【2016夏の高校野球】《鳥取観戦ガイド》有望選手と大会展望&勢力ピラミッド
7月16日〜27日(どらドラパーク米子市民球場ほか)
投打で試合を掌握する鳥取城北が1強!
県内他校がどこまで抵抗できるかに注目
☆★☆ 投手編 ☆★☆
●充実の鳥取城北投手陣
春季大会をずば抜けた強さで勝ち抜いた鳥取城北の投手陣が充実している。エースの中塚龍弥は決勝戦のみの登板となったが鳥取西を相手に5回を投げて被安打3、8個の三振を奪い相手につけいる隙をあたえなかった。落ち着いたマウンドさばきで130キロ台後半のストレートに変化球を制球よくコーナーに投げ分け、大崩れのしない頼りになる大黒柱だ。2番手の大宮隆寛も大きく成長し、春の大会では主戦として好投。球速は130キロ台中盤だが、キレがあり球速以上に見え、スライダーとのコンビネーションが冴えた。2年生の技巧派左腕・黒木祐二も一冬超えて大きく成長し、大宮とともに春はこの2人で勝ち抜いた。
準決勝で鳥取城北を苦しめた倉吉東の中嶋倫教も好投手だ。130キロ後半のストレートには威力があり、緩い変化球との緩急で打せてとる投球が持ち味。外野、一塁、投手とこなす主将の足羽健太朗も春季大会では好投を見せた。
國岡啓史(鳥取西)は決勝の鳥取城北戦では先発しなかったが3回を投げて被安打0、3つの三振を奪う好投を見せた。昨秋は倉吉北や境に打ち込まれる場面もあったが、冬を越えて両コーナーを丁寧につく投球に磨きがかかった。石田悠(鳥取中央育英)は小柄ながら力強い球を投げる。気持ちも強く度胸の据わった投手だ。
昨年のセンバツに出場した米子北のエース・高田将大は低めへのコントロールが抜群だ。小柄な左腕の池田尚樹も短いイニングであれば好投を見せそうだ。春季大会では倉吉北を苦しめた。
松本秀雄(倉吉北)は気持ちの強い主将。130キロ後半のストレートはなかなか力強いがやや一本調子になり過ぎるところもある。
▲黒木祐二(鳥取城北)
☆★☆ 打者編 ☆★☆
●打も図抜ける鳥取城北
県内最強の打撃力を誇るのも鳥取城北だ。その切れ目のない打線は相手チ―ムの脅威だ。4番を打つ垣内祥平は右の長距離砲。勝負強い打撃で打点を稼ぎまくる。左の長距離砲・平野稀成は体重102キロで迫力十分。切り込み隊長の寺坂黎也は俊足強打。練習試合だが東海大相模戦では先頭打者本塁打を打つなど長打力もある。万金歩夢は俊足功打の2番打者。小技に長けており守備でも要の遊撃手だ。2年の中島翔人も一発長打の魅力を秘め、瀬戸成一郎は広角に打てるアベレージヒッターだ。とにかく息を抜けない打線である。
鳥取城北と打ち合いを演じた鳥取商にも好打者が揃う。田中昂世は投手もこなす188センチの右の長距離砲。打席での迫力は県内随一だ。舛井太紀はチーム1の俊足で長打力もある。主将の古田和城は運動能力が高く守備でも要の三塁手だ。
投手編でも紹介した倉吉東の足羽は柔らかい打撃が持ち味の安打製造機の一面も見せる。強打のチーム・境の塩田海斗はシャープな打撃で広角に打ち分け、足もある。勝部浩平は逆方向への打球も伸びる右の長距離砲。渡辺仁は完全なパワーヒッター。ツボにはまればどこまでも飛ばす。
浅田平(鳥取中央育英)はシュアな打撃とフットワークの軽い守備で魅せる。藤田伶央(倉吉北)は元気のいい強肩強打の捕手だ。
▲塩田海斗(境)
☆★☆ 大会展望 ☆★☆
●3季連続県制覇の鳥取城北に利
とにかく鳥取城北が頭三つも四つも抜けた状態だ。春の大会も安定した投手陣と圧倒的な打撃で悠然と勝ち抜き、公式戦では昨夏から3季連続優勝だ。決勝戦はスコアこそ13対11だが、5回までにすでに12点差をつけており本来ならばコールドゲームである。ストップをかけそうなチームがすぐには見当たらないが、唯一接戦を演じた倉吉東、序盤リードを奪った鳥取商あたりは地力があるだけに期待したい。その他、ツボにはまれば鳥取中央育英、境も打撃力があるだけに期待。
地区勢力ピラミッド