今年最初の紅白戦では4番で出場。第2打席でセンター前ヒットを放ち、好調をアピールしている。
【過去5年の開幕4番】
2011年 アレックス・カブレラ
2012年 松中信彦
2013年 ウィリー・モー・ペーニャ
2014年 李大浩
2015年 内川聖一
上記は過去5年の鷹打線の4番打者たち。2014年に全試合4番を務めた李大浩は、19本塁打、68打点と、4番にしては物足りない成績だった。しかし翌年は5番に座ると、31本塁打98打点とキャリアハイを記録。
他の選手も4番を打つと、それ以外の打順時よりも成績が下がっており、4番のプレッシャーがあるのは否めない。
内川も3番や5番を打つ方が、打線がより活発化するのではという声もある。報道によると、昨年のMVP・柳田悠岐が「4番を打ちたい」と表明。
FA残留を決めた松田宣浩や昨年のファーム二冠王・カニザレスだっている…。
と、想像を張り巡らせていたところ、工藤監督は今季も内川を4番打者として起用することを明言。李大浩が抜けた鷹打線で中心に座るのは、やはりこの男しかいないと判断したようだ。
横浜ベイスターズ時代には、内外野全てのポジションを守った経験がある内川。ソフトバンクでは外野手としての出場が主だったが、今年はファーストとしての出場も視野に入れている。
守備の負担を考えてのファーストコンバートで最近の成功例と言えば井口資仁(ロッテ)だろう。しかし昨季の阿部慎之助(巨人)のような例もあり、必ずしもファーストコンバートが成功する保証はない。
ちなみに内川がファーストでもっとも出場したのは2008年、横浜時代の119試合。この年は、打率.378で首位打者を獲得している。
4番ファースト
4番レフト
4番DH
など、さまざまなバリエーションの中から、工藤監督は「内川」をどのピースにはめるのか。
どこにはまっても他球団から見れば脅威に違いない。そして内川の活躍なしで、ソフトバンクの3連覇への挑戦は始まらないのである。
文=溝手孝司(みぞて・たかし)
札幌在住。ライター、イベント関連など、スポーツ関連の仕事を精力的にこなしている。北海道生まれなのに、ホークスファン歴約40年。99年ダイエー初Vを福岡ドームで観戦するなど、全国を飛び回りながら、1軍2軍問わずプロ野球を追いかけている。