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清宮幸太郎、村上宗隆らが早くも台頭。リチャードら育成組も発奮。高卒3年目の2017年ドラフト組

文=勝田聡

清宮幸太郎、村上宗隆らが早くも台頭。リチャードら育成組も発奮。高卒3年目の2017年ドラフト組
 2017年のドラフト会議で指名された高校生たちは、今年が高卒3年目となる。本来であれば1軍の戦力になる選手は多くなく、2軍で力を蓄えている時期といってもおかしくはない。

 しかし、すでに1軍で頭角を現している選手、そして今年飛躍を期待されている選手が多い。そんな2017年にドラフト指名された高校生、いわば同級生たちを探ってみたい。

清宮幸太郎が圧倒的な存在感


 2017年のドラフト会議における目玉はなんといっても早稲田実の清宮幸太郎だった。高校通算111本塁打のスラッガーには7球団が入札し、日本ハムが交渉権を獲得したことは周知の事実だ。また、同年夏の甲子園で大会記録となる6本塁打を放った“打てる捕手”の広陵・中村奨成は2球団が競合し、地元の広島が交渉権を獲得した。

 ハズレ1位では履正社の安田尚憲、九州学院の村上宗隆がそれぞれ競合。安田はロッテ、村上はヤクルトが当たりくじを引いている。そしてソフトバンクが、サプライズを起こした。1位で鶴岡東の吉住晴斗を指名したのである。吉住はドラフト候補ではあったものの、1位で指名されるとは誰も思っていなかった、そんな存在である。

 ここまでの2年間を見ると清宮はすでに14本塁打を放ち、大器の片鱗をみせている。手術明けとなる今シーズンは、チームの主砲である中田翔と一塁のレギュラーを争うまでとなった。高卒3年目でこの位置につけているのは上々と言えるだろう。

 しかし、それ以上に結果を残しているのが村上である。1年目に初打席初本塁打を放つと、昨シーズンは10代の本塁打記録を更新する36本塁打を記録する大ブレイク。一気に世代のトップに駆け上がった。今年は春季キャンプでコンディション不良もあり出遅れ気味だったが、開幕が遅れたことでしっかりと合わせられそうだ。

 一方の安田は2軍で研鑽を積んでいる。昨シーズンは本塁打、打点の二冠王に輝き、3年目の飛躍を狙っている。中村と吉住は、まだ1軍での出場機会はない。

支配下を勝ち取ったリチャードと尾形崇斗も同世代


 どうしても清宮と村上の超高校級選手に目がいってしまうが、この世代はドラフト中位、下位指名の選手も結果を残しつつある。

 とくに投手陣が目立つ。八重山商工の平良海馬(西武4位)と霞ヶ浦の遠藤淳志(広島5位)、そして市西宮の山本拓実(中日6位)が、昨シーズン頭角を現した。

 平良と遠藤は中継ぎとして結果を残し、今シーズンは先発へ挑戦している。しかし、平良は結果を出すことができず、昨シーズン同様中継ぎとして起用される見込み。一方の遠藤は先発ローテーション争いの真っ只中。開幕延期となり、アピールの場が増えた。今後、数週間が勝負となる。

 山本は先発ローテーションに割って入りそうな勢い。中日にとっては、2009年の朝倉健太以来誕生していない高卒投手による規定投球回到達が目標となる。

 そしてソフトバンクの育成ドラフト組も忘れてはいけない。この春季キャンプで活躍を見せた沖縄尚学出身の大砲候補・リチャードと、学法石川出身の右腕・尾形崇斗である。

 リチャードは育成から支配下に昇格した選手としては珍しいスラッガータイプ。現時点で育成出身のシーズン最多本塁打は、昨シーズン甲斐拓也が記録した11本。この数字の更新に期待がかかる。一方の尾形はオープン戦で5試合に登板し、11回を無失点と好投。長いイニングも投げており、様々な起用法が考えられる。

 このように高卒3年目ながら大きな期待を集め、村上に続いてブレイクを果たしそうなのは清宮や安田だけではないのである。今シーズン、世代のトップ集団に食い込んでくる選手は現れるだろうか。

 高卒3年目のブレイクに期待したい。

文=勝田聡(かつた・さとし)

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