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周東佑京に続け。尾形崇斗、長谷川宙輝、山下航汰、モタ、リチャードら育成出身ネクストブレイク候補

文=勝田聡

周東佑京に続け。尾形崇斗、長谷川宙輝、山下航汰、モタ、リチャードら育成出身ネクストブレイク候補
 昨季、もっとも飛躍を遂げたといってもいい選手は周東佑京(ソフトバンク)だろう。春季キャンプ時点では育成契約だったが、開幕直前に支配下登録を勝ち取ると1軍で102試合に出場。途中出場がメインだったが25盗塁を記録し、足で魅せた。オフシーズンには切り札として、プレミア12に挑む侍ジャパンのメンバーに選出。1年経たずに大ブレイクを果たしたわけだ。

 周東の活躍は、育成契約の選手にとって大きな希望となることは間違いない。そんな周東に続きそうな育成契約出身のブレイク候補には誰がいるのだろうか。

長谷川凌汰はチーム初の支配下登録を目指す


 現役選手において育成契約出身の出世頭といえば、千賀滉大(ソフトバンク)だろう。2010年育成ドラフト4位でソフトバンクに入団後、中継ぎで頭角を現すと先発転向後はエースへと成長。今や日本を代表する投手となった。

 同じソフトバンクから今年ブレイクしそうな育成出身の投手が尾形崇斗である。2017年育成ドラフト1位でプロ入りを果たした尾形は、昨年のオフに行われたアジア・ウインターリーグで大活躍。10試合の登板で防御率0.77と圧倒的な成績を残し、一躍注目を浴びた。

 この春季キャンプでもA組(1軍)に抜擢されると、最後までB組に落ちることなく完走。オープン戦では5試合で11回を投げ無失点とここでも結果を残し、3月16日に支配下登録に昇格した。今後はどのような起用法になるかはわからないものの、最速150キロを超えるストレートには迫力がある。要注目の一人だ。

 ソフトバンクブランドからもう一人。今シーズン、ヤクルトに移籍した長谷川宙輝である。この春の長谷川は、セットアッパー的な役割で起用されてきた。オープン戦では4試合で防御率2.25とまずまずの内容。150キロを超えるストレートを武器とし、「左の千賀」と称されることも。中継ぎの一角には加わってきそうだ。

 また、現時点では育成契約ながら面白い存在がいる。ルーキーの長谷川凌汰(日本ハム)である。昨年の育成ドラフト3位でルートインBCリーグ・新潟アルビレックスBCから加入した右腕は、オープン戦で5試合連続無失点と結果を出した。

 3月22日の西武戦(練習試合)では、2回途中6失点と山賊打線にプロの洗礼を浴びたが、栗山英樹監督は「真っすぐは悪くない」と評価を下げていない。チーム初となる育成契約からの支配下登録も目前だ。

 ほかでは、漆原大晟(オリックス)、ホセ・フローレス(ロッテ)の中継ぎ陣もチャンスはありそうだ。

高卒2年目の山下航汰(巨人)は故障から復活


 野手にも育成出身のブレイク候補はいる。まずは巨人の2人、イスラエル・モタと山下航汰だ。モタはこの春に長打力とハッスルプレーで阿部慎之助2軍監督と原辰徳監督に猛アピール。その甲斐もあって、支配下登録を勝ち取った。

 しかし、その後は1軍の壁にぶつかり、22打席無安打と苦しみ2軍へ降格。その後、3月28日に行われた紅白戦で一発を放ち、復調の気配を感じさせた。右の大砲候補として1軍に定着できれば、面白い存在となりそうだ。

 高卒2年目の山下はアジア・ウインターリーグで肉離れを発症し、この春は出遅れていた。だが、すでに実戦には復帰しており、3月28日の紅白戦では3安打猛打賞と結果を出した。一塁、左翼のポジションを狙う。

 この春季キャンプで結果を出した高卒3年目のリチャード(ソフトバンク)にも注目が集まる。育成出身では珍しいスラッガータイプ。三塁の松田宣浩の後継者候補の1人に名乗りを上げた。まだまだ課題は多く、すぐにレギュラー奪取は難しいもしれない。しかし、天性の長打力は目を見張るものがある。将来的には、育成出身者として初の30本塁打を期待したくなる存在だ。

 今シーズン、育成契約からスターへと成り上がる選手は現れるだろうか。苦労人たちの一念発起に期待したい。

文=勝田聡(かつた・さとし)

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