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【2016夏の高校野球】《岐阜観戦ガイド》有望選手と大会展望&勢力ピラミッド

7月9日〜28日(長良川球場ほか)

県岐阜商、大垣日大、中京の3強が火花
中京・今井のフルスイングに注目集まる

☆★☆ 投手編 ☆★☆

●県岐阜商に今年も好投手


 投手の筆頭格は村橋主晟(県岐阜商)だ。最速143キロ、常時130キロ台後半のストレートはスピード感がある。昨秋は変化球にも進境を見せ、打者や試合展開を見ながら料理できるようになり、東海大会では享栄(愛知)を完封した。この春も試合を経るごとに状態が上がってきている。小島紳嗣(岐阜総合学園)も県上位の速球派で、変化球にもキレがある。素材では松本建介(岐阜各務野)が魅力で、投打に潜在能力があり大学で化けそうだ。

 左腕では松向輝(市岐阜商)が好素材。腕の出どころが見づらく、がっちりした体格で力のあるストレートを投げ込むため、一見すると力投型に映るが、変化球のセンスも秀逸だ。ゆったりとしたカーブと春に覚えたばかりのチェンジアップを効果的に操る。また長沢諒(大垣工)はストレートでも変化球でも腕が振れ、鋭いスライダーで三振を奪える。

 2年生では岡本滉史(県岐阜商)が将来性を感じさせる。本格派タイプで、投げ方に柔らかみがありスジがよい。タテに落ちる変化球も備えている。左腕では昨夏、1年生ながらベンチ入りを果たした伊藤翔太(大垣日大)、下條快斗(多治見工)に池戸昇太(美濃加茂)が加わる構図だ。伊藤は阪口慶三監督の秘蔵っ子サウスポーで、将来的には140キロも望める能力をもつ。下條も130キロ台後半に及ぶストレートに球威がありスライダーも武器。昨夏は2試合に先発し、帝京大可児に土をつけ、岐阜総合学園相手にも好投した。池戸も球にキレがあり投手としてのセンスもよい。


▲村橋主晟(県岐阜商)

☆★☆ 打者編 ☆★☆

●脅威のパワーヒッター・今井


 打撃は今井順之助(中京)が圧倒的だ。構えに威圧感が漂い、地面に根の生えたような下半身を土台に、パワフルなスイングで猛打を連発。追い込まれてからはレフト方向へ流して安打にするなど対応力もある。守備ではグラブさばきがうまく、一塁手のほか三塁手や外野手の経験も。一方、長打力では右打の山口駿太郎(大垣日大)も負けておらず、レフト方向へのロングヒットにスケール感あり。

 このほか、内野手では今年のチーム勢力図同様、「3強」の遊撃手が目立つ。1年夏の甲子園でも活躍した湯口郁実(大垣日大)は攻守にセンスがあり、主将としての統率力も十分。昨春センバツでも活躍した大野陸希(県岐阜商)もプレーがうまく、打撃もシャープだ。渡辺豪(中京)は2番打者だが、大型で長打も期待できる。

 外野手では同じ名字の中村峻輔(帝京大可児)、中村翼(美濃加茂)がともにリストの強いスイングで目を引く。加地弘和(美濃加茂)は体格がよくパワーがあり、高校通算本塁打は2ケタに及ぶ。捕手では松田汰一(県岐阜商)が攻守に存在感を増している。

 最後に隠し玉的存在で挙げておきたいのが加藤壮太(中京)だ。アスリートタイプで身長187センチの大型選手だ。昨秋は背番号1をつけていたが、これはチームにエース級が不在ゆえの“ダミー”で、本職はずっと外野手だという。ただし、投手経験者と誤解されてもおかしくないほど肩も強く、バックホームの送球が伸びる。


▲今井順之助(中京)

☆★☆ 大会展望 ☆★☆

●3強を打ち破る勢力はあるか?


 県岐阜商、大垣日大、中京の「3強」ムードだ。県岐阜商は春の東海大会で準優勝。1戦ごとに力をつけた。昨秋は県で頂点に立った大垣日大は毎年、春から夏にかけて打者のスイングがワンランク上がってくる。夏はこれまで以上に猛打が見られそうだ。左の好打者が並ぶ中京は投手陣の調子次第。この3強に美濃加茂、市岐阜商がどこまで食い下がれるか。要警戒は岐阜第一だ。かつて福知山成美(京都)を幾度も甲子園に導いた田所孝二氏が4月からチームを率いている。

地区勢力ピラミッド

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