■堀瑞輝(日本ハム)
手の平ダルマ
■田中正義(ソフトバンク)
推理小説『シャーロック・ホームズ』シリーズ(コナン・ドイル)
■佐々木千隼(ロッテ)
マットレス(エアウィーブ)
■今井達也(西武)
金色のダルマ
■藤平尚真(楽天)
マットレス(東京西川)
横浜高・渡辺元智総監督の格言色紙
■山岡泰輔(オリックス)
三本の矢(地元・広島の毛利元就にあやかって)
■加藤拓也(広島)
確定申告本
■吉川尚輝(巨人)
マットレス
■濱口遥大(DeNA)
ハンモック
■大山悠輔(阪神)
ストレッチポール
■寺島成輝(ヤクルト)
サッカースパイク
■柳裕也(中日)
マットレス(東京西川)
川上憲伸の色紙
今年の一番人気はマットレス。昨年もオコエ瑠偉(楽天)が東京西川の30万円特注マットレスを持参して話題になったが、他社製のものも含めて今年も4選手がこだわりマットレスとともに入寮した。
近年、布団業界では東京西川を中心にアスリートの睡眠サポート事業を精力的に行っているが、ここまでくるとブームの域。プロアスリートを虜にする極上の寝心地を味わってみたいものだ。
王道のマットレスから少しズラしてきたのは、DeNA1位の濱口遥大。神奈川大学時代から愛用するハンモックを持参。指名直後から軽快なトークでファン、メディアを喜ばせているが、ここでもオッと目を惹く話題を提供。逸材ぶりを発揮した。
一方、本人たちも想像しなかったであろう“被り”はダルマ。西武1位の今井達也と日本ハム1位の堀瑞輝の高卒ドラ1の2人がそれぞれ思いを託したダルマを持ち込んだ。
しかし、そのサイズはまったく異なる。今井が持ち込んだのはお腹に「西武ライオンズ 今井達也」と書かれた金色の特大ダルマ。対して堀は手の平サイズの小さなダルマだった。
以前、堀をインタビューした際には「あまり目立ちたくなくて、野球から離れると控えめなんです……」と気恥ずかしそうに語っていたが、まさかこんなところで対比が生まれるとは……。思わず微笑んでしまったが、2人とも両目に墨を入れる気はマンマン。日本球界を代表するビッグなスターになってほしい。
入寮のおともとして定番なのは本。毎年、マンガ何百冊やトレーニング本などが話題になるが、今年はソフトバンク1位の田中正義と広島1位の加藤拓也の目玉が本だった。
田中はコナン・ドイルの名作『シャーロック・ホームズ』を持参。姉にプレゼントされたものだといい、東京スポーツ紙の取材に「あれくらいの洞察力があったら」とうまく展開をつけて語った。
また広島1位の加藤拓也は確定申告の入門本でぶちかまし。プロ野球選手として、だけではなく個人事業主としての1年目もバッチリと乗り越えたい気持ちをアピール。慶應ボーイらしいしたたかさを見せた。
ちなみにドラ1以外では巨人2位の畠世周が『孫子の兵法』を持ち込み。「お前は指導者か!」とツッコミたくなったが、巨人ではドラフト7位のリャオ・レンレイが規格外のデカさで外国人用のベッドから足がはみ出るなど次々と話題が溢れ出し、スポーツ報知はホクホク。入寮初日の撮れ高は巨人がナンバーワンだろう。
その他にもオリックス1位の山岡泰輔は地元・広島の清神社の「三本の矢」を持参。清神社は毛利元就ゆかりの神社で、毛利家が基盤とした吉田郡山の鎮守神として祀られている。Jリーグ・サンフレッチェ広島も毎年、必勝祈願式をするなどスポーツ界とも関わりが深い。折れない心でエースを目指す。
変り種ではヤクルト1位の寺島成輝も光った。寺島の目玉はサッカースパイク。「Jリーガーになります!」といきなり引退表明するのかと思いきや、幼馴染みでU-17日本代表などにも選出された伊藤遼哉(ドイツ2部・デュッセルドルフ)からプレゼントされたものだという。
これを報じた日刊スポーツ紙に「一緒に東京五輪に出たい」と語った寺島。過去から未来へとひとつの品でストーリーを語る流れは高校生とは思えない出来。大物の風格が早くも漂っている。
文=落合初春(おちあい・もとはる)