ディクソンは来日5年目。毎年ローテーションを守る、オリックスに欠かせない戦力だ。しかし、勝利数は2013年から8勝、9勝、9勝、9勝とシーズン2ケタ勝利を達成したことはない。
今季は8勝8敗で、あと2勝すれば10勝に手が届く。ディクソン本人は2ケタ勝利にはこだわっていないようだが、ファンとしては気になるところ。いつも届きそうで届かないこの記録を今季こそ達成してもらいたい。
今季は節目の記録が誕生した。まずは中島宏之。6月7日の京セラドームでの阪神戦で二塁打を放ち、通算300二塁打を達成。続いて6月17日の対DeNA戦で通算1500試合出場を達成。2つの節目の記録を達成した。
中島はヒーローインタビューで、まだ自分はベテランと思っていないと発言。200本塁打まであと11本と迫っているので、今の調子でいけば来季には達成できるのではないか。
節目の記録を達成したもう1人はT-岡田。8月26日にメットライフドームで行われた西武戦の1回裏、バックスクリーン左に25号ソロホームランを放ち、通算150本塁打を達成した。
T-岡田のシーズン本塁打は本塁打王を獲った2010年の33本塁打がキャリアハイ。現時点で27本塁打まで伸ばしているが、キャリアハイを更新できるか注目したい。
T-岡田が通算150本塁打を放った翌日の試合では、9回裏に平野佳寿が登板。本塁打で1点を失ったものの後続を抑えセーブを記録。通算150セーブを達成した。平野は4月25日には通算500試合登板も記録している。ちなみに通算勝利数は47で、あと3勝で節目の50勝に到達する。
今季は投手のプロ入り初勝利が多く出たシーズンだった。ルーキーでは山岡泰輔、黒木優太、小林慶祐が初勝利。2年目の近藤大亮、赤間謙、4年目の大山暁史もプロ初勝利を記録した。山岡以外はすべてリリーフでの勝利である。
山岡は8月26日の西武戦でプロ初完封も達成した。9回を140球、被安打9ながらも無四球の好投。現在、6勝8敗と黒星が先行しているが2ケタ勝利を挙げれば新人王の可能性も浮上してくる。今後のピッチングに注目だ。
1軍初登板・初先発となった8月20日のロッテ戦で、高卒ルーキーながら好投した山本由伸。勝ち投手の権利を得て降板したものの、次のイニングで同点に追いつかれ勝利投手を逃してしまった。しかし、31日のロッテ戦で5回を投げ、4安打2失点で初勝利。安定感のある投球を続けて実力を証明し、将来のエース候補に名乗りを上げた。
ファームで活躍していた宗佑磨は8月23日に1軍登録。プロ入り初安打が期待されたが、3試合に出場しノーヒット。28日に登録抹消となってしまった。今後も1軍へコールアップされる可能性があるので、その時はプロ初安打に期待したい。
8月31日時点で、オリックスは53勝61敗1分の勝率.465。借金8を抱えているが、なかなか借金が減らない状態だ。ここを踏ん張って勝率5割に戻すことができれば、いい形で来季へつながるのではないか。残り29試合、ファンは精一杯声援を送ろうではないか。
(記録は8月31日現在)
文=矢上豊(やがみ・ゆたか)
関西在住の山本昌世代。初めてのプロ野球観戦は、今はなき大阪球場での南海対阪急戦と、生粋の関西パ・リーグ党。以来、阪急、オリックス一筋の熱狂的ファン。プロ野球のみならず、関西の大学、社会人などのアマチュア野球も年間を通じて観戦中。