◎投手編〜「秘密」でなくなった鳴門・上原
昨秋に続き春も県大会を制し、文句なしの徳島大会トップシードを獲得した鳴門。
秋の立役者は2年生左腕の西野知輝だったが、春の殊勲功はこれまでほとんど登板機会のなかった3年生右腕・上原諒大であった。
しかもこの上原、投げっぷりがソフトバンクの守護神・森唯斗(海部出身)のように気持ちが備わっている。
回転のかかったストレートは最速142キロ以上に打者手元で押し寄せ、縦変化も腕を振った中でよく落ちる。
首脳陣は「秘密兵器」と上原のことを証するが、こうなるともはや秘密ではない。
立派なエースである。
■「秘密兵器」またしても板野に
では、真の「秘密兵器」はどこに? 今年も板野にその選手がいた。
176センチ78キロ右腕の清水大輝。
6月の総体協賛ブロック大会では、日本航空石川に投げ勝った城東の武口哲也が登板しなかったとはいえ、3安打完封。
130キロ中盤の投げっぷりいいストレートを武器に森井絃斗(セガサミー)の負傷時にエースだった最速142キロ右腕・安藝龍馬を中堅手兼2番手投手に追いやる活躍を見せている。
最速141キロ右腕・立木遼(脇町)も腕振りの鋭さは上原、武口と双璧。
現在状態を崩しているが湯浅陽一郎(城北)も最速140キロを出す。
左腕では181センチ85キロの藤田淳平(川島)が最後の夏にかける。
さらに2年生右腕では浮橋幸太(富岡西)や近藤駿(徳島科学技術)も140キロに迫るストレートを持つ。
なお、最速140キロで「水野雄仁(元巨人)2世」の期待も大きい池田の2年生右腕・白川恵翔は、春先の練習試合で死球を受け骨折。
すでに練習には復帰しているが「無理はさせられない」と井上力監督は慎重に起用する構えだ。