【2015夏の高校野球】《新潟観戦ガイド》有望選手と大会展望&勢力ピラミッド

2015/7/6

7月10日〜26日（HARD OFF ECOスタジアム新潟ほか）

新潟高校球界賑わす140キロ台トリオ
中越が本命ながら大混戦の予感漂う今夏

●“文明”以外に注目好投手揃う

　近年、新潟県の高校野球界を牽引してきた日本文理と新潟明訓の私立2強以外の高校に好投手が揃っているのが今夏の特徴。注目右腕は、飯塚亜希彦（上越）、森山涼（加茂暁星）、石橋健哉（新潟県央工）の140キロ台トリオ。

　飯塚は今春県4回戦で日本文理に9回自責点1で完勝。179センチ80キロの体格から最速142キロのストレートとスライダーを低めに集めるほか、冬の間に習得したチェンジアップも光る。

　森山は175センチで細身だが、打者からボールの位置が見えにくい動作でキレのあるストレートを投げ込む。変化球もスライダー、カーブ、チェンジアップと多彩。

　石橋は140キロ台の重いストレートが武器。昨秋から10キロも体重を絞った影響で今春はややストレートに迫力を欠いたが、夏へ向けさらにパワーアップを図る。チームメートの右腕・堀俊介の成長でチーム内の競争が激化、エースの自覚が芽生えたのも大きい。

　左腕の注目は上村将太（中越）、庭山希（小出）、小林稜（村松）。昨秋、日本文理の県内連勝を止めた上村は、小柄ながら打者の手元で伸びてくる130キロ台中盤のストレートが特徴。庭山は今春4強の十日町に初戦で当たり延長戦の末敗れたが、130キロ台中盤のストレートと変化球の制球がよく総合力が高い。小林は182センチの長身で、ストレートとカーブのコンビネーションが特徴の大型左腕だ。

　他にも気になる投手は多い。高橋克幸（十日町）は、181センチから低めを突く右腕で、ストレートに伸びがある。佐藤睦（新潟商）は184センチの長身右腕で、冬の走り込みで球威・制球力ともに増した。昨夏準Ｖ右腕の中村光希（関根学園）は、春初戦敗退も130キロ台後半のストレートとタテの変化球に力がある。

☆★☆ 打者編 ☆★☆

●下級生時代から活躍の注目選手

　高1夏から3季連続で甲子園出場を果たし、昨夏大分戦で本塁打を放った左打者・星兼太（日本文理）は、スイングスピードが図抜けている。冬場に下半身を連動させた素振りを繰り返し、確実性を増した。俊足と強肩の持ち主で外野守備も安定している。

　右打者では小林史弥、斎藤颯、波方凌（いずれも中越）の3人が一発長打の魅力にあふれる。小林はミート力がありチャンスに強い。斎藤は右方向にも強い打球を打てる。波方は強肩の大型捕手。3人が中軸に座る大型打線で秋春と県制覇した中越が、12年ぶりの聖地を目指す。大平駿弥（上越）はチーム初の春4強入りに貢献。186センチの大型一塁手で、外角のさばきがうまい。

　中学時代に県制覇の経験を持つのは国松脩人と田村将太（いずれも北越）。国松は左打席から広角に打ち分ける。田村はパンチ力がありチャンスに強い右打者。初の甲子園出場に向け、夏は2人の爆発が欠かせない。

　大型左打者として期待され1年秋から4番に座る勝海光太朗（新潟明訓）は昨春以降、不振にあえいだが、ここにきて広角に打ち分ける本来の打撃を取り戻した。秋春とも16強に終わったチームを牽引する活躍を見せたい。

☆★☆ 大会展望 ☆★☆

●秋春Ｖの中越が一歩リードも混戦の予感

　昨秋に続き今春も県制覇の中越が12年ぶりの聖地へ一歩リード。右三枚の中軸に一発があり、投手陣も上村に続き高井涼が二枚看板に成長。追う新潟県央工は、石橋に続き堀が成長した投手陣に安定感。県初の夏3連覇がかかる日本文理は、1年生3人をレギュラーに抜擢し打線をテコ入れするも投手陣に不安が残る。打線が活発な北越、春4回戦で日本文理を倒した上越、秋春8強の加茂暁星が初出場を狙う。組み合わせ次第では2008年以来の公立校出場の可能性もあり大混戦の予感。

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