度目となり、名実ともに「平成の名将」となった2013シーズンだった。
■ライター・プロフィール
鈴木雷人(すずき・らいと)…会社勤めの傍ら、大好きな野球を中心とした雑食系物書きとして活動中。"ファン目線を大切に"をモットーに、プロアマ問わず野球を追いかけている。Twitterは
@suzukiwrite