【プレミア12】侍ジャパンに立ちふさがるのはどこの国?一時、出場辞退と言われたメキシコだが…
選手をかき集めて、なんとか出場にこぎつけた
国内リーグのメキシカンリーグは、1940年代、総帥のホルヘ・パスケルのワンマン経営の下、かつてはメジャーリーグに対抗する勢力を誇ったが、米国との「野球戦争」敗北後は、メジャー傘下のマイナーリーグに地位を落とした。
プロリーグの地位は落ちたものの、組織トップのワンマンぶりは今も続いているようだ。野球連盟トップの独裁に夏季冬季のプロトップリーグであるメキシカンリーグとパシフィックリーグが反旗を翻したため、選手を招集できず、今大会は出場辞退か、とも報道された。11月5日になって、ようやくロースターが発表されたものの、その陣容は社会人日本選手権に出場した方がいいのではないか、と言えるようなものである。
登録選手27人のうち、メキシコ以外の生まれが18人というところに急造ぶりが表れている。その「傭兵」部隊のほとんどはメキシコ系アメリカ人だ。今年、メキシカンリーグでプレーしていた者は4人に過ぎない。
投手陣は、先発として、メキシカンリーグで6勝の元メジャーリーガー、セザール・カリージョ(レイノサ)、アメリカ独立リーグで6勝のミゲル・ペーニャ(スーフォールズ)、ブルージェイズのルーキー級で通算6勝のダルトン・ロドリゲスくらいしか名が挙がってこない。
打撃陣もメキシカンリーグで7本塁打のキャッチャー、フンベルト・ソーサ(ベラクルス)に、ドジャースのA、2Aで打率.269を記録したキューバ生まれのヤディール・ドレイク。そして、メキシカンリーグで10本塁打のロバート・ペレス(カンペチェ)、ダイヤモンドバックスの2Aで14本塁打のルディ・フローレスのアメリカ人コンビが多少はものになるかなと言う程度。正直、参加してくれただけでもありがたいという状況だ。
余談になるが、投手コーチには2002年に広島にいたリーゴ・ベルトランが名を連ねている。
*明日は侍ジャパンと対戦するドミニカ共和国を紹介
文=阿佐智(あさ・さとし)
1970年生まれ。世界放浪と野球観戦を生業とするライター。「週刊ベースボール」、「読む野球」、「スポーツナビ」などに寄稿。一発当てようと、現在出版のあてのない新刊を執筆中。ブログ「阿佐智のアサスポ・ワールドベースボール」(http://www.plus-blog.sportsnavi.com/gr009041)
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