渡辺俊介(2009年・ロッテ)
25試合 3勝13敗 防御率4.05
援護率2.59(リーグワースト)
近年の負け運投手を語る上で欠かせないのは、2009年の渡辺俊介。このシーズンの渡辺は、13回のクオリティ・スタート(QS)を成功させながら、そのうちの11回に及んで勝ち星がつかないという異常事態に見舞われた。
その結果、勝率.188を記録……。1988年の野田浩司(阪神)以来21年ぶりとなる「規定投球回到達で勝率2割未満投手」となってしまった。
加賀繁(2010年・横浜)
27試合 3勝12敗 防御率3.66
援護率2.44(リーグワースト)
しかし、その翌年の2010年、渡辺の上をいく無援護投手が出現した。ルーキー時代の加賀繁だ。9回のQSでわずか1勝……。今季の今永昇太がこうならないことを祈りたい。
高崎健太郎(2011年・横浜)
29試合 5勝15敗 防御率3.45
援護率2.20(リーグワースト)
さらにその翌年、暗黒時代の横浜はさらなる負け運投手を輩出した。18回のQS中、勝利は5回。QSを決めても勝てない、決めなかったら絶対に勝てない。暗黒時代恐るべし……!
三浦大輔(2005年・横浜)
★最優秀防御率、最多奪三振を獲得
28試合 12勝9敗 防御率2.52
援護率3.15(リーグワースト)
黒田博樹(2006年・広島)
★最優秀防御率を獲得
26試合 13勝6敗 防御率1.85
援護率2.82(リーグワースト)
援護に恵まれなくとも己の力でタイトルを獲得する選手もいる。三浦大輔、黒田博樹はその好例。エース対決も多い中、踏ん張りまくればこんな稀有な成績を残すこともできるのだ……! 援護の少なさに悩む投手が目指すのはココ。
また黒田はメジャー時代でも7年のうち2年が援護率リーグワースト。そんな不運の中でも、気落ちせずにひたすら投げ続ける。お金よりも何よりもその姿こそが「男気」だと感じる。
澤村拓一(2013年・巨人)
34試合 5勝10敗 防御率3.13
援護率2.78(リーグワースト)
現在は巨人の守護神である澤村拓一も、かつては打線の援護なき男だった。
特に2013年はチームが絶好調だったにも関わらず、好投に勝ち星がつかず、シーズン終盤にはグダグダに……。見かねた原辰徳監督が中継ぎに配置転換し、そこから澤村のリリーフ適性が認知された。
世にも不思議な無援護投手たち。怒られるかも知れないが、彼らの成績を見ると無性にワクワクするのはなぜだろうか……?
文=落合初春(おちあい・もとはる)