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野村ヤクルトのミューレン&ハドラー、意外性の男・山倉和博ら、投手泣かせの歴代「恐怖の8番打者」

野村ヤクルトで恐怖の8番打者として活躍したミューレン

 開幕から不調に陥ったものの、気がつけば息を吹き返したソフトバンク。巻き返しのキーマンは、なんといっても上林誠知だろう。

 4月末にスタメンをつかむと、5月末までに8本塁打を量産。そろそろ打順が上がりそうな気もするが、ここまで「恐怖の8番打者」として存在感を発揮している。

 思い返せば、プロ野球史上に残る強打線には下位打線ながら、傑出した結果を残した伏兵が数多く存在した。

 たとえば、1991年のヤクルトでは古田敦也が8番・捕手で大ブレイク。打率.340で首位打者を獲得した。

 数字を見るだけで投手が恐れおののく、歴代「恐怖の8番打者」を紹介しよう。

ヘンスリー・ミューレン


■1995年の成績
130試合:打率.244/29本塁打/80打点
所属球団:ヤクルト
8番スタメン数:40試合
(日本シリーズ4試合でも8番スタメン)

 「恐怖の8番打者」でまず名前が挙がる助っ人は、間違いなくミューレンだろう。前年にロッテで23本塁打を放ち、ヤクルトにやってきたが、本塁打も三振も多い大砲タイプ。中軸としても申し分ない実力だったが、当時の監督は三振嫌いの野村克也氏。タスクが多く、なかなか力を発揮できなかったが、8月に打順が8番になると気が楽になったのか猛烈に打ちまくり、リーグ優勝、日本一に大きく貢献した。

 今年の楽天の2番・ペゲーロを「掟破り」と渋い顔で語る野村氏だが、8番・ミューレンも結構な掟破りでは!?

レックス・ハドラー


■1993年の成績
120試合:打率.300/14本塁打/64打点
所属球団:ヤクルト
8番スタメン数:64試合
(日本シリーズ5試合でも8番スタメン)

 「野村ヤクルト」では1993年のハドラーも忘れられない「恐怖の8番打者」。得点圏打率リーグトップの勝負強い打撃で日本一に貢献した。1991年の首位打者・古田もそうだが、実は野村監督のチームは8番打者がキーマンだったのかもしれない。


藤本敦士


■2003年の成績
127試合:打率.301/0本塁打/36打点
所属球団:阪神
8番スタメン数:118試合
(日本シリーズ4試合でも8番スタメン)

 2003年、阪神悲願の優勝時の8番打者・藤本敦士もしぶとく打率を稼いだ。7番・矢野燿大、8番・藤本、9番・ムーアの下位打線三連星は今でも語り草。


山倉和博


■1987年の成績
128試合:打率.273/22本塁打/66打点
所属球団:巨人
8番スタメン数:109試合
(日本シリーズ6試合でも8番スタメン)

 「意外性の男」こと山倉和博が最大の意外性を発揮したのが1987年。好成績を残した8番・捕手は多いが、この年の山倉はリード面の評価もあり、MVPを受賞している。8番でMVPを受賞した野手は稀少中の稀少。歴代最強の8番打者といえるかもしれない。


文=落合初春(おちあい・もとはる)

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